「禁煙したら太った…」
そんな話を聞いたことはないでしょうか?
ぼくも以前まではたばこを吸っており、約10年前に禁煙しました。
幸いなことに、禁煙後も体重は変わりませんでしたが、周囲の禁煙成功者はみんな太ってしまいましたね。
気になって調べたところ、どうやら「禁煙で太る」のは事実なようです。
これから禁煙にチャレンジする人、または禁煙後に体重が増えてしまった人はちゃんと対策しておきましょう。
今回はたばこを止めることで太る原因と対処法を紹介します。
「禁煙したら太る」は本当だった(調査データあり)
「禁煙したら太る」という話は、都市伝説のようなものだと思っていました。
禁煙した人から「太った…」という話を聞いたことはありましたが、それはあくまでも人によるものだと。
しかしながら以下の統計データを見て、考え方が変わりました。
禁煙をすると癌、心血管病変など致死的な病気のリスクが低下し、総死亡が減少する。
しかし一方で、禁煙後に体重増加が認められることが知られている。
体重増加の程度については報告によって様々であるが、自力で禁煙した場合は平均で男性2.8kg、女性3.8kg、十数%の人では13㎏以上増えるとされている。
禁煙後3年程度の間に体重は増加、その後体重は減少し、禁煙7~8年後には非喫煙時の体重に戻ると報告されている。
引用元:京都医療センター 展開医療研究部
これは禁煙外来の患者186人(男性132人、女性54人)を対象に、3ヶ月かけて行われた調査だそうです。
せっかくたばこを止めて健康的になれたのに、今度は「肥満」に悩まされるのは嫌ですよね。
肥満は成人病の原因にもなりますから。
たばこを止めることで太る原因
では、なぜたばこを止めたら太るのか?
その原因を把握しておかなければ、対策のしようがありませんよね。
ですが、実は「たばこを止めたら太る」というところまでは判明しているものの、その原因を突き止めた科学的データはまだないそうです。
ここでは、可能性として考えられるものを紹介します。
ニコチンによる食欲抑制の解除
ニコチンは、たばこに含まれる有害物質の代表格ですよね。
たばこを吸っている人は、程度の差こそあれ、みんなニコチン中毒だと思います。
ニコチンには、血圧や心拍数を上昇させ、脳を活性化する作用があります。
それと同時に、実は食欲を抑制する作用もあるのです。
つまり喫煙者は、通常時よりも食欲が減退しているということ。
喫煙者が食欲の減退を自覚するのは不可能ですが、禁煙したらきっと気付くでしょう。
以前よりもご飯がおいしく感じ、たくさん食べられることを。
それこそが禁煙後に太る原因です。
味覚・嗅覚の改善
たばこに含まれるニコチン、タール、一酸化炭素に加えて、大量の煙を摂取すると、味覚と嗅覚が麻痺すると言われています。
ぼく自身もそうでしたが、禁煙したら「匂い」に敏感になるのは間違いありません。
禁煙に成功したあと、急に喫煙者の「臭い」に厳しくなる人が多いのはそのためです。
禁煙によって味覚と嗅覚が敏感になると、食べ物の香りに誘われてついたくさん食べてしまうでしょう。
食事自体も、以前より美味しく感じるはずです。
「口さみしさ」による食事量の増加
禁煙したら、口さみしくなりますよね。
ぼくも禁煙してから一番辛かったのは、この口さみしさでした。
今までは食事のとき、休憩のとき、一息つきたいときなどに咥えていた煙草は、もうありません。
たとえば飲み会のときも、手持ち無沙汰になってそわそわしたり、携帯電話を触ったり、とにかく落ち着かないのです。
では、そんな口さみしさを解消するにはどうするか?
食事をするか、お酒を飲むしかありませんよね。
他にも甘いものを食べたり、あめを大量に舐めたり、ジュースを飲むことで体重がどんどん増加してしまいます。
基礎代謝量の減少
基礎代謝量の減少も体重増加の原因です。
でも、たばこをやめたのに基礎代謝が減少するってどういうことでしょうか?
喫煙時のほうが基礎代謝は減少しそうですよね?
