「空気を読めない人」が周りにいませんか?
その場の雰囲気をぶち壊すように、自分の話ばかりする。
あるいは、盛り上がっているところに水を指されたり、公の場で秘密をバラされたりすると、「まったく、どういう神経してるんだ!」と怒りたくなるでしょう。
ところが、空気を読めない人にはその自覚がないものですから、怒ったところで全く理解してもらえません。
では、どのように対処すれば良いのでしょうか?
まずは空気を読めない人の特徴を理解しつつ、発達障害の可能性も視野に入れること。
その上で、その場にふさわしくない言動には注意を促し、ときにはうまくスルーしてください。
今回は、空気を読めない人の特徴と、KYな人への対処法を紹介しますね。
「空気を読む」ということの意味
「空気を読む」とは、具体的にどういう意味なのでしょうか?
要約すると、「その場の雰囲気から推察し、発言や行動を決めること」になります。
つまりその場の雰囲気や相手の表情を察し、適切な言動を選択する能力のことですね。
この能力が欠如していると、人間関係に支障をきたすでしょう。
「空気を読めない人」とは、相手の表情を正確に読み取れない人のこと
空気を読む能力が欠如している人は、一般的に「KY(ケーワイ)」と呼ばれます。
このような人のことを簡単に説明するならば、「相手の表情や態度を正確に読み取れない人」ということになるでしょう。
相手の気持ちを考えずにイタいところを突いたり、相手が欲しがっているものとは全く違う言葉を返したり。
ときには公の場でありえない行動をしてしまい、呆気にとられるようなこともあるでしょう。
空気を読めなければ、それだけで人から疎まれ、嫌われてしまいます。
空気を読めない人の特徴
では、空気を読めない人は、具体的にどんな感じなのでしょうか?
その人物像を明らかにするために、主な特徴をまとめてみました。
身近なあの人に、そっくりそのままあてはまるかも!?
空気を読めないことを自覚していない
空気を読めない人の最大の特徴は、それを自覚していないところにあります。
自覚していないからこそ、空気を読めないままでいられるのですから。
意図せず人の気持ちを踏みにじったり、その場にふさわしくない言動をして「不謹慎」と思われる。
そんなことを何度くり返しても、自覚が促されるとは限りません。
自尊心が強く、自分中心
空気を読めない人は、自尊心が強く、自分中心です。
「俺が、俺が」「私が、私が」というスタンスだから、結果的にその場にふさわしくない言動になってしまうのです。
自分の話はしたいけれど、人の話は聞きたくない。
人のエピソードトークに、それとは無関係な自分の話をかぶせてしまう。
そのような形で、いつでも主人公(ヒロイン)になろうとします。
自称・盛り上げ役
空気を読めない人の中には、「自称・盛り上げ役」の人もいます。
他にも「自称・芸人」とか、「自称・おもしろい人」もいるでしょう。
自分がその場を盛り上げなければならないという、ズレた責任感を背負っているがゆえに、ズレた言動をしてしまうのです。
また、自称・盛り上げ役というキャラに縛られすぎて、空回りすることも。
ある意味、いい人すぎるのかもしれません。
気が利かない
空気を読めない人は、気が利きません。
そもそも相手の欲求を先回りする能力があれば、ズレた言動をしないはずですからね。
そんなわけで、気遣いのポイントもズレています。
お酒をすすめるタイミング、選ぶお土産、服装、予約するお店の何もかもが…。
ときにウンザリさせられるでしょう。
人の気持ちが理解できない
空気を読めない人は、人の気持ちが理解できません。
表情や態度の変化を読み取る力がないため、相手が何を考えているのか見当もつかないからです。
人によっては、そもそも気にしていない可能性もあるでしょう。
たとえば不用意な発言をしたあと、相手の怪訝な表情を見て「あっ… 地雷を踏んだかも…」と思った経験はありませんか?
空気を読めない人は、そのようなことに気づかないのです。
生真面目すぎる
空気を読めない人は、性格的に生真面目すぎる場合もあります。
真面目なのはいいことですが、それも度が過ぎると考えもの。
そして残念なのは、生真面目になるべきポイントがズレているところです。
上司のお酒がなくなっているのに、後輩のドリンクの注文に気を取られてしまう。
楽しい飲み会の最中に、いきなり仕事の話をしてしまい、周囲をシラケさせてしまう。
生真面目な性格が、裏目に出てしまいます。
生真面目な性格を改善する方法は、次の記事で。
意図的な「かまってちゃん」
空気を読めない人は、意図的な「かまってちゃん」の可能性もあります。
つまり構ってほしいがゆえに、あえて自由奔放なキャラを演じているということですね。
「私、空気読めないタイプなんです〜」とか、「俺はあえて空気を読まない」などという人は、空気の存在を理解している時点で普通の人です。
本当に空気を読めなければ、空気の存在すら知らないのですから。
ちなみにかまってちゃんになるのは、自尊心の低さも原因の1つです。
KYな人への対処法(付き合い方)
では、KYな人に出会ったら、どのように対処すれば良いのでしょうか?
