ぼくは約10年前まで、たばこを吸っていました。
1日あたり10〜20本と、たばこの本数はそれほど多くありませんでしたが、禁煙を決意するまでは大変でした。
それなのに「今日から禁煙しよう」と思ってから、まさに一瞬でたばこを止めることができたのです。
ここまでスムーズに禁煙できたのは不思議でしたが、いま振り返ってみるといくつかのポイントがあったように思います。
今回は、スムーズにたばこを止めたい人におすすめの禁煙方法を紹介します。
ぼくが実際に行った方法に加えて、他の禁煙成功者から聞いた方法もまとめました!
自身の体験から、禁煙成功のコツを紹介します
ぼくは約10年前にたばこを止めました。
禁煙を決意した理由は、健康管理と節約が主でしたが、「時間の節約」も大きかったです。
約10年前でも、すでにあらゆる場所から灰皿が撤去され、喫煙ルームが減り、飲食店は禁煙席が増えていました。
ですから、たばこを吸うのも一苦労だったのです。
ちなみにぼくの喫煙状況は以下のような感じでした。
- 喫煙歴:8年〜10年
- 1日あたりの喫煙本数:10本〜20本
- 好きな銘柄:KOOL、Marlboro、LARKなど
さて、ぼくはどのようにして禁煙をしたのでしょうか?
禁煙の効果について興味のある方は、以下の記事もチェックしてくださいね。
禁煙によって美肌になる可能性もあります。
効果的な禁煙方法(前準備編)
まずは禁煙のための前準備です。
この時点では「禁煙しようかな? どうしようかな?」という状態ですが、情報を集めるにつれて禁煙の決意が固まるはずですよ。
たばこの健康リスクを知る
「たばこは体に悪い」と言われますが、どれだけ悪いのかは未知数ですから、ちゃんと調べておきましょう。
世界保健機関(WHO)が発表した、ちょっと怖いデータを引用します。
世界保健機関(WHO)は2013年7月10日、喫煙による年間死者数が600万人に上り、この傾向が続けば、2030年には年間死者数が800万人に達するとの見通しを発表した。
WHOのマーガレット・チャン(Margaret Chan)事務局長は10日、パナマで開かれた会議で、「たばこの広告や販売促進活動を一丸となって規制しなければ、かつてないほど積極的なたばこ業界によって、青年や若い成人の喫煙意欲がかきたてられ続けるだろう」と述べた。
引用元:AFPニュース
2013年の時点で、喫煙による年間死者数が600万人もいるのは驚きですよね。
ちなみにたばこは、以下のような病気を誘発すると言われています。
- 癌(肺がん、口腔がん、食道がん、乳がん、胃がんなど)
- 動脈硬化
- 気管支ぜんそく
- 心筋梗塞
- 糖尿病(2型)
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
ちなみに「癌(がん)」については、非喫煙者に比べて発症リスクが30倍になるという調査結果もあります。
また、海外の研究によると、喫煙者がうつ病、パニック障害、統合失調症、発達障害などにかかるリスクは非喫煙者の2.9倍になると言われています。
吸いすぎにはくれぐれも注意してくださいね。
禁煙のメリットを知る
禁煙のメリットをちゃんと知っておくことも大切です。
体力が向上する、または肌ツヤが良くなるといったメリットもありますが、最もモチベーションが高まるのは「お金」に関することだと思います。
ウォール・ストリート・ジャーナルで、「禁煙成功者は、喫煙者や非喫煙者よりも報酬が高い」という調査結果が紹介されていました。
米アトランタ地区連銀の経済学者2人は、1992年から2011年の間のTobacco Use Supplementから米国勢調査局の人口動態調査に至る統計を使用し、1年以上禁煙している人々の賃金は現在喫煙している人々や一度もたばこを吸ったことのない人々よりも高いことを突き止めた。
この統計では、現在たばこを吸わない人々(一度もたばこを吸ったことのない人と以前の喫煙者を含む)の時給は、以前の喫煙者の時給の約95%であることが示されている。
一方、喫煙者たちは職場でそれほど報酬を得ていないことも分かった。
彼らの賃金はたばこを吸わない人の賃金の80%程度だった。
引用元:ウォール・ストリート・ジャーナル
喫煙者と非喫煙者の報酬格差については明らかになりましたが、なぜそのような格差が生まれたのか?については諸説あるそうです。
そもそもの教育の問題なのか、仕事の生産性なのか。
この調査結果では、「粘り強さや忍耐、また、禁煙を可能にしたあらゆる特性が、雇用主にとって価値があるのだと思う」と結論づけています。
つまり「禁煙に成功するほど意志の強い人」と見なされるということですね。
日本でも、喫煙者を採用しない方針を打ち出した「星野リゾート」のような企業が増えていますので、禁煙成功者の価値がさらに高まるかもしれません。
禁煙によって美肌になる可能性もあります。
喫煙で解消できるストレスはニコチン切れのストレスだと知る
たばこを吸うことによってストレスが解消されるような気がしますが、果たして本当にそうなのでしょうか?
