どんな立場の人にとっても、人間関係は大切ですよね。
どれだけ人付き合いが苦手でも、人が生きていくうえでは周囲と協力し、仲間と助け合うことが必要です。
そこで悩みのタネになるのが人間関係のこと。
誰にでも気の合わない人はいるでしょうし、苦手な人や嫌いな人もいるでしょう。
そういった人間関係の悩みが災いして、うつ病になる人もいるようです。
今回は、人間関係のストレスを解消する方法を紹介します。
会社などの人付き合いに疲れている人の参考になれば幸いです。
ストレスとは?
まずは「ストレス」の意味を確認しておきましょう。
ストレスを感じる、ストレスが溜まるなどと言いますが、なんだか漠然としていますよね。
厚生労働省によると、ストレスとは次のような状態を指すようです。
医学や心理学の領域では、こころや体にかかる外部からの刺激をストレッサーと言い、ストレッサーに適応しようとして、こころや体に生じたさまざまな反応をストレス反応と言います。
私たちのこころや体に影響を及ぼすストレッサーには、「物理的ストレッサー」(暑さや寒さ、騒音や混雑など)、「化学的ストレッサー」(公害物質、薬物、酸素欠乏・過剰、一酸化炭素など)、「心理・社会的ストレッサー」(人間関係や仕事上の問題、家庭の問題など)があります。
引用元:厚生労働省
なるほど。
外部からの刺激のことをストレッサーと呼び、その刺激に適応するプロセスに現れるのがストレス反応なんですね。
新しい環境に適応しようとしているとき、ストレスが生まれるようです。
ストレス反応は心理面、身体面、行動面に分かれる
ちなみにストレス反応は、心理面、身体面、行動面の3つに分かれるようです。
心理面では、活気の低下、イライラ、不安、抑うつなど。
身体面では、体のふしぶしの痛み、頭痛、肩こり、腰痛、動悸や息切れなど。
行動面では、飲酒量や喫煙量の増加、仕事でのミスや事故などの症状が現れます。
ストレスはうつ病の原因にもなりますので、早めに対処していきましょう。
人間関係に疲れやすい人の特徴
それでは次に、人間関係に疲れやすい人の特徴を紹介しますね。
ちょっと神経質で、自意識過剰で、疑り深い傾向があるようです。
周囲に気を使いすぎる
周囲に気を使いすぎる人は、誰かと一緒にいるだけで疲れてしまうでしょう。
周囲を傷つけないように配慮したり、同僚や上司が気持ちよく過ごせるように注意を払うこと。
そんな気配りができるのが良いことですが、過剰になると疲れますよね。
とくに飲み会や会社のイベントなどでは、人に気を使うあまり、自分自身はまったく楽しめないと思います。
自意識過剰で、我慢をすることが多い
自意識過剰な人も、人間関係のストレスを抱えやすいでしょう。
自意識過剰な人は、周囲の評価を気にするあまり、自由な発言や行動を我慢する傾向にあるからです。
たしかに人の評価は気になりますが、それで行動を制限していてはストレスが溜まる一方ですよね。
自意識過剰を克服する方法は、次の記事で紹介しています。
疑り深い
疑り深い人も、人間関係の問題を抱えがちです。
たとえばストレートな褒め言葉を疑ったり、他人の行動の「裏」を想像するようなことですね。
誰かと協力して生きていくだけでも大変なのに、いちいち疑っていては心労が2倍になります。
その心労に比例して、ストレスも倍増するでしょう。
不平不満でストレスを解消している
不平不満でストレスを解消している人は、いつまでも人間関係のストレスから逃れられません。
こんな経験はないでしょうか?
上司の不満をぶちまけるために、仲のいい同僚たちと飲みに行き、ひと通り愚痴ってスッキリしたものの、翌日にはまた平常通り。
愚痴をぶちまけたところで、ストレスを解消するどころか、かえって不平不満が増大してしまった…。
おそらく社会人であれば一度や二度は経験があるでしょう。
ときには不平不満を吐き出すことも大事ですが、それが常態化すると視点がネガティブになり、いつも心に鬱憤を抱えるようになります。
人間関係のストレスから解放される方法
では、人間関係のストレスから解放されるためには、どのようなことを実践すれば良いのでしょうか?
