ぼくは会社員として働きながら、2013年の12月に鬱病(うつ)になりました。
当時はまさか自分がうつ病になるなんて…想像もしていなかったので、体とメンタルの異変を感じながら放置してしまったのですが、今になって思えば初期症状で対策できたことはたくさんありました。
今となっては早くから医師の診断を受けたり、メンタルケアに取り組めば良かったと、少しばかり後悔しています。
ぼくが体験したことをもとに、予防と再発にも効果的なうつ病対策を紹介していきます。
うつ病を気合いで治そうとすると悪化する
うつ病の経験がない人からすると、原因不明の無気力感、倦怠感、脱力感は「精神的に甘えている」と認識し、なんとか気合いで治そうとしてしまうものですが、それでは確実に悪化します。
なぜならメンタルが摩耗するほど頑張って、燃え尽きてしまったからこそうつ病になったわけで、それ以上にがんばろうとすることは逆効果だからです。
とくに対人恐怖症も併発している場合は、できるだけ早く治療してくださいね。
うつ病を治すための基礎知識
うつ病を治すためには、いくつかの前提を知っておく必要があります。
うつ病を自覚するところから完治への道は始まる
まずは自分のメンタルが消耗しきっていることを認めましょう。
それまではがまん強いと思い込んでいた人、自分のメンタルは強いと信じていた人もいるでしょうが、身体的・精神的な異変が表れた状態まできたのであれば、うつ病であることを認めて、前進することが大切です。
ぼくもこの過程はめちゃくちゃ辛かったです。
認めたくはなかったし、嘘だろ?と何度も思いましたが、動悸の激しさ、過度の緊張、多汗症、対人恐怖症、倦怠感はもはや隠せないところまで進行しており、医師から「典型的なうつ病です」と告げられたときは、認めざるえませんでした。
経験したから分かることですが、早期に発見して、予防と対策をすることは何よりも大切なのです。
完治への道は、まずうつ病を自覚することから。
心療内科・メンタルクリニックで早期診断を受けることが大切
こちらの記事で紹介したうつ病の初期症状に当てはまる人は、心療内科かメンタルクリニックなどに行って、まずは医師の診断を受けましょう。
病院に行くのは当たり前だと思うかもしれませんが、実はこのハードルが高いんです。
なぜなら自分を精神病(ノイローゼ)であるかのように考えてしまい、診察を受けに行くことが怖くなってしまうからです。でも今では日本人の100人に3〜7人はうつ病を経験しているという調査結果もあるので、決して珍しいことではありません。
体とメンタルの不調を感じたとき、まずは診断を受けましょう。
軽度うつなら自力でできる対策もある
いざ病院にいって軽度鬱(うつ)と診断されたときには、自力で対策できることもあります。抗うつ薬に頼らずとも、習慣を変えて、環境を変えることで予防できることがあるのです。
ぼくはこの時点で病院に行き、うつ対策をすれば良かったなぁ…と後悔しています。
重度うつは医師の指示に従い、必要に応じて抗うつ剤を使用すること
ただし、もし病院で重度のうつ病と診断された場合は、まず医師の指示に従いましょう。
重度の症状がみられる場合に自力で克服しようとすることは危険です。なぜなら自分自身で正常な判断ができない状態になっているからです。ここまできて気合いや根性に頼ってしまうと、余計に鬱が悪化して大変なことになります。
まずは医師の指示通りの生活をして、抗うつ剤を飲むなど、忠実にメンタルケアをすることが大切です。
病気に抗おうとせずに、鬱であることを認めながら前進していきましょう。
それでは「初期症状に自力で対策できる7つのこと」を紹介します。
初期症状のときに自力でできる7つのうつ病対策
抗うつ剤を処方される前の「軽度鬱」では、自力でできる治し方もたくさんあります。
なかには「薬漬けになりたくない…」と恐れる人もいるでしょうから、自分のライフスタイルを見直すことで対策していきましょう。
1.とにかく休養して、メンタルを休ませる
まずは休むことが大切ですが、実はこれがいちばん難しい。
うつ病にかかる人は責任感が強く、意識の高い人が多いですから、「休むことは甘えだ」ぐらいに思っています。とくに骨折などのケガをしたならまだしも、精神的な不調を理由に休むことなど考えたこともないでしょう。
