自分と他人を比較してしまう癖がありませんか?
落ち込むのがわかっているのに、年収や社会的地位をつい比べてしまう。
容姿や友だちの多さを比べて嫉妬心にかられたり、やり場のない気持ちを抱えることもあるでしょう。
他人との比較は、自己否定の最たるもの。
それをうまくエネルギーに換えられる人も一部いるようですが、多くの場合はストレスになってしまいます。
ある大企業が行った調査によると、身近な人と自分を比較している人は、幸福度が著しく低かったのだとか。
一度きりの人生ですから、自分がやるべきことだけに集中したいですよね。
そんなわけで今回は、他人との比較をやめる10のアプローチを紹介します。
すぐに自分と他人を比べてしまう人の心理とは?
なぜ自分と他人を比べてしまうのでしょうか?
他人と比較する際の心理をまとめてみました。
- コンプレックスがある
- 劣等感が強い
- 嫉妬心が強い
- 自己肯定感が低い
- プライドが高い
- 体裁を気にしている
コンプレックスや劣等感があると、つい他人の動向を気にしてしまいますよね。
また、性格的に嫉妬心が強かったり、自己肯定感が低かったり、プライドが高かったりすると、人のことが気になって仕方がないでしょう。
あと、世間体や体裁を気にしなければならない環境にいる人は、身近な人の目を常に意識することになります。
比べるものを無数にある
他人と比較する項目は、無数にあります。
具体例として、その一部をまとめてみました。
- 容姿
- 友だちの数
- 既婚者か、未婚か
- 恋人との関係性
- 年収
- 仕事の地位
- フォロワー・いいねの数
- 会社からの評価
- 幸福度
数字で表れるものから主観的なものまで、無数にあります。
他人と比較する癖のある人は、何を手に入れても満足できないという負のスパイラルにはまってしまうでしょう。
他人との比較をやめる10のアプローチ
では、どうすれば他人との比較をやめられるのでしょうか?
人と比べてしまう病気は治るのでしょうか?
主な改善方法をまとめてみました。
自分と他人を比べてしまう原因を見つけ出す
まずは自分と他人を比べてしまう原因を見つけ出しましょう。
前述した、人と比較する際の心理をもう一度紹介しますね。
- コンプレックスがある
- 劣等感が強い
- 嫉妬心が強い
- 自己肯定感が低い
- プライドが高い
- 体裁を気にしている
さて、どれにあてはまるでしょうか?
コンプレックスや劣等感があるなら、自分を褒める習慣を身につけること。
嫉妬心や自己肯定感の低さ、あるいはプライドや体裁の問題なら、自分自身の向上だけに目を向けることです。
そのためのアプローチは後述しますね。
「比較に終わりはない」ことを知る
他人との比較をやめるためには、「比較に終わりはない」ことを知ることも重要です。
これは一度冷静に考えてみてください。
たとえば身近なAさんの年収を超えたとしても、次はB部長が現れます。
運よく順調に収入が増えていったとしても、必ず上には上がいるものですから、結局終わりがありません。
ならば、ここら辺で無益な競争から離脱しても良いのではないでしょうか?
人と比べている限り、劣等感は解消されないことを知る
他人との比較をやめるためには、人と比べている限り、劣等感は解消されないことを理解してください。
強いコンプレックスや劣等感のある人は、「あの人に勝てば優越感を得られる」と考えるでしょう。
嫉妬心の強い人は、「あの人の上にいけば嫉妬することもなくなる」と考えると思います。
ですが、それは間違いです。
前述したように、上には上がいるものですから、そのもやもやした感情はいつまでも解消されません。
内面を改善するためには、自分自身と向き合うことが大切です。
嫉妬心に悩んでいる人は、次の記事もチェックしてくださいね。
「モノ」や「金」以外の目標を持つ
他人との比較をやめるために、「モノ」や「金」以外の目標を持ちましょう。
とはいえ、「幸せになる」のような曖昧な目標ではモチベーションが高まりませんよね。
ポイントは、自分自身の「向上」と「成長」に目を向けること。
たとえば次のようなものです。
- 英語力の向上
- 精神的な成長
- プレゼン能力の向上
- ランニングの走行距離の向上
- 筋肉の発達
- 仕事のステップアップ
他人との競争ではなく、あくまでも自分自身に目を向けられる目標ですね。
目標達成に向かうプロセスで他人が気になることもあるでしょうが、自分自身の成長と向上が前提にあれば、それは良いガソリンになります。
他人と比較した回数を記録し、意識する
自分と他人を比べる癖を改善するためには、比較した回数を記録するのが効果的です。
頭のなかにモヤモヤした感情が浮かび上がったり、褒められている人を凝視している自分に気づくたびに、メモ帳に「正の字」で回数を記録していくこと。
そして、1日の最後にメモ帳を見て、他人との比較に費やしている時間と心を意識してください。
ストレスが溜まっている原因がすぐに理解でき、それを解消したくなるはずです。
卑下する姿勢と決別する
他人との比較をやめるためには、自己肯定感を高めること。
そのためには、卑下する姿勢と決別することが大切です。
日本人は謙虚と謙遜を美徳としていますが、それが行き過ぎると「卑下」になります。
たとえば「すごいですね!」と褒められたときに、「いえいえ私なんか…」ということですね。
卑下している人を「謙虚」と言いがちですが、実はぜんぜん違います。
卑下はコンプレックスを深めますので、褒められたときは素直に「ありがとうございます」と言いましょう。
自分自身のことを認め、褒めてあげる
自分と他人を比べないようになるためには、自分自身のことを認めてあげること。
