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【夫婦間におけるモラハラ】モラルハラスメントの特徴と対策を徹底解説

「モラハラ」という言葉が広く知られるようになりました。

有名芸能人の離婚原因が「夫のモラハラ」だったり、「職場の上司のモラハラ」が原因でうつ病になったり。

モラハラは人間関係をこじらせる原因になりそうですが、具体的にどのような行動を指すのか、いまいち釈然としませんよね。

しかしながら、モラハラが離婚原因の上位になり、無自覚の被害者も増えているようですから、無視はできそうもありません。

今回は、夫婦間のモラハラについて徹底的に解説します。

今まさにモラハラに悩んでいるなら、文末で紹介する相談窓口に連絡してくださいね。

モラハラとは?

モラハラ(モラルハラスメント)とは、精神的な暴力、あるいは嫌がらせのことを言います。

具体的には、言葉の暴力で傷つけたり、無視をしたり、冷たい態度で追い詰めるようなことですね。

傷や痣(あざ)が顕在化する暴力とは違い、部外者にはわからない精神的な暴力であるため、長期に渡って苦しめられるのが特徴です。

モラハラという言葉を生み出したフランスの精神科医、マリー=フランス・イルゴイエンヌ氏に言わせると、モラハラは「精神的な殺人」なのだとか。

モラハラは夫婦間や職場で起こりやすい

モラハラは、夫婦間や職場で起こりやすいものです。

「モラハラ夫」「モラハラ妻」「モラハラ上司」という言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。

モラハラは、毎日一緒に過ごす人からされるものですから、受けた人はかなり苦しみ、心に深い傷を負ってしまいます。

モラハラは離婚原因の上位

モラハラは、離婚原因としても上位に位置しています。

ここで厚生労働省の調査データを紹介しますね。

「夫」の離婚動機では2位

まずは夫から離婚を申し出た際の離婚理由を紹介します。

2013年の調査によると、夫側の離婚理由は次のようになるそうです。

性別離婚申し立ての動機別割合の推移(2013年)

  • 第1位:性格が合わない(63.5%)
  • 第2位:精神的に虐待する(17.4%)
  • 第3位:異性関係(15.5%)
  • 第4位:家族親族と折り合いが悪い(14.9%)
  • 第5位:性的不調和(13.0%)

引用元:司法統計からみた離婚(厚生労働省)

「性格が合わない(性格の不一致)」が圧倒的ではありますが、精神的な虐待が2位。

精神的虐待とは、モラハラのことですね。

つまり離婚を申し出た夫の17.4%は、妻からモラハラを受けていたということになります。

「妻」の離婚動機では3位

次に、妻から離婚を申し出た際の離婚理由を紹介します。

2013年の調査によると、妻側の離婚理由は次のようになるそうです。

性別離婚申し立ての動機別割合の推移(2013年)

  • 第1位:性格が合わない(44.4%)
  • 第2位:生活費を渡さない(27.5%)
  • 第3位:精神的に虐待する(24.9%)
  • 第4位:暴力を振るう(24.7%)
  • 第5位:異性関係(19.5%)

引用元:司法統計からみた離婚(厚生労働省)

こちらも「性格が合わない」が圧倒的で、次いで「生活費を渡さない」が2位ですが、精神的な虐待が3位。

モラハラは、男女ともに離婚原因の上位になっています。

ちょっと意外だったのは、女性よりも男性のほうがモラハラに悩んでいるということ。

これは「女性(妻)のほうがモラハラをする」という見方もできますが、「男性(夫)のほうがモラハラ耐性がない」という見方もできます。

モラハラによる離婚が増えている

モラハラによる離婚は、年々増えているようです。

先ほどの厚生労働省のデータによると、調査開始当初の1975年から2013年までで、モラハラ離婚の数値は次のように増えています。

  • 夫の離婚動機:1975年(9.1%)→2013年(14.4%)
  • 妻の離婚動機:1975年(17.0%)→2013年(24.9%)