でもまずは休養です。
消耗しきって燃え尽きたメンタルを休ませてあげてください。
うつ病克服の取り組みは、まず質の高い眠りから始めましょう。
2.うつ病であることを認めて、受け入れる
うつ病を自覚することもハードルが高いことですが、もっと辛いのは「受け入れること」です。
今までは自分は精神的に強い人間だと思い込んできたのに、その考え方をひっくり返すのは容易ではありません。
しかしメンタルが弱いからうつ病になったということでもありませんので、鬱を自覚して、受け入れながら治療していきましょう。長い人生では弱ってしまう時期は誰にでもあるのですから。
3.自己嫌悪せずに仕事を休む
仕事を休みましょう。
数日間、仕事を忘れて空っぽになる時間をつくるだけでも全然違いますので、まずは有給休暇を活用してください。
もしかするとその期間で気持ちが充電できたり、体の変調が治ることもあるかもしれませんが、相変わらずの症状が見られる場合は、その次の段階を検討しましょう。
4.会社を休職・退職する
ぼくは不調を感じながらも働き続けていましたが、うつ病と診断を受けてからは、少しずつ休むようになりました。
そして最終的には「休職」の道を選ばずに、会社を退職することにしたのです。
なぜならうつ病で休職した人に話を聞くと、復帰したあとに再発してしまった人が圧倒的に多かったため、まずは劇的に環境を変えなければいけないと考えました。
家計、収入、家庭の事情が関係することですが、もし重度の症状がある場合には、家族や会社と相談して休職するか、退職するかの判断をしてください。
休職、もしくは退職するなら、傷病手当金か労災を活用しましょう。
鬱をすぐに克服して転職する意欲があるなら、失業保険をもらう選択肢もあります。
5.運動習慣をつける
うつ病の予防として「運動」は何よりも大切です。
運動、トレーニングをすることで、セロトニンなどの精神伝達物質や、ホルモンが活性化され、前向きな気持になれるからです。逆に言うと、運動不足の人ほどうつ病を患う可能性が高くなってしまいます。
ぼくは鬱が完治してからも運動習慣を継続しています。ウォーキング、ランニング、筋力トレーニング、ストレッチ、球技などをしていますが、そのときの体調や体力と相談しながら、体を動かす習慣をつけましょう。
6.人間関係を最小限にする
ぼくが会社を辞めたあとに取り組んだことは、人間関係を整理して最小限にすることです。
うつ病の原因が人間関係にもあったため、当時の苦しい経験を思い出し、絶望感を感じて鬱になることがないように、人間関係を整理しました。
いまではFacebook、SNSなどでも人とつながってしまう時代ですから、見たくないものを目にしてしまう仕組みがあちこちにあります。インターネットのツールも含めて、人間関係をキレイにしてみましょう。
一時的に孤独感を感じることになるかもしれませんが、元気になれば新しいつながりができますからね。
7.理解ある家族とすごす
うつ病を患っている期間は、一日中深いうつ症状で落ち込んだり、あるときにはハイテンションなのに、10分後には廃人のようになってしまう躁鬱(そううつ)状態を経験することになります。
自分のことを深く理解してくれる人の前でなければ、本当は見られたくない姿を安心して見せることはできません。他人に気をつかいすぎたこともうつ病の原因となっているのですから、理解ある家族と過ごす時間を増やしましょう。
独身者であれば、一時的に実家に帰るのも選択肢の1つです。
鬱の経過はじっくりと観察しよう
自分が軽度のうつ病なのか、それとも重度なのかを自分で判断することは難しいです。
インターネットには数多くの情報が存在しますが、最後は病院の医師に診てもらいましょう。
そして、万が一うつ病だと診断された場合は、今回ご紹介したうつ病対策を実施しながら、じっくりと経過を観察してくださいね。
もし現時点で辛い状況にあるなら、転職サービスを利用して環境を変える選択肢もあります。
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ミラクリから一言
早めに見つけて早めに対処を!