とっさに何かを言われると、うまく言い返せない。
反論を試みるものの、挙動不審になってしまったり、論点がズレてしまったりする。
そんな状況はつらいですよね。
とっさに言い返せない原因は、パニック、感情表現の稚拙さ、優しすぎる性格など。
「弁解するみたいでかっこ悪い」と思っている場合もあります。
言いたいことを全て言うためには、「オウム返し」や「イエス・アンド法」をうまく活用すること。
それから矛盾点を見つ、効果的に反論していきましょう。
今回は、言い返せない原因、とっさに言い返すコツ、効果的に反論する方法を紹介します。
「言われっぱなし」は悔しいし、ストレスが溜まる!
「言われっぱなし」は悔しいですよね。
たとえば上司から理不尽なことを言われているのに、何も反論できない。
いわれのない批判に晒されているのに、事情を説明することができない。
そんな状況はストレスが溜まるでしょう。
では、どうすれば言いたいことを言えるようになるのでしょうか?
言い返せない原因
とっさに言い返せない原因は、いくつかあります。
自分はどれにあてはまるのか、考えてみましょう。
不意をつかれてパニックになっているから
1つめの原因は、不意をつかれてパニックになっているから。
心の準備ができていないときに、いきなり大きな声で怒られたりしたら、誰でも焦りますよね。
そこでサッと気持ちを切り替えて反論できる人と、そうでない人がいるのです。
感情表現が苦手だから
2つめの原因は、感情表現が苦手だから。
そもそも喋るのが苦手だったり、自分の気持ちを伝えるのが不得意だと、とっさに反論するのは難しいでしょう。
平常時ですらできないことを、非常時に求めるのは酷ですよね。
優しすぎるから
3つめの原因は、性格的に優しすぎるから。
「喧嘩したくない」「自分が悪いんだ」と思うあまり、言い返す気持ちになれないのです。
このような方は、おそらく闘争心も欠けているでしょう。
これは素晴らしい性格ですが、ストレスを溜めることがよくあるはずです。
人間関係をこじらせたくないから
4つめの原因は、人間関係をこじらせたくないから。
たとえば会社の同僚と激しい議論になったら、人間関係に亀裂が入りそうですよね。
また、ママ友とケンカになったら、その後もわだかまりが残るでしょう。
これは快適な社会生活を送るための、一種の防衛本能です。
弁解するみたいでかっこ悪いから
「弁解するみたいでかっこ悪い」という気持ちも、言い返せない原因です。
生真面目な人ほど「言い訳=やってはいけないもの」という意識が強いはず。
ちょっと古風な上司にそうすり込まれた場合もあるでしょう。
本当は、事実関係を明らかにすることは大切なんですけどね。
反撃(復讐)されるのが怖いから
6つめの原因は、反撃(復讐)されることへの恐れ。
相手がすぐに感情的になる人だったり、有力者だったりすると、反論を躊躇するでしょう。
人格否定をされたり、何らかの妨害を受ける可能性があるからです。
「逆ギレ」にも注意が必要ですね。
その指摘が的を得ていたから
7つめの原因は、その指摘が的を得ていたというもの。
つまり、相手の意見に納得したということです。
たとえば言い方がキツくて腹が立ったとしても、その指摘が正確だったら反論できませんよね。
この場合は、「悔しいけれどそのとおり」と受け止めるしかないでしょう。
言うべきことをちゃんと言ったほうがいい理由
うまく言い返せない方の多くは悩んでいるでしょうが、人によっては「沈黙すること」に美学を感じているかも。
でも、言うべきことはちゃんと言ったほうがいいですよ。
思いつくだけでも、これだけの理由があるからです。
- 誤解・勘違いは解消すべき
- 「すいません」では何も解決しない
- トラブルのときほど「正確な事実関係」が重要
- 「失敗するキャラ」が定着すると損を被る
- ときには「言う優しさ」も必要
- 黙っているほうが信用を失うこともある
「誤解されるくらいなら黙っているほうがいい」
「自分さえ我慢すれば全てがうまくまわる」
そういう考え方もときに大切ですが、決してそれだけではありませんよ。
ちゃんと言うべきことを言わなければ、問題が拡大したり、信用を失う可能性があるからです。
とっさに言い返すコツ
さて、うまく言い返せない方に「感情的に言い返せ!」「相手をやっつけろ!」とアドバイスしても、それを実行するのは難しいでしょう。
基本的に優しい性格なのですから。
では、とっさに言い返すためには、どうすればいいのでしょうか?
