嫌いな人がいると、ストレスが溜まりますよね。
たとえば職場に苦手な上司がいたり、近所にどうしても反りの合わない人がいるようなときは、相手に対して不満がつのると思います。
でも、だからといって相手のことを無視したり、遠ざけることはできませんし、ましてや変えることなどできるはずがありません。
そうと頭ではわかっているのに、相手に期待しては落胆するのくり返しで、またストレスが溜まる。
そんな状況を早く脱出したいでしょう。
本記事の後半で紹介するアンケートによると、およそ80%の人に苦手な人がいるとのこと。
では、嫌いな人を作らないようにするよりも、嫌いな人が現れたときにどう対処するかのほうが大切ですよね。
そんなわけで今回は、嫌いな人との接し方を紹介します。
人のことを嫌いになる3つの心理的メカニズムとは?
なぜ人のことを嫌いになるのでしょうか?
そこにはどんな心理的メカニズムが存在するのでしょうか?
主なポイントを紹介します。
自分に危害を加える相手から身を守ろうとしている
人間には、自分に危害を加える相手から身を守ろうとする習性があります。
危害とは、暴力だけではなく、次のようなストレスの原因になるもの全てが該当します。
- ストレス(精神的、身体的)
- 不平不満
- 批判・悪口
- セクハラ・モラハラ
- 暴言
- 暴力
危害やストレスを受け、生命が脅かされるのを防ぎたい。
その思いから、ストレスの原因になりそうな人に過剰に反応してしまうのです。
人間だって動物ですから、生き残って繁殖するために、生死に関わるダメージを回避する機能が備わっているのは当然ですね。
自分自身の嫌いなところを投影している
嫌いな人がいる原因は、自分自身が嫌いだからというケースもあります。
信じられないでしょうか?
いや、信じたくないでしょうか?
たとえば奔放で、ときに無神経な自分の性格が嫌いなら、人の無神経さにも敏感になってしまう。
頑固な性格にコンプレックスを持っているならば、意見を曲げない人に対して異常に腹が立ってしまうのです。
「人は自分の鏡」と言いますが、どうしても許せない人がいるのは、自分自身を許せていないからなのかも。
その状態が悪化すると、人間不信になってしまいます。
嫉妬している
人を嫌いになるのは、嫉妬が原因のケースもあります。
つまり本当は自分もそうしたいのに、何らかの事情で我慢をしているときに、羨ましく(妬ましく)なるということですね。
奔放な性格を隠して、みんなに合わせているとしたら、常識なんかそっちのけの自由奔放な人が嫌でたまらないでしょう。
上司に可愛がられたいのに、遠慮しているとしたら、先輩の懐にスッと入れる可愛げのある人が気になって仕方ないでしょう。
その人を嫌いになった原因を分析すると、そこには嫉妬があるかも。
嫉妬のコントロールも重要な課題です。
嫌いな人との接し方
では、嫌いな人には、どう接したら良いのでしょうか?
嫌いな人を好きになれたら理想的ですが、なかなかそうはいきませんよね。
ストレスを溜めないように、適度な距離感で付き合っていきましょう。
相手に対する期待と執着を手放す
嫌いな人ができたら、相手に対する期待と執着を手放しましょう。
期待と執着をわかりやすくいうと、次のような感じになります。
- 期待しているから、失望する
- 執着しているから、目に入る
- 変えたいから、腹が立つ
相手のことをあれこれ考えてストレスを溜めるのは、自分自身の勝手な期待があるから。
相手のことを変えたい、変わって欲しいなどという、自分本位な思いがあるからです。
まずは気持ちをクールダウンして、相手に対する思いをニュートラルに戻しましょう。
「嫌いだから余計に注目してしまう」ような状態は、いち早く脱出してください。
嫌いな人(苦手な人)には近づかない
嫌いな人がいるなら、その人には近づかないというのも良い解決策です。
嫌いだからといって過剰に反発したり、いじめたり、喧嘩をするのではなく、離れるということですね。
どうしても付き合わなければならない人間関係もたしかにありますが、距離感を保つことはできるはず。
たとえ同じ部署でも、取引先でも、ママ友でも、「付かず離れず」の距離感にはなれると思います。
人間関係を悪くしたり、ストレスを溜めるくらいなら、サクッと離れてしまうのが得策です。
嫌な言動をうまく受け流す
嫌いな人の言動をうまく受け流すことも大切です。
たとえば乱暴な物言いの先輩がいるならば、「今日も機嫌わるいな〜」と考えること。
人の心にズケズケと入り込んでくる親戚がいるなら、無神経な言葉を受け止めすぎず、笑ってスルーすることです。
おそらく生真面目な人ほど人の言葉を真に受けるでしょうが、そんなことをしていたら心身が壊れてしまいますので、できるだけ楽観的に考えてください。
相手の言動に対する解釈を変える
嫌いな人の言動に対する解釈を変えるのも効果的です。
たとえば、いつもネチネチ指摘してくる人が苦手なら、「こんな細かいことに気づくなんて、俺の真逆だな」と考えてみること。
感覚のズレた人に対しては、「私とは感性が違いすぎておもしろい」と捉えることです。
嫌いな人のことをいつまでも考えたり、そのことでストレスを溜めたり、相手が変わるまで待つのは時間のムダですから、さっさと自分を変えてしまいましょう。
自分だけが変わるのは癪(しゃく)かもしれませんが、その後の人生はずっと楽になりますよ。
職場に苦手な人がいるときの対処法
では、職場に苦手な人がいるときはどう対処すれば良いのでしょうか?