これはモラハラの加害者が増えているというよりも、モラハラという言葉が認知されたことで、きちんと対処する人が増えたのかもしれません。

たとえばモラハラの証拠をおさえて離婚するようなことですね。

モラハラの特徴

さて、それでは次にモラルハラスメントの特徴を確認していきましょう。

モラハラをする人には、いくつかの特徴的な行動があります。

「あれ… もしかして私の配偶者は?」と思っている人は、よくチェックしてくださいね。

最初は優しいが、あるときを境に豹変する

モラハラをする人には、最初は優しくて、人あたりもいいのですが、あるときを境に豹変する特徴があります。

夫婦喧嘩をしたとか、相手の逆鱗に触ることを言ったとか、そういった出来事がきっかけになるわけではありません。

しかも一度モラハラが始まると、少しずつエスカレートしていき、じわじわ追い詰められるから厄介です。

精神的虐待は家の中だけで起こる

モラハラという名の精神的虐待は、家の中だけで行われます。

たとえば家族みんなで出かけたときや、夫婦で一緒に誰かと会うような場面では、モラハラは行われません。

あくまでも普段は社交的で人あたりもよく、「いい夫(妻)」と言われるような人が、家に帰った途端に豹変するのです。

加害者側が被害者を演じ、同情を誘う

モラハラをする人は、あるとき自責の念にかられたように反省し、落ち込みます。

つまり本当は加害者なのに、被害者であるかのように振る舞う。

たとえば次のようなことを言って、被害者の同情を買おうとします。

  • 私のこの性格がきらい
  • また◯◯を傷つけてしまった
  • だから俺はだめなんだ
  • あなたがいなければ、生きていけない

定期的に弱い部分を見せることで、それまでの精神的虐待をチャラにしようとするのです。

平気で嘘をつく

モラハラをする人は、平気で嘘をつきます。

たとえば本当は自分がモラハラをしているのに、「妻が食事を作ってくれない」「掃除をしない」などと言って、モラハラを正当化する。

あるいは、わざと体に傷をつくり、自分がDV(家庭内暴力)の被害者であるかのように振る舞うのです。

モラハラの被害者なのに、なぜか加害者に仕立て上げられた人は、ワケが分からなくなるでしょう。

身体的な暴力はない

モラハラをする人は、身体的な暴力をしません。

なぜなら暴力をしてしまうと、傷や痣(あざ)ができてしまい、責任を問われるからです。

ですから、表面的には傷が残らない言葉の暴力で相手を追い詰めていくのです。

相手に変わって欲しいというよりも、ストレスを解消したいだけ

モラハラをする人はいろんな暴言を吐きますが、相手に変わってほしいわけではありません。

ですから揚げ足取りも平気でしますし、後出しジャンケンで文句を言うようなこともします。

たとえば自発的な行動を要求しておきながら、相手がいざ動き始めたら「うっとうしい」などと言うことですね。

文句を言うことで、ストレスを解消しているのです。

疑問形で追い詰める

モラハラをする人は、暴言を吐くだけではなく、ときには疑問形で冷静に相手を追い詰めます。

たとえば次のような言い方ですね。

  • 頭の悪いお前でも理解できる?
  • なに考えてるの?
  • 意味わかってる?
  • その自覚がある?
  • すぐに人のせいにするよね?

疑問形はあくまでも問いかけですから、相手にも意見を言わせるのかと思いきや、自分からまくしたてるだけ。

疑問形の言葉は、ときに残酷です。

その他の特徴

モラハラの他の特徴をまとめてみました。

  • 全てを配偶者の責任にする
  • 嘘をついてでも責任転嫁をする
  • 平気で人を利用する
  • 子供をだしにする
  • 不安を煽る
  • マイルールから外れると異常に怒る
  • パートナーが失敗するように仕向ける
  • 嫉妬からくる嫌がらせが多い
  • 不機嫌になったら逆ギレする

責任転嫁、人を利用する、不安を煽るなど、モラハラをする人は常識では考えられないような行動をします。

人の痛みがわからない、サイコパス(反社会性パーソナリティ障害)に該当する人も多そうですね。

精神的に追い詰める!モラハラ夫の特徴と行動

それでは次に、モラハラの特徴をもう少し具体的に見ていきましょう。

まずはモラハラ夫から。

モラハラ夫には、次のような特徴があります。

  • 「お前に対して怒っている」を態度で示す
  • 自分の非を絶対に認めない
  • 外での顔と家庭内での顔が真逆
  • 家庭内のトラブルを妻のせいにする
  • 過去の失敗をいつまでもあげつらう
  • 両親と結託して嫌味を言う
  • たまに「かわいそうな自分」を演じる
  • 本気で怒ったらプレゼントでごまかす

どちらかと言うと、高圧的な態度にでるようです。

でも、公の場では社交的に振る舞い、「いい夫」を演じているのですから、かなり恐いですよね。

夫婦円満な人たちとは、真逆の行動をしていると思います。

帰宅恐怖症になる!モラハラ妻の特徴と行動

次に、モラハラ妻の特徴を見ていきましょう。

モラハラに悩み、離婚を決断する男性も多いようですが、モラハラ妻にはどのような特徴があるのでしょうか?

  • 臭い、汚いを連呼する
  • 肥満体型や薄毛(ハゲ)などを嘲笑する
  • 「結婚したことを後悔している」と笑いながら言う
  • 義理の親(夫の両親)をバカにする
  • 子供と結託して無視をする
  • 食卓と寝室を別々にする
  • 収入減に対して「会社でも役立たず」などと嫌味を言う
  • 何があっても悲劇のヒロインになり、夫を責める
  • 「お前」「どけ」「あっち行け」などの暴言を吐く

すでに夫としてのリスペクトも、男性としての尊厳も失っている状態ですね。

あからさまにバカにされたり、子供と結託してひどい扱いを受けたり、無視をされると、帰宅恐怖症になるでしょう。

このような状態が続けば、仮面夫婦になってしまうかもしれません。

ほとんどいじめ!モラハラ上司の特徴と行動

夫婦円満であっても、配偶者が会社でのモラハラに悩む場合もあるでしょう。

愛する配偶者が苦しんでいるなら、相談に乗り、一緒に解決したいですよね。

モラハラ上司には、どのような特徴があるのでしょうか?

