上昇志向の強い人が近くにいると、どう付き合えばいいのか悩みますよね。
仕事の結果を追求し、出世にも貪欲。
見た目の手入れにも余念がなく、常により良い状態になろうとする彼らの鼻息は、かなり荒いでしょう。
自分も同じくらいのハングリー精神を持てればいいのですが、なかなかそうはいきませんよね。
上昇志向の強い人は、問題意識が明確で、何事にも妥協を許しません。
また、自己顕示欲が強く、目的を達成するためには手段を選ばない傾向もあるので、慎重に付き合うことが大切ですよ。
男性の場合は上手に褒め、女性の場合は信頼していることを伝えてみましょう。
今回は、上昇志向の強い人の特徴と付き合い方を紹介しますね。
上昇志向とは?
上昇志向とは、より高い次元を目指すこと。
今よりも向上したい、もっと良くなりたいという精神のことです。
別の言い方をするならば、「ハングリー精神が強い」とか、「向上心がある」ということになるでしょう。
上昇志向の強い人が求めるものは、出世や影響力など
では、上昇志向の強い人は、具体的にどんなものを求めているのでしょうか?
具体例をまとめてみました。
- スキル・知識の向上
- 生活水準の向上
- 見た目(ルックス)の洗練
- より条件のいい恋人(結婚相手)
- 独立・起業の成功
- 出世・年収アップ
- 知名度・影響力の獲得
- 他者評価を得る
目に見える「お金」や、決して目には見えない「影響力」や「評価」などですね。
「今よりも向上する」という意味合いにおいては、どんなものでも対象になりえます。
「権力欲や出世欲が強い」という意味合いで使われることもある
「上昇志向が強い」というのは基本的に素晴らしいことですが、しばしば揶揄するときに使われることもあります。
具体的には、「権力欲や出世欲が強い」という意味合いです。
たとえば誰かを利用してでも出世しようとしたり、媚びてでも権力者に取り入ろうとしたり、ルールを破ってでも仕事の結果を求めるような人ですね。
このような人を揶揄するときに、「あの人って本当に上昇志向が強いよね…」というのです。
上昇志向の意味はポジティブですが、使われ方に関してはネガティブな場合もあることを覚えておきましょう。
行動が伴わなければ「意識高い系」になる
上昇志向は強くても、行動が伴わなければ「意識高い系」と呼ばれてしまいます。
意識高い系とは、ビジネス書(自己啓発書)などに感化された人のこと。
「成功」「成長」「自分らしく」などを連呼し、人前でもその重要性を熱弁するものの、何一つ具体的に行動できていない人のことです。
上昇志向が行動に直結しなければ、単なるイタい人(残念な人)と思われてしまいます。
上昇志向の強い人の10の特徴
では、上昇志向の強い人には、どのような特徴があるのでしょうか?
主なポイントをまとめてみました。
とにかくストイックで妥協を許さない
上昇志向の強い人は、とにかくストイックで妥協を許しません。
仕事なら、結果が出るまで努力し続けたり、期限に間に合わせるために昼夜を問わず働くこともあるでしょう。
美容に熱心な女性なら、理想の自分に到達するまで、時間とお金を惜しみなく使います。
その姿勢はストイックそのもので、まるでアスリートのよう。
常に今よりも上の状況を望むため、その努力には終わりがありません。
負けず嫌いな性格も、そのストイックさに拍車をかけます。
問題意識と目標が明確
上昇志向の強い人は、問題意識と目標が明確です。
この2つがハッキリしているからこそ、努力し続けられるのでしょう。
たとえば年収に満足していないとして、その場合の問題意識をまとめるとこんな感じになります。
- なぜ年収(報酬)が十分ではないのか?
- いくらほしいのか?
- そのためには何をしなければならないのか?
- 誰に働きかければいいのか?
