「友人がうつ病になったとき、どのようにサポートすれば良いのでしょうか?」というご質問をいただきました。
ありがとうございます。
うつ病を患った友人のサポートは本当に難しいですよね。
ぼくもうつ病経験者ですが、うつ病を患った友人への接し方についてはかなり悩みました。
鬱の友人をサポートするとき、どのような点に注意すればいいのかを解説しますね。
うつ病の友人は気長にサポートすることが大切
まず前提として、友人がうつ病になったら「気長にサポートする」という意識を持つことが大切です。
経験したことがない人にとって、うつ病は重いものでもあり、どこか煩わしく感じるもの。
根拠のないことで悩んだり、過剰にネガティブになる姿を見て、「いつまで悩んでいるの?」と考えてしまいますよね。
しかし、メンタルの病は一朝一夕で完治するものではなく、治療法に答えがありません。
友だちのことを思うあまり、過剰に励ましたり、効果的だと言われる治療法を押し付けないようにしてください。
要注意・うつ病患者は「うざい」「めんどくさい」を敏感に感じ取る
言い方がわるいかもしれませんが、うつ病は元気な人から見れば「うざい」「めんどくさい」ものであることは間違いありません。
ちょっとしたことで急激に落ち込んだり、どれだけ元気づけようとしても無気力に拍車がかかるばかり。
そんな状態を見て苛立つこともあるでしょうが、決して態度に出さないでください。
鬱症状に苦しんでいるときは、えてして自意識過剰になりやすく、人の感情を敏感に感じ取るからです。
しかも、実際の度合いよりも重く受け止める傾向にありますので、できるだけ根気強くサポートしてあげてくださいね。
うつ病の友人をサポートするときの注意点
それでは、うつ病の友人をサポートするときの注意点を解説します。
「悩んでいる人を励ます」といったケースとは対処法が異なりますので、ぜひ参考にしてくださいね。
解決を求めない・共感だけでOK
うつ病の影響でネガティブ思考に陥っている友人を見ていると、モヤモヤすると思います。
具体的には以下のようなものです。
- みんなが自分のことを嫌っている
- 私の人生は終わった
- 何をやっても失敗ばかりのダメ人間だ
これらの悩みにはこれといった原因がなく、過去の色んな失敗やトラウマがうつ病のときに襲いかかっている状態です。
具体的なことで悩んでいるなら解決もできますが、いわば人生のすべてを否定しているような状態なので、解決することはできません。
アドバイスしたり、励ますのではなく、「そうだね」「大変だったね」「大丈夫だよ」と、共感するだけでOKです。
「努力不足」「甘えている」などの叱咤・励ましはNG
うつ病を患った人への対処法で最も注意したいのは、叱咤や励ましは逆効果だということです。
悩める人に「もっとがんばれ!」と声をかけることもあるでしょうが、鬱病の人にとってそれは心に突き刺さる言葉。
生真面目に追い込みすぎてメンタルを消耗したのに、さらに頑張れと言われるのは想像以上に辛いものです。
ぼくも知り合いから「うつ病なんて甘えているだけだろ」と言われたときは、かなりショックでした。
その方としてはおそらく半分ジョークで、励ましの意味も込めて言ったのでしょうが、当時のぼくにとっては重すぎる言葉でした。
叱咤激励はできるだけ控えて、共感メインで声をかけてあげてください。
疎遠・依存にならない適度な距離感で接する
うつ病の人が「めんどくさい」と思われる所以は、感情の起伏が激しく、気分によって考え方がコロコロ変わるからです。
たとえば、友人のためを思って頻繁に会いに行くと「依存」してきたり、会いに行く時間がなくて「疎遠」になると今度は激しく落ち込んだり。
うつ病を患ったぼくの友人と接するときは、この距離感に1番悩みました。
経験者だからこそわかる気持ちもありますし、できるだけサポートしたいのですが、あまりにも連絡すると依存状態になったり、逆に鬱陶しく感じてしまうのはないかと。
もし親友がうつ病になったら心配だと思いますが、今まで以上に「適度な距離感」を意識するようにしてください。
メールは送られてきたら返信する程度に
うつ病のときって励ましのメールが重く感じるんですよね。
もちろんありがたいことですし、感謝もしているのですが、「お前なら大丈夫だからがんばれ!」のような前向きな文面を見ると、自宅療養している自分が情けなく感じられるものです。
「じゃあどのようなメールが適切なの?」と悩みますが、これにも正解がないんですよね。
そのメールをどう受け取るかはその日の気分次第ですが、会っていなければ友人の状態はわかりません。
ですから、メールは基本的に来たぶんに返信するイメージで大丈夫です。
友人にメールできるということは、それだけ元気な証拠でもありますからね。
うつ病の人にとって「理解者」である友人は何者にも代えがたい存在
これはぼくの経験から言えることですが、うつ病の人にとって友人は本当に大切な存在です。
やはりメンタルを病んでいるときは、孤独感を抱きやすく、自己肯定感も下がりますので、理解者がいてくれるだけで心強いものなんです。
頻繁に会えなくてもいい。メールや電話の頻度は多くなくてもいい。
ただ、連絡があったときに「大丈夫だよ」と言ってくれる人がいるだけで、うつ病克服へのモチベーションは高まります。
何かをしなくても、味方であることを伝えるだけで十分。
これは決して綺麗事ではなく、ぼくの体験談として言えることです。
ぼくは家族と友人の協力で鬱を克服しました
ぼくがうつ病を患ったときも、抑うつ気分や無気力状態に苦しみましたが、家族や友人が根気強くサポートしてくれました。
ときにはなかなか回復しない症状に苛立ち、ひどい言葉を投げつけてしまうこともあったのに、支えてくれたことに感謝しています。
支えてくれる人がいなければ、正直どうなっていたかわかりません。
自暴自棄になっていたでしょうし、うつ病を治そうとは思えなかったかも…。
今回質問してくださった方のご友人も今は辛い時期かもしれませんが、共感メインで見守ってあげてください。
ご自分が思っている以上に友人の存在を心強く感じているはずですから。
ミラクリから一言
急がず、焦らず、気長に見守りましょう。