ここでは、そのコツを紹介しますね。
「オウム返し」をうまく活用する
1つめのコツは、「オウム返し」をうまく活用すること。
つまり、相手が言ったことを復唱することです。
たとえば「だからお前はダメなんだ!」と怒鳴られたら、「なるほど。だから私はダメなんですね」と返す。
「そんなことも知らないの?」と嫌味を言われたら、「そんなことってどういうことでしょうか?」と返すのです。
オウム返しは、1つのクッションになりますよ。
しかも否定も肯定もしていないので、相手は拍子抜け(クールダウン)するでしょう。
「イエス・アンド法」を取り入れる
2つめのコツは、「イエス・アンド法」を取り入れること。
イエス・アンド法とは、相手の意見を一旦受け入れる言い回しのことです。
具体例は以下のとおり。
- なるほど。では〜
- さすがですね。それなら〜
- よくわかります。そして〜
この言い回しであれば、それ以上何かを言われる可能性は低いでしょう。
相手の意見をリスペクトしていることが、暗に伝わりますからね。
逆に人をよく怒らせてしまうような方は、無意識に「イエス・バット法」を多用しているはず。
参考例は以下のとおりです。
- なるほど。しかし〜
- さすがですね。ただ〜
- よくわかります。でも〜
これでは相手を暗に否定することになるため、余計に逆上させかねません。
まずは相手の意見を受け入れるスタンスを心がけましょう。
冷静に否定も肯定もしない(無言の反論)
3つめのコツは、常に冷静であること。
挑発にのって怒ったり、激しく落ち込んだり泣いたりはせず、静かに対処することです。
たとえば社長から「ほんとに仕事ができないな」と言われたら、「なるほど。申し訳ありませんでした」とだけ言う。
友達から「悩みなさそうだよね」と嫌味を言われたら、「そうかもしれないね」と言うのです。
冷静に否定も肯定もしなければ、相手は白けますし、自己否定も軽減できます。
効果的に反論する方法
とっさに言い返すコツが身についたら、自分がバージョンアップした気になりますよね。
では、効果的に反論するためにはどうすればいいのでしょうか?
誰とでも対等に議論するようなことは、可能なのでしょうか?
ここでは、その方法を紹介します。
人格否定はやめて、相手の意見だけに集中する
効果的に反論するために大切なことは、相手の意見だけに集中すること。
よくやってしまいがちな間違いは、以下のように反論することです。
- 言い方がおかしい!
- あなたはいつもそう!
- お前はそういうタイプだ!
- 嘘つき!
- 意味不明です!
- なんで私にばかり言うんですか!?
- あなたはできるんですか!?
これらは反論しているように見えて、実は人格否定をしているだけ。
人格否定から生まれるものは、ケンカ(言い争い)と、人間関係の亀裂だけです。
積年のストレスもあるでしょうし、言い方が気に入らないこともあるでしょうが、まずは相手の意見だけに集中しましょう。
矛盾点を指摘する
効果的に反論するためには、矛盾点を指摘することも重要です。
相手の話をよく聞き、辻褄が合わない部分を正確に指摘してください。
ときにはムッとされることもあるでしょうが、えてして自分では矛盾に気づかないものです。
優秀な人ほど、正確な指摘に感謝するはずですよ。
代案を出す
効果的に反論するためには、代案を出すことも大切。
代案があれば、不備を指摘されたほうも納得するからです。
これは自分に置き換えてもよくわかるでしょう。
代案なしの指摘と、代案のある指摘。
どちらが受け入れやすいですか?
女性たちに聞いた!ここ1年の理不尽エピソード
「うまく言い返せない」と悩んでいる方は、きっといろんな理不尽な目にあっていることでしょう。
世間一般にも、同じような人がいるみたいですよ。
「Woman type」というサイトが行った調査が、それを物語っていました。
20代〜30代の働く女性200名に、「ここ1年の間に怒られたことはありますか?」と質問したところ、43.0%の人が「ある」と回答。
具体的なエピソードは、以下のとおりです。
誰からどのようなことで怒られましたか?(*一部抜粋)
「『席を外すときは必ず言って』と、お局様から叱られた」(34歳/一般事務)
「上司から、『僕が言わなくても、気付いてよ!』と言われました。でも中途入社3カ月目、前任者からの引き継ぎもない中、どうやって先回りして仕事をしろというのか……」(32歳/秘書)
「自転車に乗っていたら逆走してきた自転車と正面衝突しそうになり、ベルを鳴らしたら『危ないだろ!』と怒られた」(32歳/一般事務)
「大学出たのになんで正社員になれないのか、と両親に怒られました」(26歳/電機・電子・機械関連技術者)
引用元:Woman type
失礼ながら、読んでいて笑ってしまいました。笑
「社会人あるある」とでも言いますか、ぼくにも同じような経験があるからです。
きっとこの女性の方々も、その時はうまく反論できず、アンケートで吐き出したのでしょうね。
「言い返す=ケンカ」ではない
うまく言い返せない方の多くは、「言い返す=ケンカ」だと思っているでしょう。
日本社会は協調性が重視されるので、それも無理はありませんが、決してそうではありませんよ。
ときには誤解を正すことも、弁解(弁明)することも、反論することも必要なのです。
いつも言われてばかりなら、ときには感情的になるのも良し。
会議で黙ってばかりなら、ときには思い切って意見するのも良しです。
そうすれば、みんながあなたを見直しますよ!
*強気でいきましょう!
ミラクリから一言
言われっぱなしはもうゴメンだ。