付き合い方のポイントはあるのでしょうか?
主なポイントをまとめてみました。
言動がその場にふさわしくないと、こっそり教えてあげる
前述しましたが、KYな人にはその自覚がありませんので、教えてあげる必要があります。
つまりその場にふさわしくない言動を見かけたときに、こっそり指摘してあげることですね。
「あの場面では、田中さんが会話の主役だったから…」
「接待で利用するお店は、相手の好みに合わせないと…」
「あのセリフで、佐藤さんは明らかに気分を害していたよ…」
という具合に、できるだけ具体的に教えてあげましょう。
相手の気持ちを理解する能力は向上しなくても、人から指摘されることによって経験が蓄積されれば、そのときの状況に合わせられるようになります。
相槌を打つだけにし、反応はしない
空気を読めていないと指摘することに気が進まないなら、態度で示しましょう。
空気を読めない人が、それまでの会話を途切れさせたときは、相槌だけ打って、そのまま流すこと。
人の話を奪ってまで会話の中心になろうとしたときは、うまくスルーすることです。
それで空気が読めるようになるとは限りませんが、少なくとも違和感は覚えるでしょう。
相槌を打つだけにして、反応はしない。
これは「不平不満が多い人」の対処法としても有効です。
あなたは大丈夫?KY度を診断できるチェックリスト
空気が読めない人の存在に悩むあなたは、本当に空気を読めていますか?
KYではないと言い切れるでしょうか?
ここでKY度を診断できるチェックリストを紹介します。
- 他人の反応が気にならない
- 人の話を黙って聞いていられない
- 人の意見を受け入れられない
- 失礼を働いて注意されたことがある
- 見た目(服装など)に気を遣わない
- 誰に対しても同じ話をする
- 静かなお店で、大声で話をする
- デートの予定を恋人に相談せず、自分で決める
- 接待なのに、自分の行きたい店を予約する
- なぜ怒られたのか、理解できないときがある
このチェックリストは、あくまでもぼくの経験からまとめたものであり、心理学にもとづくものではありませんが、少なくとも傾向はつかめるでしょう。
4つ以上該当する人は、ちょっと注意が必要。
もし6つ以上該当するなら、周囲の人から「KY」と言われているかもしれません。
空気を読めない原因が、発達障害にあるケースも
次に、空気を読む能力と発達障害の関係性について紹介しますね。
その場にふさわしくない言動をしてしまいがちな人や、相手の表情を読み取る能力のない人は、もしかすると「大人の発達障害」かもしれません。
発達障害とは、次のような精神疾患のことです。
- ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)
- ADHD(注意欠如多動性障害)
- LD(学習障害)
大人の発達障害とは、学業は優秀なのに、会社組織で働く適性が欠如している人のこと。
たとえばコミュニケーション能力に難があったり、多動的で落ち着きがなかったり、極端に内向的な人ですね。
東京大学病院で研究も進められている
東京大学病院では、空気を読む能力と発達障害の関係性について、研究を進めています。
NHKのクローズアップ現代で紹介されていた内容を、ここに引用しますね。
その実験の一つが、笑顔で否定的なことばを言われた場合、人の脳がどう反応するかを調べるというものです。
一般的な人々はことばだけでなく、表情でも相手の意図や気持ちを判断します。
そのことばが、ひどくても表情から本心でないことを理解します。
その場合、内側前頭前野と呼ばれる部分が活性化します。
一方、広汎性発達障害を抱える人々は、内側前頭前野はそれほど反応していません。
表情から相手の意図を解釈する力が弱いからだと見られています。
引用元:大人の発達障害(クローズアップ現代)
相手の表情や態度を読み取ろうとするとき、通常は脳の「内側前頭前野」という部分が活性化しますが、発達障害の人は何の反応も示さないそうです。
なるほど。
脳機能的な問題を抱えているならば、「空気読めよ」などと指摘をしたところで、どうしようもありませんよね。
「あなた、発達障害じゃない?」と指摘することは間違ってもできませんが、その可能性を視野に入れたほうがいい場合もあるでしょう。
発達障害については、次の記事でも解説していますよ。
空気を読めたら、人間関係は円滑になる
空気を読めたら、人間関係は円滑になります。
会社でも、学校でも、近所付き合いでも、飲み会の場でも、接待でも、海外でも。
「空気を読むのは日本人くらい」という指摘もありますが、それは誤りです。
海外に行っても、些細な機微を読み取る能力は必ず必要になりますよ。
ですから、空気を読むという能力を大切にしていきましょう。
また、空気を読めない人がいたら、こっそり教えてあげてください。
ミラクリから一言
「KY」を褒め言葉として受け取る、困った人もたまにいますよね…。笑