フリーランス(個人事業主)として独立したら、おそらくいろんな悩みを抱えるでしょう。
それまでのサラリーマンとは違い、営業、実務、経理などの全てを自分自身で行うからです。
とくに独立1年目は、戸惑いの連続。
どうやって仕事を得るのか、収入を安定させるためにはどうするのか、確定申告はどうやるのか、など。
もっと入念に準備しておくべきだったと後悔することや、経験不足による失敗がたくさんあると思います。
ぼくも独立1年目は無収入の時期が続くなど、苦しい状況でしたが、この記事を書いている時点で4年目に突入しています。
今まさに独立を検討している人は、いろんな心配や不安があるでしょう。
そこで今回は、ぼくが独立1年目で失敗したこと、後悔したことをまとめていきます。
ぜひ参考にしてください。
独立後の世界は、会社員時代とは別物だった
ぼくがフリーランス(個人事業主)になったきっかけは、うつ病でした。
うつ病を治療するために、それまで勤めていた会社を辞めて、独立したのです。
(退職してから独立するまでの体験談は、第一話、第二話、第三話にまとめています。)
それからは戸惑いと失敗の連続でした。
事業内容さえも決めていなかったため、得意先も、売上の見込みもゼロ。
当然ながら収入もありません。
担当業務をこなしていれば固定給をもらえる会社員のありがたみを、そのときに痛感しました。
フリーランスは、収入も、ボーナスも、福利厚生も、経費も、何もかもが自己負担ですからね。
いろんな方のお力を借りて、苦しい時期を何とか切り抜けましたが、もっと入念に準備してから独立すべきだったと思います。
独立1年目で失敗したこと、後悔したこと
独立1年目で失敗したことは、無数にあります。
後悔したことも山のようにありますが、苦しい時期を経験したことで人間的に成長できたと思います。
今はサラリーマンのときから副業を育て、安定収入を確保してから独立する人も多いようですね。
ぼくのように突然会社を辞めるのではなく、充分にリスクマネジメントをしてほしいです。
貯金が不十分だったため、資金繰りに困った
独立1年目にもっとも困ったのは、資金繰りでした。
想定外の独立であったため、充分な貯金がなかったからです。
事業に必要なお金を先払いしたら、回収までの間は資金難に。
生活費を捻出するのもやっとのような状態でしたから、毎日不安しかありませんでした。
「貯金ができてから」という考え方で独立のチャンスを逃してほしくはないですが、やはり「1年間無収入でも生きていけるくらいの貯金」はしておいたほうが良いでしょう。
お金がないときは、不要品を売ってしのぎました。
ビジョン(理想像)がなかった
ビジョン(理想像)がない状態で独立したのも、失敗でした。
社会にどのような価値を提供して、どんな人間になりたいのか。
どんな仕事をしたくて、収入はどれくらい必要なのか。
そのあたりの目標が皆無でした。
向かうべき方向性がわからなければ、事業は右往左往してしまいます。
実際、ぼくは独立してから次のような様々な仕事をしました。
- スニーカーの輸入販売
- 化粧品の卸売業
- フィギュア・CD等のネット通販
- 化粧品の企画
- ライター業
- ブログアフィリエイト
独立するなら、ブレないビジョンを持っておくべきだと思います。
「楽に稼げる仕事」に時間を割いてしまった
楽に稼げる仕事に時間を割いてしまったことは、かなり後悔しています。
楽に稼げる仕事とは、いわゆる「右から左」のような案件ですね。
企業から受けた注文を、誰かに発注し、中間マージンを取ることです。
受発注業務さえしておけば、後は誰かがやってくれるのは非常に楽ですが、このような仕事では成長しません。
一時的な利益にはなるものの、やはり長期的に考えたら「右から左」の仕事は無益だと思います。
クラウドソーシングサービスを活用しなかった
独立1年目の仕事がない時期に、クラウドソーシングサービスを活用するべきでした。
クラウドソーシングサービスを使えば、営業に行かなくても仕事を獲得できますからね。
ぼくは文章を書く仕事をしていましたが、仕事が舞い込んでくるのはブログかTwitterから。
これでは「オファーがくるのを待つ」しかなく、売上が見込めません。
ですが、クラウドソーシングなら、比較的簡単にクライアントとマッチングしてもらえます。
プログラマーやデザイナーなら、クラウドワークスやランサーズといったサービスで仕事を探してみましょう。
クラウドソーシングサービスを使ってWEBライターにチャレンジしたときの体験談は、次の記事で紹介しています。
経理・確定申告まで1人で行っていた
経理や確定申告まで、1人でやっていたのは失敗でした。
そんな時間があるなら、もっとインプットしたり、営業したり、仕事をすれば良かったですね。
経理業務は、売上と利益、経費(領収証)、請求書、入金などを管理する大変なもの。
確定申告の時期は、経理業務にかかりっきりになります。
良い経験にはなりますが、その時間は何も生み出しません。
独立したての人は経理を自分でやるでしょうが、資金に余裕ができた時点で税理士か会計士にお願いしたほうが良いでしょう。
「食っていける状態」に甘んじてしまった
独立当初はいろんなことにチャレンジしていたのに、「食っていける状態」になった途端に現状維持を考えてしまったのも失敗でした。