一時的な対策ではなく、根本的に解決したいですよね。
その方法を確認していきましょう。
「相手に貢献すること」に集中する
人間関係がうまくいかないときは、自分本位の考え方になっています。
私のことを認めて欲しい、もっと俺のことを大切にしてくれなど、そのような願いはもっともですが、もしかすると大切にされない理由があるのかもしれません。
経営学者のピーター・ドラッカー氏は、次のような発言を残しています。
人間関係に優れた才能をもつからといって、よい人間関係がもてるわけではない。
自らの仕事や人との関係において、貢献に焦点を合わせることにより、初めてよい人間関係がもてる。
引用元:プロフェッショナルの条件(ピーター・ドラッカー)
相手に貢献することで、良い人間関係が構築されるのだと。
仕事で例えると、きっちり成果をあげ、相手にメリットをもたらすことですね。
ピーター・ドラッカー氏の著書は、必読です。
たまには苦手な人を食事に誘ってみる
たまには苦手な人を食事に誘ってみるのもおすすめです。
人間関係がうまくいかないのは、もしかすると誤解が原因かもしれません。
「あの人は私のことが嫌いだ」とお互いに思っている可能性もありますし、知らないところで行き違いが生まれている可能性も。
勇気を出して距離を詰めれば、苦手な相手を見直すきっかけにもなるでしょう。
逆に一緒に食事をしても印象が変わらなければ、諦めがつくと思います。
言い訳や逃げ場を用意しておく
人間関係のストレスを抱えたときは、言い訳や逃げ場を用意しておきましょう。
言い訳とは、上手に「相手のせい」にすることです。
ああするしかなかった、指示に従ったまでだ、あの企画を立てたのは私じゃない、と。
また、逃げ場とは、苦しくてどうしようもなくなったときに駆け込める場所のことです。
人によっては家族かもしれませんし、親友や仲の良い同僚かもしれません。
腹を割って話せる人がいなくても、大好きなアーティストのライブに行けば日頃の悩みが吹っ飛ぶかもしれません。
生真面目すぎると自分自身を追い詰めてしまいますので、注意してくださいね。
苦手な人とは距離を置く(SNSを含む)
苦手な人に無理して近づく必要はありません。
ぼくには、とにかく苦手な人とうまくやろうとした結果、心身の調子を崩した経験があります。
その経験から学んだのは、体調に影響するほど苦手な人からは逃げたほうが良いということでした。
人間関係のストレスが最高潮のときは、苦手な人の名前や顔写真を見ただけで暗い気持ちになるでしょう。
SNSやメールも含めて、苦手な人とは距離をおいてみてください。
SNSを制限したいときは、次の記事を参考にしてくださいね。
人間関係をリセットする
人間関係のストレスでうつ病になった、または鬱になりかけの状態であれば、人付き合いをリセットするのも選択肢の1つです。
ぼくは2013年にうつ病を患ったとき、会社を辞めて、引っ越しをして、人間関係をガラッと変えました。
たくさんの人に迷惑をかけましたが、おかげさまで体調が回復し、早めに社会復帰することができました。
人間関係をリセットしたら、一時的に孤独になります。
孤独になるのは不安だと思います。
でも、心身を壊してまで続けなければならない人間関係はないはず。
ストレスが限界に達する前に、次のような方法を検討してみてください。
- 引っ越す
- 移住する
- 転職する
- 在宅ワークを始める
- SNSの全アカウントを削除する
勢いで会社を辞めることには収入面の不安が伴いますが、自宅を見渡せば、換金できるものがあるはずです。
不要品を換金して生活費を稼ぎつつ、次の仕事を見つけましょう。
人間関係のストレスで病気になる前に対策を
ぼくがうつ病を患った原因は、心身の不調に気づいていたのに、放置してしまったことです。
それまでは「おれのメンタルは強い」「鬱になるわけがない」と考えていましたが、それは間違いでした。
ストレスは、どんな人の体も蝕みます。
人間関係のストレスで病気になる前に、何らかの対策をしてください。
とくに会社勤めの方は、毎日知らず知らずのうちにストレスにさらされていますからね。
人間関係がうまくいかなくても、焦る必要はありません。
長い人生において、人間関係の問題を抱える時期は誰にでもあるのですから。
社会不適合者でも大丈夫!
ミラクリから一言
ぼくも人間関係に苦しみましたが、なんとかやっています。