たばこはその強烈な覚醒作用によって、脳のドーパミン分泌を促します。
ニコチンによって強制的にドーパミンを分泌するクセがつくと、自力で分泌できなくなるのが煙草の怖いところです。
つまりたばこを吸わなければ幸福感を感じられなくなり、ストレスが溜まるということ。
「たばこによって奪われた幸福感をたばこで得る」というマッチポンプになってしまいます。
ストレスの原因は、仕事でも、人間関係でもなく、ニコチン切れだったのかもしれません。
効果的な禁煙方法(実践編)
それでは次に、ぼくが実践した禁煙方法を紹介しますね。
どれも簡単にできることばかりですから、ぜひ参考にしてください。
減煙ではなく、絶煙する
よく禁煙のとっかかりとして「減煙」する人がいますが、ぼくの経験上、すぐに絶煙したほうが良いと思います。
たとえば「1日5本まで」に減煙した場合、かえってたばこを吸いたい気持ちが強くなりますよね。
これはニコチン依存が悪化している状態ですから、減煙はあまり効果がありません。
しかもぼくは減煙から禁煙に成功した人を見たことがないんですよね。
禁煙するなら、最初からスパッと絶縁したほうが良いと思います。
残りのたばこと喫煙用品を処分する
「この1箱を吸い終わったら始めよう…」ではなく、禁煙を決意したらすぐに始めましょう。
いま持っているたばことライターを、ゴミ箱に捨ててしまうのです。
最後に1箱にこだわっていると、いつまでも禁煙をスタートできないどころか、いつもの習慣で新しいたばこを買ってしまうことも。
気持ちが熱いうちに禁煙をスタートするのが最も効果的ですから、思い立った時点で喫煙用品を処分してください。
今までの習慣を断ち切るための手応えを感じるはずです。
たばこを吸いたくなったら20秒間がまんする
たばこを吸いたくなったら、20秒間だけがまんしてください。
人間の欲求は、20秒以内に着手しなければ消失するそうです。
逆に言うと、ダイエットでも、読書でも、何かを習慣化したいことがあるときは、欲求が芽生えてから20秒以内に行動すれば良いのです。
欲求が消失するまでの時間は10秒だったり、20秒だったり、諸説ありますが、最大20秒間で考えれば問題ないでしょう。
この「20秒ルール」は、経済評論家の勝間和代さんがテレビで紹介されていました。
禁煙の離脱症状については、以下の記事をご覧ください。
飲み会への参加を減らす
とくにたばこを吸いたくなるのは、コーヒーを飲んでいるときか、飲み会のときですよね。
コーヒーを飲むときのたばこの欲求は、ガムを噛む、または禁煙のカフェに行くなどで対策できますが、問題は飲み会です。
ぼくは禁煙と同時に禁酒しましたが、さすがにそこまで極端にやるとストレスが溜まるでしょう。
ですから、飲み会への参加を極力減らし、家飲みもほどほどにしてみてください。
喫煙所を目にしたときに煙草が欲しくなるように、飲み会に行くから煙草を吸いたくなるのですから。
これを良いきっかけとして、今まで惰性で参加していた飲み会を厳選してみましょう。
お酒以外にも、ストレス発散方法はあります。
他の禁煙成功者から聞いた禁煙方法
さて、ここからは他の禁煙成功者から聞いたたばこを止める方法を紹介します。
ぼくの周りにいる元喫煙者は、各自いろんな方法で禁煙に成功したようです。
体調が悪いときにたばこを吸う
体調が悪いときにあえて喫煙することで、たばこを「嫌な思い出」に書き換えた人がいました。
その人は、胃腸を壊して胸やけが続いていたとき、あえて立て続けにたばこを3本吸ったそうです。
すると喉が痛くなり、胃が逆流しそうな感覚に襲われ、そこからたばこを受け付けなくなったのだとか。
荒療治ではありますが、以下のようなときにたばこを吸うと禁煙できるかもしれません。
- 高熱のとき
- 風邪を引いて、喉が痛いとき
- 二日酔いのとき
- 胸やけがするとき
ただし、本当に体調が悪いときや病気のときの喫煙は避けてくださいね。
「禁煙セラピー」を読む
禁煙にチャレンジしたことがある人なら、「禁煙セラピー」という本の名前を聞いたことがあるでしょう。
1985年にアレン・カー氏が執筆した禁煙セラピーは、芸能人にも愛読者が多い大ベストセラーです。
