心配性だと、常に不安にさいなまれますよね。
電気は消したかな…?
天気は崩れないかな…?
そんな軽いものならまだしも、不安すぎて夜も眠れない状態になるのはつらいでしょう。
心配性の原因は、理想が高すぎる、あるいは自尊心が低いから。
症状によっては、何らかの精神疾患(全般性不安障害など)と関連している場合もあります。
まずは心配の原因を分析し、常に最高(最良)をイメージすることで、解消していきましょう。
また、開き直って「長所」と捉えるのも効果的ですよ。
ということで今回は、心配性の原因と特徴、心配しすぎる性格を克服する方法について解説します。
心配性とは?
心配性とは、ささいなことまで気にかけて心配する性格のこと。
たとえば家の電気を消したかどうかが無性に気になり、他のことが手につかなくなってしまう。
明日の仕事がうまくいくかどうかで、夜も眠れないほど心配してしまうようなことです。
心配性にはメリットとデメリットがある
心配性はデメリットばかり注目されますが、決してそうではありませんよ。
物事には、悪い面もあれば良い面もあるからです。
まずはデメリットから見てみましょう。
心配性の人は、何かと考えすぎたり、物事をネガティブに捉えてしまう傾向があります。
また、神経を使うため疲れやすく、ストレスも溜まりやすいでしょう。
ただ、心配性には次のようなメリットもあります。
- 先々のことをちゃんと考えられる
- 計画性がある
- 丁寧で几帳面
- 確認を怠らない
- 気が利く
- 失敗が少ない
- 安定感がある
先々のことを考えるがゆえに、計画性があり、丁寧で几帳面。
よく気が利き、失敗が少ないところもあります。
「心配性」と「心配症」の違いは症状の度合い
心配性は「心配症」とも言われますが、両者はどう違うのでしょうか?
簡単に説明すると、以下のようになります。
- 心配性:軽度
- 心配症:重度
心配性は軽度、心配症は重度のものを指します。
心配性(心配症)の特徴
では、心配性の人は、どんな心配をするのでしょうか?
心配性と心配症にわけて、その特徴を説明しますね。
心配性(軽度)ならまだ安心
心配性の人が抱く心配事は、以下のようなものです。
- 電気消したっけ?
- ガスの元栓しめたっけ?
- 明日の仕事はうまくいくかなー?
- 天気が崩れないかな?
- 失敗しないかな?
全体的に軽い心配事ですね。
このようなレベルの心配性なら、まだ安心です。
心配症(重度)は被害妄想的
ところが、心配症になるとちょっと注意が必要。
以下のような被害妄想をしてしまうからです。
- 誰かに監視(尾行)されている
- 国家機密を知ってしまった
- 会話を盗聴されている
- 私は絶対に病気だ
- この食べ物には薬が入っているのでは?
このレベルになると、精神疾患(全般性不安障害など)と関連している可能性があります。
自力で改善するのは難しいので、心療内科等で診察を受けましょう。
心配性の原因
では、心配性の原因は何なのでしょうか?
主な原因をまとめてみました。
理想が高すぎる
まず考えられるのは、理想が高すぎること。
以下のような考え方をしていませんか?
- 人に負けるのは恥だ
- 勝ち続けなければならない
- 努力は必ず報われるべきだ
- 認められなければ、やる価値がない
- 私は人に愛され、大切にされるべき存在だ
上記のような考え方をするのは悪いことではありませんが、極端になるのは危険。
いわゆる「ゼロか100か」になると、ちょっとしたことで「自分は生きる価値がない」などと思ってしまうからです。
自分ではコントロールできないことに意識が向いている
2つめの原因は、自分ではコントロールできないことに意識が向いていること。
以下のようなことに思い悩んでいませんか?
- 他者の気持ち
- 人の行動
- 好き、嫌い
- 周囲からの評価
自分でコントロールできるのは自分自身のことだけなのに、他者や環境のことをどうにかしようとしている状態ですね。
嫉妬心をコントロールできないのも、同じ理由です。
自尊心が低い
3つめの原因は、自尊心が低いこと。
つまり、自分のことを認められず、自信を持てないから心配になるのです。
たとえば仕事の実力は「そこそこ」でも、自信満々の人は不思議と結果を出したりしますよね。
自尊心の有無がそのまま現実に反映されることは、意外と多いものです。
失敗を恐れている(完璧主義)
4つめの原因は、失敗を恐れているから。
失敗が怖いときは、誰しも弱気になるものです。
たとえば「明日のプレゼンは大丈夫かな…」と心配しているときはソワソワしますし、ましてや「絶対に失敗する…」と思ってしまったら、その途端に緊張してくるでしょう。
完璧主義すぎて、些細な失敗を許容できなくなるのは危険です。
人のことを信じられない
5つめの原因は、人のことを信じられないから。
たとえば会社の同僚を信用できなければ、頼んだ仕事のことをいちいち確認するでしょう。
人間関係のトラブルを抱えているときは、何かと疑心暗鬼になりますよね。
人間不信は心配につながりますよ。
セロトニンが少ない
6つめの原因は、セロトニンが少ないから。
セロトニンとは、人間の幸福感に強く影響する神経伝達物質のことです。
簡単に言うと、いつも幸せそうな人はセロトニンがよく分泌されていて、そうでない人はセロトニンが少ないのですが、日本人は全般的にセロトニン不足なのだそうです。
脳科学者の中野信子さんは、以下のように解説しています。
特に日本人は、セロトニントランスポーターが少ないタイプがたくさんいます。
セロトニントランスポーターが少ない人は、不安要因を検出するのが得意なんです。
引用元:ダイヤモンド・オンライン
中野信子さんの著書によると、日本人に一番多いのはセロトニントランスポーターが最も少ない「SS型」。
これに該当する人が、65%もいるそうです。
つまり、日本人の半数以上は不安になりやすいということですね。
心配になりやすいのは、脳の構造が関係しているかもしれませんよ。
何らかの精神疾患と関連している
心配性の性格が、何らかの精神疾患と関連している場合もあります。
具体例は以下のとおり。
- 全般性不安障害(不安神経症)
- 強迫性障害
- うつ病
- 社交不安障害(社会不安障害)
- 対人恐怖症
- 新型うつ病
- 統合失調症
- 強迫性障害
- パニック障害
上記を患っている場合は、前述した「心配症」になっている可能性があります。
「誰かに監視(尾行)されている」などという被害妄想をしてしまう場合は、すぐに心療内科等で診察を受けましょう。
メンタルの病を自力で解決するのは、とても困難ですからね。
心配しすぎる性格を克服する(治す)方法
では、どうすれば心配しすぎる性格を治せるのでしょうか?
