「マウティング」という言葉が、いつの間にか人間関係の分野にも普及しましたよね。
それに伴い、「あの人にマウンティングされた」というエピソードを聞くことも多くなりました。
今では当たり前のように使われる言葉ですが、正確な意味をご存知ですか?
どういう行為を指すのかわかりますか?
マウンティングする人の人物像も気になりませんか?
ここで一度、ちゃんと知っておきたいですよね。
というわけで今回は、マウンティングの意味について解説します。
また、マウンティングする人の特徴、心理、対処法もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね!
「マウンティング」ってどういう意味?
マウンティングとは、周りの人に自分の優位性を誇示し、上下関係をハッキリさせる行為のこと。
いわば、「俺(私)のほうがすごいぞ」という人間同士の格付け争いのことです。
もともとは動物に使われる言葉でしたが、「女は笑顔で殴りあう マウンティング女子の実態(犬山紙子さん、龍波ユカリさんの共著)」で用いられたことをきっかけに、人間関係の分野にも普及したと言われています。
もともとは動物(哺乳類等)に使われる言葉だった
マウンティングは、もともとは動物(哺乳類等)に使われる言葉でした。
「背乗り」や「馬乗り」というワードを聞いたことはありませんか?
動物は雄と雌が交尾をするとき、あるいは群れの中でリーダーを決めるとき、一方は自らの優位性を誇示し、もう一方は無抵抗であることを示したりします。
そうすることで無用な争いを防ぎ、繁殖をスムーズに行うのです。
マウンティングの語源はここにあります。
マウンティングの材料になるのは「容姿」「学歴」など
人間はどういうことでマウンティングをするのでしょうか?
具体例は以下のとおりです。
- 容姿
- 学歴
- 持ち物
- 仕事
- 会社での地位(役職)
- 収入(年収)
- 家庭環境
- 彼氏・彼女の有無とレベル
- 結婚生活
- 配偶者からの愛され度合い
- 子供の教育レベル
- SNSのフォロワー数
上記のようなことでマウンティングをされた経験はありませんか?
自分がいかに凄いかをアピールするなんて、はたから見れば恥ずかしい行為ですよね。
でも、一度その世界に身を投じてしまうと、それを恥ずかしいとは思わなくなるのです。
「女性のほうがマウンティングに熱心」という説もある
マウンティングは男女問わず行う行為ですが、「女性のほうがマウンティングに熱心」という説もあります。
「マウンティング女子」という言葉も存在するくらいですからね。
男性は会社などで日常的に序列(役職、年齢等)にさらされますが、女性はその機会が少ない。
それゆえに仲間内で序列をつけ、上下関係をはっきりさせたがる傾向にあるのがその理由だそうです。
あくまでも一つの説ですが、参考まで!
マウンティングする人の16の特徴
それでは次に、マウンティングする人の特徴を紹介しますね。
できれば近づきたくない…そんな人ですよ。
自慢話が大好き
マウンティングする人は、自慢話が大好き。
この自慢話から「馬乗り」がはじまるのです。
会社での立場や年収の高さをアピールし、それを褒められたら、謙遜しながらさらに自慢する。
たとえば女性であれば、「彼氏が私のことを離してくれなくて…」「旦那が私のことを愛しすぎて…」のようなハイレベルの自慢もするでしょう。
ドラマでしか見ないような自慢を堂々としますよ。
人脈の広さも自慢の材料にする
マウンティングする人は、人脈の広さも自慢の材料にします。
たとえば芸能人の◯◯さんと知り合いとか、有名シェフと懇意にしている、とかですね。
しかも、それが本当かどうかは定かではありません。
SNSにツーショット写真が上がっていたとしても、何かしらの会合で居合わせただけかもしれませんし、学校の同級生だった「だけ」かもしれませんからね。
とにかく自慢できるものは何でも自慢します。
初対面の人を「品定め」をする癖がある
マウンティングする人には、初対面の人を「品定め」をする癖があります。
相手の容姿や会話の内容から、以下のようなことをそれとなく観察しているのです。
- 容姿はどのレベル?
- 学歴は?
- 仕事は?
- 会社での地位は?
- 収入は?
