八方美人な性格に悩んでいませんか?
誰に対してもいい顔をしてしまい、自分の意見を主張することができない。
広く浅い人間関係を築くことはできるのだけれど、心から信頼しあえる関係にはなれない。
そんな毎日を過ごしていると、知らず知らずのうちにストレスを溜めているでしょう。
八方美人は、決して褒め言葉ではありません。
「好かれやすい」というメリットを打ち消すくらい、「人から信用されない」というデメリットが大きいもの。
場合によっては、その性格が災いしてうつ病になる可能性もありますので、くれぐれも注意してください。
今回は、八方美人に共通する特徴を紹介します。
あわせて八方美人のメリット、デメリット、克服する方法も解説しますね。
「八方美人」ってどういう意味?
まずは八方美人の意味を知っておきましょう。
八方美人とは、誰に対しても抜かりなく接する人のこと。
基本的に朗らかで、物腰が柔らかく、決して人を非難せず、他人を肯定するような人ですね。
見方によっては「コミュニケーション強者」と言えるでしょう。
揶揄するときに使われることが多い
では、八方美人が褒め言葉なのかというと、実はそうではありません。
どちらかと言うと、揶揄するときや、非難の意味を込めて使われるのが一般的です。
「田中さんは八方美人だから信用できない…」とか、「佐藤さんって本当に八方美人で嫌になるよね…」といったニュアンスです。
八方美人な人に共通する8つの特徴
では、八方美人とは、具体的にどのような人なのでしょうか?
その特徴は、男女で共通しています。
主な特徴をまとめてみました。
常に笑顔で物腰が柔らかい
八方美人は、常に笑顔で物腰が柔らかい特徴があります。
それゆえに、いつの間にか集団になじみ、いいポジションを確立できるのです。
会社組織でいえば、そこにいるだけでほんわかするような雰囲気の持ち主。
ママ友の世界でいえば、目立つ存在ではないけれど、みんなに好かれているような女性が該当します。
八方美人は、第一印象の良さにかけては右に出るものがいません。
第一印象に悩んでいるなら、次の記事も参考にしてくださいね。
誰に対しても優しい(博愛主義)
八方美人は、誰に対しても優しい博愛主義者です。
多くの人はあらかじめ付き合う人を選んだり、優しくする人とそうでない人を区別しますが、八方美人はみんなに優しくします。
それゆえに初期はみんなに好かれますが、次第に「本音がわからない」存在になっていきます。
博愛主義者には敵がいないと思いがちですが、実はそうではありません。
競わず、争わない平和主義者
八方美人は、誰とも競争しない平和主義者です。
意見を戦わせることや、営業成績を競い合うようなことを好みません。
かといって、しれっと自分だけ成果を出すのでもなく、基本的に他人を優先します。
競争心がないわけではありませんが、少なくとも人前ではそれを見せません。
他者の意見を肯定し、賛同する
八方美人は、他者の意見を肯定し、賛同します。
おそらく次のようなことを口癖にしているはずです。
- なるほど
- すごいね
- ぼくは好きだよ
- それはいい考えだ
- 賛成です
- どちらも素晴らしい
- 私も◯◯しようと思ってたところ
たとえば八方美人に「ランチは何がいい?」と聞いたら、「あなたの食べたいもので」と返ってくるでしょう。
「じゃあイタリアンでいい?」と尋ねたら、すぐに「もちろん!」と返ってくると思います。
見方によっては、「流されやすい性格」ということになるかもしれません。
空気を壊さないような言動をする
八方美人は、空気を壊さないような言動を心がけています。
彼らにとって、その場の空気を壊すのが何よりも恐いことだからです。
会社の会議でも、決して目立った発言をせず、多数派のほうにつく。
少数派につくことがあるとすれば、その派閥の人から頼み込まれて断れなかったようなときだけでしょう。
「その場になじむ」のが、彼らにとっての最優先事項です。
頼まれたら、断らない
八方美人は、頼まれたら断れません。
仕事を頼まれたらまず断りませんし、飲み会の誘いも同様。
中には「彼が熱心に告白してくれたから…」という理由で付き合ってしまう女性もいるほどです。
それもそのはず。
彼らにとって断るというのは人間関係に亀裂を入れたり、集団の中に波風を立てる行為だからです。
すぐに自分のほうから謝る
八方美人は、何かあったときに自分のほうから謝罪します。
相手を不快にさせたら、たとえ相手に責任があろうとも、必ず自分から頭を下げる。
恋人同士の喧嘩になったら、相手のわがままが発端であっても、自分のほうから謝ります。
「人間力が高い」と言えるかもしれませんが、これが続くとパートナーとしての張り合いが無くなるでしょう。
自分の評価に敏感
八方美人は、自分の評価に敏感です。
風評や伝聞を含め、自分にまつわる評価を異常なほど気にしています。
たとえば「田中さんが褒めていたよ」と言われれば人知れず喜び、逆に「佐藤さんが嫌っているらしい」と耳にすれば、すぐに自身の態度の修正にかかります。
異常なまでに評価を気にしているからこそ、好かれることよりも「嫌われないこと」のほうが重要になるのでしょう。
ちなみにですが、仕事ができる人は社内評価を気にしないようです。
八方美人のメリットは「好かれやすい」こと
では、八方美人の性格にメリットはあるのでしょうか?