アレン・カー氏も、多いときで1日100本のたばこを吸うヘビースモーカーだったそうですが、約30年かけて禁煙に成功しました。
30年間で培った禁煙のノウハウは、他の精神論とは一線を画します。
効果的な禁煙方法だけではなく、たばこ業界の闇からニコチンによる洗脳まで、幅広い内容が紹介されていますので、ぜひご一読を。
禁煙グッズを活用する
禁煙するために、まずは禁煙グッズから始めるのも選択肢の一つです。
禁煙グッズとは、以下のようなものです。
- 電子タバコ
- 電子パイプ
- 水タバコ
- IQOS(アイコス)
- 禁煙ガム
- ニコチンパッチ
電子タバコ、電子パイプ、水タバコ、IQOS(アイコス)あたりは、いずれも紙タバコよりも有害物質がカットされている、いわば健康に配慮されたたばこです。
ただし、健康リスクはゼロではありません。
たとえ健康に配慮されていたとしても、煙を吸うこと自体を止めたい人は、禁煙ガムやニコチンパッチを活用すると良いでしょう。
ちなみにぼくの周囲で最も多かったのは、「電子タバコ」から徐々に禁煙したケースでした。
リセット禁煙法で精神面から改善する
健康リスクについて深く考え、たばこの洗脳をとくことを「リセット禁煙法」と言います。
リセット禁煙法とは、「たばこ = 美味しいもの」という認識を「たばこ = まずくて体に悪いもの」に書き換える認知療法のようなものです。
依存状態に陥るニコチン。
健康被害の一番の原因とされるタール。
たばこを吸うことで発生する一酸化炭素。
これら3つの有害物質ついて深く考え、このままたばこを吸っていると将来どうなるのか?を理解するのです。
禁煙の成功には、精神面の改善も大切ですよ。
「このまま喫煙を続けたらどうなるか?」を病院で説明してもらう
ちょっと面白い禁煙方法を実践していたのは、「このまま喫煙を続けたらどうなるか?」を病院で説明してもらった人でした。
この人は体力の低下を実感するとともに、定期的に胃腸を壊していたそうです。
あるとき胃潰瘍になり、病院で診察を受けていたところ、先生にたばこの健康リスクについて尋ねたのだとか。
今までは健康診断で「たばこを減らしてください」と言われても無視していたのに、病院では真剣に話を聞いたそうです。
癌や心筋梗塞のリスクなどを一通り説明してもらい、症例を見せてもらった段階でたばこを吸いたいという欲求は消えていたみたいですよ。
禁煙外来に行く
専門医の力を借りて禁煙したいなら、禁煙外来を利用すると良いでしょう。
禁煙外来といえば、俳優の舘ひろしさんが禁煙に成功した「チャンピックス」が有名ですよね。
ある基準を満たすことができれば健康保険が適用され、3割負担で禁煙治療を受けることができます。
禁煙外来の主な概要は以下の通り。
- 保険適用の基準:ニコチン依存度テストで5点以上などの基準を満たすこと
- 保険が適用された場合の治療費:禁煙治療費の3割を負担
- 概算の治療費:8週間〜12週間の治療で2万円程度
- 注意事項:禁煙に失敗し、1年以内に禁煙外来に行く場合は保険適用外
意志の弱い人は、誰かの力を借りたいですよね。
家族や友人には甘えてしまいますが、厳しい先生の目があれば禁煙を継続できるでしょう。
「過剰に禁止しない」のが禁煙成功のコツ
ぼくが思うに、禁煙成功のコツは過剰に禁止しないことだと思います。
人間は制限すればするほど欲しくなる生き物ですよね。
ダイエットしたいのに、甘いものが我慢できないのはそのためです…。
つまり「絶対にたばこを吸わない」と決意すればするほどたばこが欲しくなりますので、どこかに「ゆるさ」も残しておくこと。
「禁煙のストレスに押しつぶされそうになったときはたばこを吸おう」と考えておけば、楽に禁煙を継続できますよ。
喫煙は習慣ですから、断ち切るのは容易ではありません。
ですが、努力すれば必ずたばこを断ち切れます!
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実体験を含めた情報をまとめています。
ミラクリから一言
禁煙したら、時間に余裕ができます。