- 結婚生活はどんな感じ?
上記をよく観察した上で、自分よりも上か下かを判断しているのです。
ぼくの知り合いはお金持ちが集まる学校(私学)に子供を通わせているのですが、同級生の親御さんから先ほどのような質問攻めにあうそうです。
マウンティング合戦って大変そうですね…。
態度が高圧的で、偉そう
マウンティングする人は、態度が高圧的で、偉そうなところがあります。
それはそうですよね。
マウンティングをしている時点で、「自分よりも下だ」と決めつけているわけですから。
ちょっとでも反抗しようものなら、ジメジメとした陰湿な嫌がらせをしてきますよ。
自分が一番じゃないと気がすまないからです。
実は劣等感の塊
マウンティングする人は、実は劣等感の塊です。
人よりも劣っている意識があるからこそ、過度に人と競争するのです。
何かしらの強い思いがなければ、「人よりも上でいたい」なんて思いませんからね。
劣等感の源泉は人によって様々ですよ。
ばかにされた経験、いじめ、家庭環境、貧乏…などなど。
マウンティングに精を出す原因が必ずあります。
「あなたのためを思って」と称して上からものを言う
マウンティングする人は、「あなたのためを思って」と称して上からものを言います。
善意の皮を被って、相手が自分より上にいかないように仕向けるのです。
たとえば評判のいいママさんと付き合わないように忠告してきたり、人生の転機になるかもしれない仕事を受けないようにアドバイスしたり。
これから頑張ろうとしている人に、「頑張っても無駄だから」のような刷り込みをしたりします。
これに反論しようものなら、「人でなし」のように言われるでしょう。
マウンティングする人にとっては、あくまでも善意なのですから。
空気を読むのが苦手
マウンティングする人は、空気を読むのが苦手です。
自慢話で周りが白けていても、嫌悪感を示されても、一向に気づきません。
マウンティングによって相手が傷ついて落ち込んでも、一切気づきません。
それどころか、自分のほうが優位になったと思ってさらにパワーアップするでしょう。
「KY」の典型ですね。
短絡的な価値観を持っている(値段の高いものがいいなど)
マウンティングする人は、短絡的な価値観を持っています。
具体例は以下のとおりです。
- 値段の高いものがいい
- ブランド物には価値がある
- 最新式の機器は素晴らしい
- 有名シェフの店だから最高に美味しい
- オーガニックは健康にいい
全部が全部そうではないのに、そうであるかのように考えています。
ですから、そこから外れる人を見ると許せないのです。
「そんなチープなものを使って…」
「オーガニックじゃないなんて…」
言われた方からすると「やかましいわ」ですよね。笑
負けず嫌い
マウンティングする人は、負けず嫌いです。
言い換えると、とても競争心が強いので、すぐに人と張り合います。
自分よりも豊かで、いい思いをしている人がいたら絶対に許しません。
足を引っ張ってでも、嫌がらせをしてでも、力づくでその上に行こうとするでしょう。
そのエネルギーを別のところに使ってほしいのですが…。
支配欲が強く、「猿山のボス」になりたがる
マウンティングする人は、支配欲が強いため、「猿山のボス」になりたがります。
たとえば男性なら「同期のリーダー」などに、女性なら「ママ友サークルのドン」などになりたがるでしょう。
自分よりも下だと認定した人を集めてボス猿になり、その人たちを支配すること、彼らの欲求は満たされるのです。
たまに従えた人の中からイエスマンが現れ、マウンティングする人をヨイショしたりするので、余計に増長してしまいます。
厄介ですね…。
噂話が大好き
マウンティングする人は、噂話が大好き。
「◯◯さんの旦那さんが不倫している」とか、「◯◯さんが会社で降格させられた」のような話はとくに大好物ですよ。
それが真実かどうかはどうでもいいのです。
マウンティングする人にとっては、人を貶め、自分が上に行くための材料になればいいのですから。
腹黒いところも要注意です。
自分の立場を脅かす者は容赦なく攻撃する
マウンティングする人は、自分の立場を脅かす者は容赦なく攻撃します。
たとえば自分よりも人気がある若手が現れたら、全力で潰しにかかるでしょう。
友達が年収の高い男性と付き合い始めたら、あの手この手で邪魔をします。
自分が成長するよりも、人の足を引っ張ることを考える。