  • 社内で孤立させる
  • 仕事を取り上げる
  • 窓際族に追いやる
  • プロジェクトから疎外する
  • 必要な情報を渡さない
  • 私生活に介入する
  • デリケートな質問をする(彼氏、結婚、子作りなど)

ほとんどいじめですよね。

社員の存在価値を毀損するような会社、もしくはいじめを放置するような会社に未来はありません。

上司からのモラハラに悩んだときは部署異動がいちばん現実的ですが、モラハラ上司の性格は変わりませんので、また嫌がらせをされる可能性があります。

ですから、耐えられないレベルのモラハラを受けたら、会社の上層部に相談するか、すぐに転職したほうが良いでしょう。

会社を辞めるべきタイミングについては、次の記事で解説していますよ。

仕事に疲れたときは、次の記事を参考にしてください。

モラルハラスメントを受けたときの対策

モラルハラスメントを受けたときは、具体的にどのように対処すれば良いのでしょうか?

主な対策をまとめてみました。

  • ひどい言葉を真に受けない
  • 相手が感情的になったときは闘わない
  • 絶対に同情しない
  • 豹変ぶり(二重人格)を他の人にも知ってもらう
  • モラハラの証拠を集める
  • 離婚する
  • 転職(退職)する
  • 第三者に相談する

どれも時間と労力がかかることですし、精神的に消耗するのは間違いありません。

自分は被害者なのに、さらに消耗するなんて理不尽だと思うかもしれません。

ですが、モラハラは「治らない病気」のようなものだと言われていますので、同じ環境にいるかぎり、同じ人の側にいるかぎり、またモラハラに苦しむ可能性があるのです。

モラハラは、加害者にも被害者にも自覚がない

モラハラの恐いところは、加害者にも被害者にも自覚がないところです。

つまりモラハラの加害者には傷つけた自覚がなく、被害者にはモラハラを受けた自覚がないということですね。

その現実が如実にあらわれたデータを紹介します。

配偶者が怒ったとき、自分を責める人が52%

日本法規情報株式会社が運営するサイトにおいて、「結婚生活におけるモラル・ハラスメントの実態」についてのアンケートを実施しました。

その結果、配偶者が怒ったときに自分を責める人は、次のような割合だったそうです。

結婚生活において相手の言動を自分の責任と思い込み、自分を責めたことがあるか?

「何故、私は夫(もしくは妻)を怒らせてしまうのだろうと思ったことがある」と回答した人は52%に上る結果となり「何故、私は夫(もしくは妻)を怒らせてしまうのだろうと思ったことはない」と回答した人は28%にとどまりました。

引用元:PRTIMES

誰かに怒られたとき、まず自分を省みるのは日本人の典型的な特徴です。

それは素晴らしい習慣ですが、逆にいうとモラハラを受けたときも「自分が悪いんだ」と思い込む可能性が高いということですよね。

潜在的なモラハラ被害者は、まだまだいそうです。

怒ったことを反省しない人が47%

同じく日本法規情報株式会社の調査によると、配偶者が反省しないと答えた人は、次のような割合だったそうです。

夫(もしくは妻)は決して反省しない人間である

「夫(もしくは妻)は決して反省しない人間である」と回答した人が全体の47%を占める結果となりました。

次いで「夫(もしくは妻)は常に自分を責めるが、その後反省をする人間である」と回答した人は21%、「夫(もしくは妻)はたまに反省をする人間である」と回答した人が20%という結果となりました。

引用元:PRTIMES

これはあくまでも「自分を責めてしまう人」から見た配偶者の印象ですから、一概には言えませんが、怒った人が「自分は正しい」と思い込んでいる様子はわかりますよね。

モラハラをする人も「妻のためにあえて言っている」とか、「夫のためを思って厳しい指摘をしている」と思い込んでいるのかもしれません。

無自覚って恐いですね…。

モラルハラスメントに悩んだら、迷わず相談窓口へ!

モラルハラスメントを受けている自覚があるのに、加害者のことが怖くて誰にも相談できない場合もあるでしょう。

でも、声を上げなければ誰にも気づいてもらえないのが現実です。

近しい人に相談するのが困難であれば、次のような相談窓口を頼ってください。

1人で苦しむ必要はありません。

いずれも公的機関ですから、すぐに連絡してみてくださいね。

夫婦の問題に関する記事

結婚生活がそれなりに長くなると、いろんな問題に直面しますよね。

次の記事も参考にしてください!

ミラクリから一言

心に傷をつけるモラハラは、セクハラと同じくらい厄介です。

トシノリ
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