これらをハッキリさせた上で、目標を設定する。
それが決まったら、あとは行動するのみ。
現状を分析し、次の行動を決められるのが彼らの強みです。
ハングリー精神がある
上昇志向の強い人は、ハングリー精神があります。
つまり、「自分は何かが足りない→ほしい!」と常に思っているということですね。
ハングリー精神を理解できない方もいると思いますが、たとえばお腹いっぱいのときに目の前にパンを出されたら、どうするでしょうか?
ほとんどの場合、まったく興味を示さないと思います。
逆に、お腹がペコペコの状態で美味しそうな菓子パンを出されたら、何とかして食べたいと思うでしょう。
この「飢餓感」が常にあるのも、彼らの強みです。
仕事・恋愛・人間関係で摩擦を起こしやすい
上昇志向の強い人は、仕事や恋愛などで摩擦を起こしやすい傾向があります。
欲求がハッキリしているということは、誰かの欲求とぶつかる可能性が高いということでもありますからね。
上司のことを「役立たず」と見なしたら、その人をすっ飛ばして役員に直談判するでしょう。
恋愛面でも、恋人のことを「自分にふさわしくない」と思ったら、すぐに別れます。
人間関係のトラブルを起こしやすいので、「腫れ物」のように扱われているかも。
自己演出能力(自己アピール力)が高い
上昇志向の強い人は、自己演出能力(自己アピール力)に長けています。
たとえば権力者に気に入られるために、「可愛げ」を発揮したり、思いっきり媚びたり、さりげなく仕事の実績をアピールするようなことですね。
人のことはさておき、いかに自分を認めてもらうかを優先させます。
そのガッツいた感じだったり、二重人格のようなところが腫れ物にされる要因なのですが、本人的にはどこ吹く風。
目的を達成できれば、それで満足です。
ちなみに社会人になると、「可愛げがない」というだけで不利になるかもしれませんよ。(ぼくもそうですが。泣)
過去はコンプレックスでしかない
上昇志向の強い人にとって、過去はコンプレックスでしかありません。
現状に満足できず努力し続けてきたのですから、過去は「忘れたいもの」という位置づけになるのでしょう。
たとえば今が部長だとしたら、課長だった頃の自分は未熟で、報酬も低く、影響力もない。
そんなときのことを嬉々として語ることはできないので、語るのは未来のことばかりです。
「過去よりも未来を見られる」という点では、リーダー気質と言えるでしょう。
自己顕示欲が強い
上昇志向の強い人は、強い自己顕示欲を持っています。
基本的に過去を振り返るのは嫌いですが、自分の有利に働く部分はちゃんと記憶しています。
たとえば「◯◯のプロジェクトを成功させた」とか、「あのヒット商品を企画した」というような実績ですね。
年収がアップしたら、新しいスーツや時計を購入し、生活水準自体も上げる。
昇進したら、急に態度が威圧的になるかもしれません。
おそらく自意識過剰なところがあるのでしょう、
目的を達成するためには手段を選ばない場合も
上昇志向の強い人は、目的を達成するためには手段を選ばない場合もあります。
(*もちろん全ての状況でそうするわけではありませんし、みんながそうするわけでもありませんよ。)
ときには経営陣にアピールするために、仕事の手柄を独り占めすることも。
友人の好きな人を、そうとわかっていながら奪ってしまうこともあります。
信頼関係のある人や友人でさえも利用してしまうところが、ちょっと怖いところです。
努力を隠さないが、見えないところでも努力している
上昇志向の強い人は、ほぼ例外なく努力しています。
自分では何もせず、手柄だけを横取りしようなんて人は、遅かれ早かれ集団から淘汰されますからね。
努力していることを決して隠そうとはしませんが、見えないところでも努力しています。
たとえば自宅で英語を勉強したり、ヨガをしたり、人知れずジムに通って体型を維持しているかもしれません。
常に努力できるのは、1つの才能です。
他者評価を唯一の指標としているため、ときに疲れる
上昇志向の強い人は、他者評価を唯一の指標としているため、ときに疲れてしまいます。
自己採点が厳しく、どこまでも自分を追い込み、他者の物差しを重要視しているのですから、当然といえば当然ですね。
ときには、それまでのストイックさが嘘のように、「面倒くさい」とか、「もういいんだ」のようなことを口にするでしょう。
これがいわゆるうつ病の初期症状、あるいは燃え尽き症候群と言われるものです。
メンタルの疲れはなかなか自覚できないものなので、おかしいな?と思ったら、早めに教えてあげてくださいね。
精神的に疲れたときの対処法は、次の記事で。
男女別!権力欲・出世欲の強い人との付き合い方
では、上昇志向の強い人とは、どう付き合えば良いのでしょうか?