そんな悲しい考え方の持ち主です。
自虐はするが、人からいじられると機嫌が悪くなる
マウンティングする人は、ときに自虐をしますが、人からいじられると急に機嫌が悪くなります。
なぜなら本当は自虐を言ったあとに、「いやいや、そんなことないですよ〜」と言って褒めてほしいだけだからです。
ですから、彼らの自虐にのっかると大変なことになりますよ。
「最近大変なことが多いから肌がガサガサなのよね〜」という軽いノリに、「あ、たしかにちょっと乾燥してますね」と返そうものなら、その後口を聞いてくれなくなるでしょう。
本当は肌の綺麗さを褒めてほしいからです。
食事を奢ることで上下関係をつけようとする
マウンティングする人は、食事を奢ることで上下関係をつけようとします。
奢るだけならいいんです。
むしろありがたいことですよね。
ですが、「はい、今から私がお金を払います」という顔をした挙げ句、しばらく恩着せがましい態度をしてくるのです。
彼らにとっては奢るのもマウンティングの一つ。
自分が優位に立つための手段なのです。
実は攻撃に弱い
マウンティングする人は、実は攻撃に弱いところがあります。
攻撃力はめっぽう強いのですが、防御力はあまりありません。
ですから、自分より下だと思っている人に論破されたら、かなり落ち込みますよ。
マウンティングをスルーされたり、実力差を見せつけられたときも激しく落ち込むでしょう。
実は攻撃に弱い。
このあたりが後ほど紹介する「マウンティングする人に出会ったときの対処法」のポイントになりそうですね。
相手に言い返されたら、一気に被害者になる
マウンティングする人は、被害者を演じるのも得意です。
毅然と正論を言い返されたら、「あの人にひどいことを言われた…」と涙ながらに吹聴します。
そう、これは保身なのです。
今までの偉そうな態度も、人を散々傷つけてきた過去も、全て忘れたかのように保身に走りますよ。
「恥も外聞もない」とはまさにこのことですね。
*「虚言」もお手の物です。
マウンティングする人の心理
では、なぜ人はマウンティングをするのでしょうか?
その心理がわかれば対策もしやすいですよね。
ここでは、マウンティングする人の心理を解説します。
劣等感を打ち消したい
まずは「劣等感を打ち消したい」という心理です。
先ほども紹介したように、マウンティングする人は実は劣等感の塊。
つまり、本心では人よりも劣っていると思っているのです。
それゆえに、どんな些細なことでも脊髄反射的に「他の人に負けたくない!」と考えてしまう。
おそらく、本人ですらこの心理には気づいていないでしょう。
過去のトラウマを払拭したい
次の心理は、「過去のトラウマを払拭したい」というもの。
これは先ほどの劣等感ともリンクします。
トラウマの具体例は以下のとおりです。
- マウンティングされた経験
- ばかにされた過去
- いじめられた幼少時代
- 複雑だった家庭環境
このような経験から強い劣等感が生まれ、それが現在のマウンティングにつながっているのです。
マウンティングする人をよく観察すると、合点のいくところがあるはずですよ。
自己顕示欲を満たしたい
次の心理は、「自己顕示欲を満たしたい」というもの。
これは自分の持っているものを人に見せつけたい、自慢したいという欲求ですね。
容姿、スキル、持ち物、年収、立場など。
自己顕示欲が強ければ強いほど何でもマウンティングの材料にするでしょう。
SNSによく見られる「プチ自慢」も自己顕示欲の表れです。
承認欲求を満たしたい
次の心理は、「承認欲求を満たしたい」というものです。
承認欲求とは、人間なら誰しもが持っている「人から認められたい」という欲求のこと。
仕事の評価、会社での評判、友達との絆など。
承認欲求の満たし方は人それぞれですが、マウンティングする人は、自分の持っているものを誇示することで人から認められようとしているのです。
ストレスを解消したい
次の心理は、「ストレスを解消したい」というものです。
つまり、マウンティングによって日頃の鬱憤を晴らしているのです。
目一杯自慢をしたり、人を見下したりすることで、ストレスを解消できる人もいる。
そう考えると、まともに取り合うのがばからしくなりますよね。
マウンティングする人に出会ったときの対処法
では、マウンティングする人に出会ったら、どうすればいいのでしょうか?