実はたばこに含まれている有害物質(毒素)を分解するために、喫煙者は通常よりもエネルギーを消費しているのです。
極端な言い方をすれば、「たばこを吸っているときのほうが太りにくい」ということですね。
禁煙したら、体内の毒素を分解する必要がなくなり、基礎代謝が落ちます。
基礎代謝が落ちているにも関わらず、今まで通りか、あるいは今まで以上の食事をしていたら太るのは当然と言えるでしょう。
禁煙で太りそうになったときの対処法
禁煙で太りそうになったときは、できるだけ早く対処していきましょう。
なぜなら一度増加した体重を落とすのは、本当に大変だからです。
過剰なダイエットに走る前に、できることからコツコツ始めてください。
水を飲む
ぼくが禁煙時によくやっていたのは、口さみしくなったり、間食したくなったときに水を飲むことでした。
水を飲むことで、空腹感を紛らわせるのです。
あまりにも強い空腹に襲われたときは、豆腐やこんにゃくなどの糖質の低いものを食べるか、炭酸水を飲むと効果的ですよ。
禁煙時はいつもペットボトルを持ち歩き、1日2リットルは水を飲んでいました。
ガムを食べる
口さみしくなったら、ガムを食べるのも効果的です。
ガムを食べると、口の中で何度も噛みますよね。
この咀嚼(そしゃく)の動作によって唾液が分泌され、満腹中枢が刺激されるのです。
禁煙ガムを利用する手もありますが、ぼくは不意に煙草を吸いたくなりそうな気がしたため、利用しませんでした。
キシリトールガムをボトルで持ち歩けば、いつでもどこでも口さみしさへの対策ができます。
炭水化物・脂質・カロリーの摂取量を減らす
ダイエットの基本は、エネルギー消費量よりも摂取量のほうが下回っていること。
ですから、食事の見直しも必須ですよね。
肥満の原因になりやすい炭水化物と脂質の摂取量を減らし、ローカロリーのものを中心に食べてください。
炭水化物と脂質を多く含む食品は、以下のようなものです。
- お米
- パン
- パスタ
- 芋類
- 牛ばら肉
- 豚ばら肉
- さば
- まぐろのトロ
- マーガリン・ドレッシング
- ホイップクリーム・生クリーム
ローカロリー食に切り替えたいときは、以下のような食材を中心に考えてみてください。
- そば
- 豆腐
- こんにゃく
- しらたき
- 野菜
- 納豆
- 海藻類
- 鶏肉のささみ
- 鶏のむね肉
- 水
- お茶
体調が良いときは、一日一食生活にチャレンジするのも良いと思います。
運動を習慣化する
「ダイエット = 食事制限」と考えがちですが、筋肉をつけ、エネルギー消費量を上げることも大切ですよね。
極端な話、運動でしっかりとカロリーを消費していれば、好きなものを食べても太らないのですから。
何も激しい運動である必要はありません。
できれば毎日、最低でも2日に1回は継続できるように、以下のような運動を習慣化してみてください。
- 最寄りのひと駅前で下車して歩く
- ウォーキング
- ランニング
- 筋力トレーニング
- ストレッチ
- ヨガ
- 屋外で子供と思いっきり遊ぶ
いきなりスポーツジムに通うとか、ハードルの高いことを考えなくても、「ひと駅前で電車をおりて歩く」から始めれば十分です。
いつも以上に体を動かせたら、消費カロリーがアップし、気持ちも前向きになりますよ。
睡眠時間を増やす
実は睡眠中にもカロリーは消費されていますので、短時間睡眠になればなるほど太りやすくなります。
また、以下のように、睡眠不足によって食欲増進ホルモンが分泌されることもわかっています。
健康成人男性1,024名を対象に、睡眠時間と食欲に関するホルモンの関連を調べた報告によれば、睡眠時間が短くなると、レプチン(食欲抑制ホルモン)の分泌が低下して、グレリン(食欲増進ホルモン)の分泌が増えることが示されています。
つまり、睡眠時間が短いと食欲に関するホルモンのバランスが乱れて食欲が増進してしまい、肥満につながりやすいと考えられます。
引用元:武田薬品工業
体重増加の原因は、睡眠不足なのかもしれません。
そもそもの睡眠時間を増やすのと同時に、睡眠の質を上げることも考えていきましょう。
禁煙には離脱症状がある
すでにたばこを止めた人は経験していると思いますが、禁煙には辛い離脱症状があります。
離脱症状とは、ニコチンなどに依存している状態が改善する兆候のこと。
「禁煙したら太る」だけでもじゅうぶん嫌なのに、辛い症状に襲われるのはもっと嫌ですよね。
具体的には、以下のような症状があらわれます。
- たばこを吸いたくなる
- そわそわして落ち着かなくなる
- イライラする
- 集中力が低下する
- 頭痛がする
- 眠気に襲われる
- 不眠になる
- めまい
- 倦怠感(気だるさ)
- 便秘
離脱症状を乗り越えられなければ、禁煙は成功しません。
肥満対策と合わせて、離脱症状への心構えも作っておきましょう。
禁煙時の苦しさは体が健康に向かっている証拠
禁煙しているときは、かなり辛いですよね。
なんとなく元気がでなかったり、イライラしたり、体がニコチンを欲したり…。
ぼくは幸いなことにそこまで苦しまずに禁煙できましたが、周囲の禁煙成功者はかなり壮絶でした。
なかには、あまりの苦しさに禁煙外来に駆け込んだ人もいましたね。
今まで何年も吸ってきたたばこから離れるのは大変ですが、ちゃんとポイントをおさえていれば、さほど苦しまずに禁煙できると思います。
禁煙中も、禁煙後も、がんばって乗り切りましょう!
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ミラクリから一言
たばこを止めたら、健康意識が高まります。