1つだけ挙げるとするならば、それは「好かれやすい」ことです。
物腰が柔らかく、優しくて、決して人を非難しないのですから、出会ってから数ヶ月は「こんないい人、見たことがない」と驚かれるでしょう。
その後、八方美人であることがバレて少しずつ信頼を失うのですが、適度な距離感を保っていれば大した問題にはなりません。
広く浅くの人間関係で満足できるなら、それも1つの生きる道です。
八方美人のデメリットは「信用されない」こと
では、八方美人の性格のデメリットは何なのでしょうか?
それは「信用されない」ことです。
参考までに、八方美人の悪評をまとめてみました。
- 本音で話さない
- 絶対に裏がある
- すべてが嘘っぽい
- 信用できない
- 親友にはなれない
- 実は自分の意見を言っていない
- 毒にも薬にもならない
人の意見に合わせるだけで、決して腹の中を見せないのですから、信用されないのも無理はありません。
「友人にはなれても、親友にはなれない」というような評価がついて回るでしょう。
人に合わせる性格が災いして、うつ病になる場合も
人に合わせる性格が災いして、うつ病になるケースもあります。
自分では無理をしているつもりはないのに、知らず知らずのうちにストレスを溜め、あるとき爆発してしまう。
それが精神疾患の恐いところです。
ちなみにぼくは2013年にうつ病になりましたが、それまでは間違いなく八方美人でした。
鬱であることがわかったときは、人に合わせすぎていたことを激しく後悔しました。
八方美人を克服する方法
では、どうすれば八方美人を克服できるのでしょうか?
主な方法をまとめてみました。
「嫌われない人はいない」という事実を理解する
八方美人を克服するためには、「嫌われない人はいない」という事実を理解すること。
つまりどれだけ人に好かれようと努力しても、絶対に誰かには嫌われるということですね。
音楽プロデューサーの秋元康さんによると、人望のある人はかなり嫌われているそうです。
本当に人望のある人というのは、 けっこう人に嫌われています。
好かれることも嫌われることもあるけれど、嫌いな人よりも、好きな人のほうがたくさんいる。
または、好きな人からは、絶対的に好かれている。
そういう人のことを、人望のある人というのです。
「みんなにいい顔をしろ!」なんて、誰からも強要されていないはず。
誰かに嫌われることを恐れなければ、自由に生きられます。
自分の意見を言う
八方美人を克服するために、自分の意見を言う習慣を身につけましょう。
些細なことからで構いません。
「今日は何を食べたい?」と聞かれたら、必ず思いついたものを言うこと。
あまりにも人に合わせてきたせいで、最初は自分の意見が思いつかないかもしれませんが、時間をかけてでも意思を伝えてください。
すると、次第に素直な感情を表現できるようになるでしょう。
自分の意見を言うのに、人の顔色は関係ないのですから。
職場あるある!八方美人にも4タイプあることが判明
ここでちょっとおもしろいアンケートを紹介しますね。
転職サイトの「TECH総研」が300名のエンジニアに対して行ったアンケートによると、八方美人にも4タイプあるそうです。
これは職場あるあるかも!?
タイプ別・職場の八方美人エンジニア
- 42%:誰にでも頼りにされたい・お調子者タイプ
- 28%:相手によって八変化?・日和見タイプ
- 23%:頼まれるとNOと言えない・気弱タイプ
- 10%:常にニコニコあいさつ回り・社内営業タイプ
引用元:TECH総研
このアンケート結果を見たときに、思わず「わかる!」とつぶやいてしまいました。
八方美人的な振る舞いをする目的が、頼られるため(お調子者タイプ)なのか、相手の機嫌を取るため(日和見タイプ)なのか、それとも断ることを知らないだけ(気弱タイプ)なのか、コミュニケーションが得意だから(社内営業タイプ)なのか。
いずれにしても、やはりリスペクトされるポジションではなさそうですね。
八方美人をやめて、自由に生きよう
八方美人なんて、できるだけ早くやめてしまいましょう。
どれだけ「いい人」を演じたとしても、好きになってもらえるかどうかは相手次第だからです。
つまりいくら努力しても、犠牲を払っても、結果はコントロールできないということですね。
「八方美人でしろ!」と上司に言われたわけではないでしょう。
「八方美人になるべき!」と親に教えられたわけでもないと思います。
どうせ誰かに嫌われるなら、自由に生きて嫌われるほうがいい。
そのかわり、自由に生きているほうが「仲間」は増えるはずです。
ミラクリから一言
「いい人キャラ」や「愛されキャラ」なんて、一時的なものでしかありません。