一流の人たちを追いかけたドキュメンタリー番組を見ていると、あることに気づきます。
彼らは謙遜をしない。
謙遜はしないけど、謙虚であるということです。
ぼくは今まで「いえいえ、私なんか…」という「卑下」と謙遜を混同していましたが、どうやら違うようです。
今回は謙遜と謙虚の違いと、卑下することの怖さを解説しますね。
一流の人たちは謙遜しない
「情熱大陸」や「プロフェッショナル仕事の流儀」といった番組に出演するのは、いわゆる一流の人たちです。
番組を何度も見て、彼らの言動のある共通点に気づきました。
それは「謙遜しない」こと。
ぼくがとくに注目したのは、以下のような人たちです。
- 長友佑都さん(プロサッカー選手)
- 長谷部誠さん(プロサッカー選手)
- 内田篤人さん(プロサッカー選手)
- 本田圭佑さん(プロサッカー選手)
- 猪子寿之さん(デジタルクリエイター)
- ダルビッシュ有さん(プロ野球選手)
- イチローさん(プロサッカー選手)
いずれも、いろんな番組で特集される一流の人たちですよね。
彼らは「いえいえ、ぼくなんか…」「大したことはありません…」といった言葉を使いません。
かと言って「傲慢」かと言えばそんなことはなく、謙虚な姿勢を貫いているのです。
一流の人たちは謙虚である
一流の人たちは、謙遜しないかわりに、めちゃくちゃ謙虚。
常に学ぶ姿勢を忘れず、人のアドバイスにも耳を傾けます。
専門家の言葉はもちろん、一般人や家族の言葉からもヒントを得る。
だからこそ結果を残し、活躍し続けられるのでしょう。
どうやら今までぼくが考えていた「謙遜」は、本当の謙遜では無かったようです。
気になって、謙遜と謙虚の違いを調べてみました。
謙遜と謙虚の違い
謙遜と謙虚は、漢字も似ていますが、意味合いにも共通点があるような気がします。
それぞれの意味を紹介しますね。
謙遜(けんそん)とは?
謙遜には、以下のような意味があります。
へりくだること。控え目な態度をとること。また、そのさま。
なるほど。
どちらかと言うと、褒められたときの受け答えを表す言葉みたいですね。
「控え目な態度をとる」という意味が、いつしか「いえいえ、ぼくなんか…」というセリフに変わったのでしょう。
謙虚(けんきょ)とは?
謙虚の意味は、以下のようなものでした。
控え目で、つつましいこと。へりくだって、すなおに相手の意見などを受け入れること。また、そのさま。
謙虚は、「姿勢そのもの」の意味合いが強いですね。
社会生活でいえば、部下の言葉に真摯に耳を傾ける上司や、実績に満足せず学び続けるような人が当てはまるでしょう。
ここまで調べてみて、大きな間違いに気づきました。
褒められたときの「卑下」は謙遜ではない
褒められたときの「いえいえ、ぼくなんか…」というセリフは、謙遜ではなく、卑下なんですよね。
ちなみに「卑下」には、以下のような意味合いがあります。
自分を劣ったものとしていやしめること。へりくだること。
褒められたとき、つい言ってしまうセリフは他にもありますよね。
- 私なんか、大したものではありません
- まだまだです
- ぼくなんか、全然ダメですよ
- Aさんほどではありません
- そんなことはないですよ
すべて謙遜と思える言葉ですが、実は「自分を劣ったものとしていやしめる」にあてはまりますよね。
勘違いしやすいところですが、上記のセリフは謙遜でもなんでもなく、自分を下げているだけなのです。
卑下することで、本当に自分の価値が下がる
慎ましさを求められる日本文化において、ときには卑下することも大切なのでしょう。
ビジネスマナーとしても、卑下が好印象につながるケースはあります。
また、恋愛や人間関係においても、自分を下げることが信頼につながる場合もありますよね。
でも、卑下には危険な側面もあるんです。
「自分なんか大したことない」と言い続けることで、本当に自分の価値が下がってしまうのですから。
卑下はセルフ・ハンディキャッピングにつながる
卑下し続けることで、セルフ・ハンディキャッピングを背負うことも。
セルフ・ハンディキャッピングとは、以下のような意味合いです。
たとえ失敗しても自尊心を保てるように、あらかじめ自分にはハンディキャップがあると主張したり、実際にハンディキャップを作り出してしまうこと。
失敗しても傷つかないように、あらかじめ予防線を張っておくこと。
試験の前に「ぜんぜん勉強してないわ〜」などという言う行為が、これにあたります。
つまり「自分なんか大したことない」と言い続けることで、無意識にリスクに備えた余力を残すようになること。
そもそも全力で取り組もうとしないのですから、仕事の成果は右肩下がりになるか、横ばいになってしまうでしょう。
卑下って、思っている以上に怖い行為ですね。
では、褒められたときはどのように対応すれば良いのでしょうか?
褒められたときは「ありがとうございます」でOK
褒められたときは、卑下せず、感謝を示すだけでOKです。
謙遜と卑下を勘違いしている人が多いとしても、「ありがとうございます」と言えば、傲慢に映ることはありません。
わざわざ「いえいえ、ぼくなんか…」と言って、自分を下げる必要はどこにもないんです。
そして、日頃から謙虚な姿勢を貫けば、誰かに批判されることもないはず。
慎ましくあることは日本人の美徳ですが、卑下し続けることで、セルフ・ハンディキャッピングを背負わないこと。
卑下しそうになったらグッとこらえて、感謝を示しましょう。
ミラクリから一言
言葉がその人を作ることを考えれば、卑下だけは避けたいですよね。