「食っていける状態」とは、だいたい月20〜30万円の収入がある状態ですね。
満足な収入ではないけれど、食べていく分には困らないといった水準でしょうか。
無収入だった時期に持っていた危機感が、そこそこの収入を確保できた途端に消え失せてしまう。
これは、ぼくの周りにいるフリーランスや起業家も同じことを言っていました。
やるべきではない仕事は、ちゃんと断るべきだった
やるべき仕事と、そうではない仕事を曖昧にしたのも失敗でした。
ぼくの場合、何で生計を立てるのかを模索していましたので、致し方ない面もありますが、それでもどんな仕事をするのかは早めに決めるべきだったと思います。
自分の考え方を明確にしておかなければ、受ける仕事と断る仕事の判別がつかないからです。
「お金じゃない」と考えているなら、低単価でも面白い仕事を。
「プロとしてお金も大切だ」と考えているなら、希望に見合った仕事を探せますからね。
フリーランスの仕事の断り方については、次の記事で解説しています。
営業(告知)をもっと積極的にするべきだった
フリーランスとして、営業(告知)をもっと積極的にするべきでした。
自分がどんな仕事をしているのか、今後どんな仕事をしていきたいのかを発信しなければ、誰にも気づいてもらえないからです。
ですから、ブログやSNSをもっと効果的に使えば良かったと思います。
実際、ぼくがライター業を始めたのも、ブログを読んでくださったメディア関係者からの連絡がきっかけでしたからね。
こまめに情報発信をしていれば、もっと早くに仕事が安定していたかもしれません。
フリーランスの情報発信の重要性については、次の記事でも紹介しています。
生産性の意識が欠如していた
独立1年目は、生産性の意識が欠如していました。
フリーランスには、就業規則も、職務規定もありませんので、いつ起きて、いつまで働こうが自由です。
ですから放っておくと、無制限に働いてしまうんですよね。
働けば働くほど疲れてしまい、思考能力も低下するという負のループにはまってしまいます。
たとえば単価30,000円の仕事を仕上げるまでに、10時間かかれば時給3,000円ですが、1時間なら時給は30,000円ですよね。
しかも、空いた時間は他の仕事に使えます。
フリーランスは誰にも怒られない自由な立場ですが、だからこそ自己管理を徹底し、生産性の意識を持つことが大切です。
働きすぎた
独立1年目は、とにかく働きすぎました。
収入面の不安もありましたが、ほとんど休まなかったせいで、自分の時間はおろか家族との時間も満足に確保できませんでした。
仕事がなく、収入もないような状態のときは、パソコンの前に座っているだけで「仕事をしたような気持ち」になれるんですよね。
本当は何も生み出していないのに。
人間にとって、ちゃんと休むのは大切なことです。
フリーランスとして成功する人の特徴
ここまでは、独立1年目の失敗例をまとめてきました。
失敗や後悔を抱えつつ、今でもフリーランスでいられるのはありがたいことです。
では、フリーランスとして成功する人には、どんな特徴があるのでしょうか?
ぼくの周りにいる人たちを観察して、まとめてみました。
- いろんな仕事にチャレンジしている
- ちゃんと休める
- 健康管理ができている
- やるべき仕事を選んでいる
- ビジョン(目標)がある
- 得意先や同業者とのつながりを大切にしている
- インプット(勉強)の時間を確保している
- スキルアップに余念がない
見事にぼくの独立1年目とは真逆ですね…。
フリーランス寿命の長い人は、ちゃんと休んで健康管理をしています。
仕事とプライベートの境界線が曖昧になりやすいからこそ、「オフ」の時間を意図的に作っているのでしょうね。
ビジョンや人とのつながりを大切にしているところは、企業経営者とも共通していると思います。
起業であれば、約3割が10年以内に倒産(廃業)する
最後に、ちょっとした余談です。
フリーランスの生存率については定かではありませんが、起業には生存率のデータがあります。
生存率とは、起業(開業)から倒産(廃業)するまでの推移のこと。
ここで中小企業庁のデータを引用します。
引用元:中小企業白書2011(中小企業庁)
独立3年で93%、5年で82%、10年で73%の企業が生存しているようですね。
逆にいうと、3年で7%、5年で18%、10年で27%の企業が廃業している、ということですね。
これを多いと見るか、少ないと見るかは意見がわかれるでしょうが、個人的には希望のある数字だと思います。
フリーランス(個人事業主)と法人で生存率は異なるでしょうが、少なくとも参考にはなるはず。
独立を検討している人は、ぼくと同じ轍を踏まないようにしてくださいね。
フリーランスに関する記事はまだまだあります
将来が保証されていないフリーランスに、悩みはつきものですよね。
今まさに独立を検討している人もいるでしょう。
次の記事もぜひ参考にしてくださいね。
- そもそもフリーランスって何?
- フリーランスのメリット・デメリット
- 仕事がないときの対処法
- フリーランスの仕事探し
- フリーランスの仕事の断り方
- 売上ゼロになったフリーランスのリアル
- うつ病をきっかけに独立した筆者の体験談:第一話、第二話、第三話
ミラクリから一言
リスクがあるからこそ、強いモチベーションが生まれます。