フリーランス(個人事業主)として生きていくのは、大変です。
会社員なら、仕事量の多い少ないに関わらず給料をもらえますが、フリーランスはそうはいきません。
何らかの成果物を納品しなければ、売上と収入が得られないからです。
ぼくは2014年にうつ病をきっかけに会社を辞め、フリーランスになりました。
無収入に苦しんだ時期もありましたが、いろんな仕事にチャレンジしたおかげで、何とか生計を立てられるように。
ところがあるとき、「やりたくない仕事」をお金のためにやっている状況に嫌気が差し、仕事をイチから立て直すことにしたのです。
それからしばらくは、また苦しい無収入期に突入しました。
今回は、売上ゼロ・月収ゼロになったフリーランスのリアルな体験談を紹介します。
やっと稼げるようになった仕事を、突然やめた
独立1年目は、とにかく右往左往していました。
うつ病をきっかけに会社を辞めたため、どんな仕事をして、どんな顧客と取引して、どのように生計を立てるのか、という計画が全く無かったからです。
しばらくは無収入同然の生活が続きましたが、いろんな方が声をかけてくださったお陰で、何とか生活費くらいは稼げるようになりました。
ただ、「お金のために働く状況」に少しずつ違和感を覚えるようになったのです。
贅沢な悩みだと思うかもしれませんが、お金のために我慢をするなら、会社員のほうが良いですからね。
独立1年目はお金のために働いた
独立1年目は、とにかくお金のために働きました。
独身ならまだしも、ぼくには妻も子供もいますので、生活費だけでも稼ぐ必要があったからです。
いろんな不安を抱え、失敗もたくさんしましたが、良い経験にはなったと思います。
ちなみに独立1年目は、次のようなビジネスをやっていました。
- スニーカーの輸入販売
- 化粧品の卸売業
- フィギュア・CD等のネット通販
- ブログ運営
この中で唯一好きな仕事といえるのは「ブログ運営」のみ。
ほかは「稼げる仕事」という感じですね。
仕入れて売る形のビジネスは効率的にお金を稼げますが、在庫調整に手間がかかったり、供給の問題があったり、実は不安要素も多い。
この分野で稼いでいる人たちを尊敬しつつも、ぼくは徐々に苦痛を感じるようになりました。
ぼくにとっては楽しくなかったからです。
収入ゼロの時期は、不要品を売ったり、単発の仕事で稼いでいました。
独立2年目は好きな仕事をやりたい
独立1年目は、無収入の時期がありつつも、終盤には何とかお金を稼げるようになりました。
そこで2年目に向けて、仕事を整理してみたのです。
今までやってきた仕事は、「スニーカーの輸入販売」「化粧品の卸売業」「フィギュア・CD等のネット通販」「ブログ運営」の4つ。
この中で本当にやりたい仕事はどれか?を考えました。
そしてさらに、他にやりたいことはないのか?も考えてみたのです。
考え抜いた結果、これからやるべき仕事はこの3つだ、という結論になりました。
- 化粧品の企画
- ライター業
- ブログ運営
輸入販売やネット通販はやめることにしたのです。
でも、問題は収入のこと。
収入の90%はそれらの仕事から得ていましたので、やめた途端に無収入になる。
それはもう明確にわかっていることでした。
でも、フリーランスなら好きな仕事をやりたい。
自由だからこそ、全てを自分で決められる立場だからこそ、好きなことだけをやりたい。
そんな思いは日増しに強くなっていきました。
仕事をシフトしてから3ヶ月間は売上ゼロ!