そのためには、自分で自分のことを褒める習慣を大切にしてください。
人と比べる習慣のある人は、できたことよりもできなかったこと、成功よりも失敗、長所よりも短所に目が向くでしょう。
その気持ちは理解できますが、欠点を見つめるほど心の傷は深くなっていきます。
常にポジティブでいるためには、他人の評価に一喜一憂せず、自分自身の評価を大切にしてください。
人のことを褒める習慣を身につける
自分と他人を比べてしまう人は、人のことを褒める習慣を身につけましょう。
最初はウソでも、見せかけでも、嫉妬心を隠しきれなくても構いません。
恋人ができた友人を祝福してあげてください。
仕事で成功した知人を褒めてあげてください。
そうしているうちに、自然と心から祝福できるようになります。
自分自身を褒めることと同じくらい、人のことも褒めてみましょう。
今あるものに感謝する
他人との比較をやめるためには、今あるものに感謝すること。
なぜなら、他人と比較してしまうのは「もっと欲しい」という欲深さも原因の1つだからです。
終わりのないレースに参加してもストレスが溜まるだけですし、達成感はいつまでも得られません。
ですから、今あるものに感謝し、いい意味で現実を見つめていきましょう。
「ありがたいなぁ」「うれしい」を口癖にしていれば、内面も変わっていきます。
SNSを休止するか、やめる
他人と比較する癖を強制的に直したいなら、SNSをやめること。
SNSは便利なツールですが、他人との比較を助長する装置でもあるからです。
Twitterを見れば、フォロワーの多い人気者たちがたくさんのリツイートやいいねを獲得しているでしょう。
InstagramやFacebookでも、知り合いたちが充実したプライベートを披露していると思います。
SNSなんて、本当は無くても大丈夫。
見なくても現実世界に何の影響もありません。
SNS依存に陥っているなら、次の記事もチェックしてくださいね。
悩める人に朗報!劣等感を力に変える心理学的アプローチ
他人との比較は無益で、意味がないのはわかっているけれど、どうしてもやめられない。
そんな悩みを抱えている人に朗報です。
心理学の分野には、他人との比較をエネルギーに換える方法があるみたいですよ。
「嫌われる勇気」でも知られる心理学の権威、アルフレッド・アドラー氏は、次のように他人との比較をむしろ有益だと考えているそうです。
彼(アルフレッド・アドラー)は「人間には“優越性の追求”という普遍的な欲求がある」と考えた。
これがうまく満たされないと、劣等感というものを感じるのだが、それが人間のパワーになると考えた。
(中略)
アドラーは、「勇気づけ」といって、このような劣等感を抱く際に、やれば勝てるはず、やればできるはず、と思わせることの重要性を説いている。
引用元:東京経済オンライン
なるほど。
人間には優越性(優越感)を追い求める習性があるため、他人との比較はパワーになるのだと。
自分と他人の差を実感したあと、前向きに考えることが大切なようですね。
では、自分に自信を持ち、ポジティブになるためにはどうすれば良いのでしょうか?
自分に自信を持つためには、勝てるものを見つけること
先ほど引用した記事では、さらにこう続けられています。
人と比べるとか、自信が持てないという人は、自分が勝てるもの、勝てるジャンルを探せばいいのだ。
引用元:東京経済オンライン
勝てるものは、仕事とか、収入とか、成功とか、大きなものである必要はなく、料理、カルタ、将棋、一発芸など、なんでも良いそうです。
とにかく他人よりも優れているところを見つけ出し、それを徹底的に褒めること。
そうすることで自己愛が強まるそうです。
どうしても他人との比較がやめられないなら、それをエネルギーに換えるアプローチをしてみてください。
統計で判明!他人との比較では幸福になれない
心理学的に見れば、他人との比較は必ずしも不幸のタネとは言えないようですが、統計(数字)は正直です。
ここで第一生命が2011年に行った幸福度調査を引用しますね。
30歳〜89歳の男女800名に対して、「どの程度幸せか?」を判断した基準について尋ねたところ、次のような結果が得られたそうです。
どの程度幸せかを判断した基準についてたずねたところ、最も多かった回答は「自分の理想との比較」(35.7%)で、「他人や世間との比較」(24.1%)が続きました。
この基準ごとに幸福度の平均値を出したところ、幸福度が高かったのは、「過去の自分との比較」「自分の理想との比較」など、男女ともに、他人との比較ではなく、自分との比較の視点を幸福の基準に持つ人でした。
引用元:第一生命
ちょっとだけ補足すると、とくに男性は「過去の自分との比較」を基準にしている人の幸福度が突出して高かったようです。
その一方で、男女ともに「身近な人との比較」を基準にしている人の幸福度は著しく低かったのだとか。
やはり他人との比較をエネルギーに換えられる人は少数派で、心を痛めつける人のほうが多いようですね。
いい意味で自己中に!自分のやるべきことに集中しよう
他人との比較には、意味がありません。
人よりも大きな家に住んでいるから、良い車に乗っているから、役職が上だから何なのでしょうか?
それによって一時の優越感が得られたとしても、誰かに負けたらまた無益なレースが始まります。
そんな人生はストレスばかりでしょうし、不満も溜まりますよね。
ですから、いい意味で自己中になり、自分のやるべきことだけに集中してください。
大切な人と向き合ってください。
自分の人生なのですから。
ミラクリから一言
ぼくは少なくとも、比較して嬉しくなったことがありません。