じっと我慢して自慢話を聞くしかないのでしょうか?
ここでは、マウンティングする人に出会ったときの対処法を紹介します。
物理的に距離を置く
最も簡単かつ精神衛生上もいいのは、物理的に距離を置くこと。
つまり、無理して付き合わないことですね。
たとえば友達なら、こちらからは連絡をしないようにする。
ママ友なら、挨拶程度の関係にして、ランチなどには行かないようにすることです。
相手との距離感ができれば嫌なところは見えませんし、標的にされる可能性もグッと減りますよ。
聞きたくない噂話も入ってこなくなりますからね。
毅然と接する(相手にしない)
次の対処法は、毅然と接すること。
つまり、相手にしないことです。
たとえば仕事にまつわる自慢をされても、まともに取り合わない。
「すごいですね」とだけ言って、堂々としているのです。
張り合ってこず、褒めてくるわけでもなく、かといって落ち込んでいる様子もなければ、標的にされる可能性は減りますよ。
どう思っているかが全く読めないと不気味ですからね。
自分に関することはできるだけ話さない
自分に関することはできるだけ話さないのも選択肢の一つです。
マウンティングというのは、相手のレベルがわかってはじめて成立するものですから、その情報がなければやりようがありません。
もしかすると自分よりも金持ちかもしれない、家庭が円満かもしれない、いい物を持っているかもしれない…。
そんな不安があるとマウンティングはしづらいものです。
どれだけ探りを入れられても、笑顔ではぐらかしましょう。
適当に褒めておく
適当に褒めておくのも手です。
先ほども紹介したように、マウンティングをする人は自己顕示欲と承認欲求が人一倍強いので、褒められるといい気分になりますよ。
ただし、「心ここにあらず」のような態度で褒めるのはNGです。
マウンティングする人は鼻がきくので、本心かどうかをすぐに見極めるからです。
ここは意図的に面の皮を厚くしてください!
自慢話が始まったら、その場を離れる
マウンティングする人の自慢話を聞くのが苦痛なら、さっとその場を離れましょう。
失礼な態度さえとらなければ大丈夫ですよ。
「ちょっと用があるので」 「急ぎますので」 「このあと予定があって」
そう言ってさりげなくその場を離れれば、自慢話に付き合わずにすみます。
ストレスを溜めてまで苦手な人と付き合う必要はありません!
マウンティングする人にやってはいけないこと
逆に、マウンティングする人に対してやってはいけないことは何なのでしょうか?
上手に付き合うポイントとして、それも知っておきたいですよね。
やってはいけないことは以下です。
- 生真面目に付き合う
- ムキになって張り合う
- 感情的に言い返す
- 無視する
- 見下す
- 遠まわしに攻撃する
- 「性格を直してほしい」と願う
要約すると、「生真面目に付き合ってはいけない」ということですね。
話を全部聞こうとしたり、張り合ったり、ムキになるのは絶対にNGです。
また、マウンティングする人は劣等感が強いため、無視したり、見下したりするのもNGですよ。
人の性格を直すことはできませんので、自分の方からさりげなく離れましょう!
マウンティングする人とまともに向き合わないほうがいい
マウンティングする人の心理は、意外と単純です。
劣等感、自己顕示欲、承認欲求、ストレス解消など。
本当に単純で、自分勝手なものです。
こんなもののせいでマウンティングされたら、たまったものではありませんよね。
ですから、マウンティングにまともに付き合うのはやめましょう。
思い悩むのもやめましょう。
物理的に距離をおいていいのです。
毅然と接しても、その場を離れてもいいのです。
マウンティングする人とまともに向き合って、自分が壊れないように注意してくださいね!
*嫌な人・苦手な人との接し方は、以下の記事で紹介していますよ。
ミラクリから一言
ぼくの知り合いは「マウンティングされても気づかない」そうです。(羨)