主なポイントをまとめてみました。
嫌いな人のことを分析する
まずは嫌いな人のことを分析してみましょう。
つまり「なぜ嫌いなのか?」を考えてみるということですね。
たとえば次のように、嫌いな人の特性を紐解いてみてください。
- 上から目線:劣等感があるのでは?
- すぐに怒鳴る:心配症なのでは?
- 性格が悪い:不満があるのでは?
- 非協力的:他にやりたいことがあるのでは?
- 無愛想:必要とされたいのでは?
心理学的にどうとか、そんなことを気にする必要はありません。
あくまでも自分自身がしっくりきて、納得できればOKです。
嫌いな人の根源にある感情を理解できれば、優しい気持ちになれるでしょう。
「本当はかまってほしいんだな、よしよし」のような具合に。
目的だけに集中する
職場に嫌いな人がいるときは、あえて徹底的に目的に集中するのも効果的です。
つまり人間関係だとか、好き嫌いだとかは無視し、次のようなものに集中するということですね。
- 営業成績
- 売上目標
- 新規顧客獲得率
- プロジェクトの推進
目的があれば、何だってできます。
目標ができれば、モチベーションは一気に上がります。
以前まではストレスでしかなかった会社組織の「派閥(しがらみ)」だって、目標ができればただの手段になるでしょう。
味方を増やす
職場に苦手な人がいるなら、味方を増やしましょう。
孤立無援のときは苦手な人のことが気になりますが、味方が増えればさほど気にならなくなるからです。
苦手な人のことを批判したり、自分自身を正当化することに腐心するくらいなら、仕事を頑張り、協力者を増やすことです。
「敵が1人いたとしても、仲間が9人いればいいじゃん」
これはぼくの尊敬する先輩がよく言っていたことです。
実際、彼は嫌われることも多々ありましたが、いつもそれ以上の支援者がいました。
成長のためだと割り切って付き合う
職場に苦手な人がいるなら、割り切ることも選択肢の1つです。
もちろん、そこまであっさり考えられるならばの話ですが。
「仕事のため」「お金のため」と割り切ることで、冷静になれる人も実際にいます。
嫌いな人も1人の人材として、苦手な人もプロジェクト要員として見なせるようになれば、人間的にかなり成長しているでしょう。
ただし、仕事のためにストレスを溜めすぎないように注意してください。
ストレスはうつ病の原因になりますから。
「苦手な人がいる」と回答した人が80%以上も
嫌いな人のことで悩んでいるのは、自分だけなのでしょうか?
人の好き嫌いをオープンにする人はあまりいないので、実際のところが気になりますよね。
ここで、niftyが行った興味深いアンケートを紹介します。
3,340人から回収したアンケートによると、苦手な人がいる人の割合は次のようになったそうです。
苦手な人はいますか?
*たくさんいる
- 30代以下:32%
- 40代:31%
- 50代:22%
- 60代:11%
*いる
- 30代以下:52%
- 40代:54%
- 50代:55%
- 60代:49%
苦手な人が「たくさんいる」と「いる」を合わせると、30代以下〜50代は約80%、60代でも60%になるんですね。
つまり程度の差こそあれ、ほとんどの人に嫌いな人がいるということです。
「悩んでいるのは自分だけではない」と考えれば、気持ちがスッと楽になるでしょう。
また、「人から嫌われるのは珍しいことではない」と考えれば、勇気が出てくるかもしれません。
有名プロデューサーの秋元康さんによると、人望のある人ほど嫌われているそうです。
好きになる必要はない!ストレスが溜まらない方法を考えよう
嫌いな人がいるときは、おそらく「なぜ好きになれないんだろう…」と悩むでしょう。
そして、相手のことを嫌ってしまった自分を否定したり、好きになれない自分を嫌悪すると思います。
ですが、人間には必ず「合う、合わない」の相性があります。
10人のコミュニティーの中に、合わない人が2〜3人いたとしても何ら不思議ではありません。
だから嫌いな人がいたとしても、あまり悩まないでください。
嫌いな人を好きになる努力をするよりも、うまく付き合う方法を考えていきましょう。
ミラクリから一言
うまく距離を保てたら、見直すところが見つかるかも。