それまでお世話になった方々にも事情を説明し、輸入販売やネット通販をやめることにしました。
それからの3ヶ月間は、予想通りというべきか、売上がゼロ。
また無収入に逆戻りです。
厳密に言えばブログの広告収入はありましたが、いわゆる「プロブロガー」とか、「アフィリエイター」と呼ばれる人たちとは違い、それだけで生活できるようなものではありません。
収益レベルとしては「お小遣い程度」といったところでしょうか。
お金が無いときは、いろんな心配に襲われ、絶望的な気持ちになるものですが、何とか前を向いて新しい仕事に取り組みました。
とはいえ、新しい仕事のオファーはまだありません。
お金に対する不安&孤独との戦い
売上ゼロ、収入もゼロの苦しい状況のなか、「また輸入販売をしてみたら?」「これを売ってみない?」というお話をいただきました。
心が揺れ動きましたが、そこはグッと我慢。
お金のための仕事をやり始めたら、また元の生活に逆戻りすると思ったからです。
ところが、新しい仕事のオファーはまだありません。
いつになったら仕事をもらえるようになるのか。
文章を書く仕事をするなんて、無理なんじゃないのか。
そんな自問自答を繰り返すうちに、自暴自棄になることが頻繁にありました。
お金に対する恐怖と孤独感。
この2つは本当に強烈だと思います。
家族にも申し訳ない気持ちでいっぱいだった
家族に対しても、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
もっと器用に「お金になる仕事」をやりつつ、「好きな仕事」に取り組めばよかったのですが、残念ながらぼくにはそんな器用さがありません。
ですから、全てをなげうってでも、思い切ってシフトチェンジするしかなかったのです。
たとえ無収入になったとしても。
化粧品を企画したり、文章を書いたりするのは、そこまでの投資を必要としません。
それだけが救いでしたが、生活費などでお金はどんどん飛んでいきます。
妻や子供たちを心配させまいと、できるだけ明るく見せていましたが、心のなかはブルブル震えていました。
経理をやってくれている妻も気丈に振る舞っていましたが、本当はお金の心配があったと思います。
目標と子供の絵を壁に貼り、仕事に励む日々
何としてでも、結果を出さなくてはいけない。
そう考えながら、毎日仕事に励みました。
化粧品の立ち上げを考えている人に企画案を提出し、ブログを書く。
そうすることで仕事を獲得しようと考えましたが、なかなか成果はでません。
不安や恐怖と闘いつつ、それでも目標を忘れないようにと、仕事部屋には目標を書いた紙を貼りました。
目標だけではなく、やりたいこと、やるべきこと、目標、ビジョン、強みなどを書き出し、それを子供の絵と一緒に貼り付けたのです。
目標を見て奮い立ち、子供の絵を見て癒される。
それの繰り返しでした。
子供の絵にはずいぶん救われました。
ありがとう。
3ヶ月の無収入期を乗り越えて、仕事が回り始めた
それから3ヶ月が経ち、運よく状況が好転しました。
おかげさまで化粧品の企画の仕事がいくつも入り、ライター業のオファーもくるようになりました。
化粧品の企画は主に海外向け。
ライターの仕事は、主に国内メディアや企業のコンテンツマーケティングが多いですね。
WEBライターにもチャレンジした。
人のつながりに感謝した
2度の無収入期を乗り越えて、今でもフリーランスでいられるのは人さまのおかげです。
ぼくの力だけではどうしようもありません。
今は良くても、来月にはどうなるかが読めないのがフリーランスですが、少なくとも今は充実しています。
会社員のときのように、うつ病になるほどストレスを抱えることもありません。
もっと華々しいフリーランス人生なら良かったのですが、ぼくの場合は「着実」「堅実」という言葉が合うようです。
お金を稼ぐこと自体はそれほど難しくありませんが、「誰かの役に立ちながら、お金を稼ぎ続けること」は難しい。
そう実感しています。
ただ、これといった才能がなくても、人とのつながりを大切にすれば、フリーランスとしてやっていける。
フリーランスは、希望のあるワークスタイルだと思います。
フリーランスに関する記事はまだまだあります
将来が保証されていないフリーランスに、悩みはつきものですよね。
今まさに独立を検討している人もいるでしょう。
次の記事もぜひ参考にしてください。
- そもそもフリーランスって何?
- フリーランスのメリット・デメリット
- 仕事がないときの対処法
- フリーランスの仕事探し
- フリーランスの仕事の断り方
- 独立1年目で失敗したこと
- うつ病をきっかけに独立した筆者の体験談:第一話、第二話、第三話
ミラクリから一言
あーしんどかった。