ここでは、心配性を克服する方法について解説しますね。
心配・不安の原因を突き止める
まずは心配・不安の原因を突き止めましょう。
以下のような問題について、できるだけ具体的にノートに書き出してください。
- 仕事
- お金
- 人間関係
- 家族
- 健康
- 過去・未来
問題を書き出せたら、次は「それの何が心配なのか?」「どんなことに不安を感じているのか?」まで掘り下げましょう。
SNSやブログを投稿するときのように、人目を意識する必要はありません。
汚い言葉がでてきても、とても人には言えない感情を書いても構いません。
そうやって問題の本質をひもとけば、対処の仕方もわかるため、心配が軽減されるでしょう。
情報を遮断する
次に大切なのは、情報を遮断すること。
インターネット(SNS、ブログなど)から、しばらく離れましょう。
人間の脳は、新しい情報を触れると「ノルアドレナリン」を放出すると言われています。
ノルアドレナリンが放出されると、人間は不安になり、その不安によって興奮が促されるのです。
そう考えると、「SNSをやればやるほど気分が落ち込む」という人がいるのも不思議ではありませんよね。
以下の記事を参考に、ネット断食(IT断食)に取り組んでみましょう。
常に「最高(最良)」をイメージする
イメージトレーニングも大切ですよ。
物事に取り組む前に、以下のような最高(最良)の結果をイメージしてみましょう。
- プレゼンが大成功して、新規契約を取れた
- 会話がはずんで、気になる異性と仲良くなれた
- 健康で充実した人生を生きている
最初は悪いイメージが湧いてくるかもしれませんが、それでも継続してください。
イメージすることも訓練だからです。
ポジティブな人にはそれだけの筋肉があり、ネガティブな人には脂肪がある。
そう考えて、思考を鍛えていきましょう。
開き直って「長所」と捉える
前述しましたが、心配性にもメリットがはあります。
ですから、開き直って心配性を「長所」と捉えるのも手ですよ。
以下のように前向きに考えてみましょう。
- 心配性だから、正確性がある
- 心配性だから、リスクマネジメント能力が高い
- 心配性だから、気遣いができる
- 心配性だから、ミスを未然に防止できる
- 心配性だから、「参謀役」に向いている
上記のように、「この性格のおかげで〜」と考えることが重要です。
物事は表裏一体ですから、できるだけポジティブに考えてみましょう。
アメリカの大学が研究!心配事の80%は起こらない
心配性の人に朗報が!
アメリカの大学の研究によると、心配事の80%は実際には起こらないそうですよ。
医学博士の佐藤富雄さんは、以下のように説明しています。
米国ミシガン大学の研究チームが行った調査によると、心配事の80%は起こらないとされています。
起きるのは残り20%ですが、そのうちの8割(16%)は、あらかじめ準備して対応すれば、心配事にはいたらずに解決できるそうです。
つまり、そのときにならないと手の打ちようのない「本当の心配事」は、全体の4%にすぎないのです。
引用元:プレジデント・オンライン
なんと、心配事の80%はとりこし苦労で、16%は自力でどうにかできることであるため、本当の心配事は全体の4%にすぎないとのこと。
この研究のソースが見つからなかったため、真偽は定かではありませんが、心配性の人には希望のある数字でしょう。
ほとんどの心配は「無駄」なのですから。
(適度であれば)心配性は1つの才能!
適度であれば、心配性は1つの才能ですよ。
だって、リスクに気付ける人もいれば、気づけない人もいるのですから。
たとえば会社でも、「なんでこんなに楽観的なんだろう…」と感じる人がいませんか?
そのような人は、リスクに気づいていないか、気づいていてあえてそう振る舞っているかのどちらかでしょう。
もし前者なら、心配性の人がきちんとサポートしてあげなければ、大変なことになりますよね。
「私には、人には見えないものが見える」
これは素晴らしい才能ですよ!
*冷静な視点を大切に。
ミラクリから一言
心配性だっていいじゃないか!