権力欲・出世欲の強い人と上手に付き合うなんて、できるのでしょうか?
これについては男女で方法論が異なりますので、切り分けて考えましょう。
上昇志向の強い男性には、その向上心を褒めてあげること
上昇志向の強い男性には、その向上心を褒めてあげてください。
上昇志向の強い男性は、常に自分よりもランクの高い人と付き合っているため、褒められる機会が意外に少ないからです。
頑張っていることを褒め、ストイックに追求する姿勢を褒め、人知れず努力していることを褒めてあげる。
言うならば、ちょっとした安らぎを与えるだけで、その男性はあなたに存在価値を見出すでしょう。
彼にとってのオアシスのような存在になってください。
上昇志向の強い女性には、信頼を伝えること
上昇志向の強い女性には、信頼を伝えてあげてください。
上昇志向の強い女性は、常に勝ち気で、「男に負けてたまるか」くらいの気概を持っているため、リスペクトされることはあっても、対等な信頼関係を築く機会が少ないからです。
あなたのことが好きだし、信頼しているし、もっと知りたいと思っている。
友達であれ、恋愛であれ、あくまでも対等なスタンスで接してください。
彼女にとっては、それが意外に新鮮なはずですよ。
頭に入れておきたい!上昇志向は年齢が上がるにつれて弱まる
程度の差こそあれ、上昇志向は誰でも持っているものですよね。
「今よりも堕落したい」なんて思っている人は、皆無だとは言いませんが、例外中の例外だと思います。
では、世間一般の人はどれくらい上昇志向を持っているのでしょうか?
「野村総合研究所」が、20代〜30代の男女・合計1,000人にアンケートを取ったところ、次のような結果になったそうです。
4分の3の回答者が「上昇志向が強い・少しはある」と回答しており、「上昇志向があまりない」という人は22.8%に留まる。
年齢別に見ると、35歳以上の層で「上昇志向が強い」という人が15.9%と低くなっている。
他の年齢層と比較して10ポイント以上低くなっている。
引用元:野村総合研究所(2008年)
合計で77.2%もの人が「上昇志向が強い・少しはある」と回答したようです。
ただ、ちょっと気になるのは、年齢が上がるにつれて「上昇志向が強いと思う」という人の割合が減っていること。
これには加齢・結婚・出産など、様々な理由があると思いますが、やはり30代くらいから「守り」に入る人が増えるのでしょう。
それは決して悪いことではありませんが、上昇志向は常に持っておきたいですね。
上昇志向の強い人は、実は率直な意見を求めている
「上昇志向が強いあの人と、どう付き合えばいいのか?」
そう悩んでいる方は、思っていることを率直に伝えてみてください。
あなたのことをもっと知りたいし、仲良くなりたい。
人を利用したり、「いいとこ取り」のようなことは良くない、と。
意見を聞き入れてくれるまでには時間がかかるかもしれませんが、実は彼らは率直な意見を求めています。
彼らにとってはリスペクトされたり、恐れられるのはあたり前ですが、対等な目線で意見されることは稀ですから。
そして、彼らの良いところはどんどん取り入れてくださいね!
ミラクリから一言
ハングリー精神のある人は、見ていて清々しい。