自分嫌いになると、人生そのものがつらくなりますよね。
過去のトラウマがあるから、なかなか自分を肯定できない。
コンプレックスがありすぎて、自分に自信を持つことなんてできない。
そう考えるほど息苦しくなるでしょう。
そんな状況にある人が自分を好きになり、自信を持つことはできるのでしょうか?
自分嫌いには必ず原因があります。
そして、信じられないかもしれませんが、自分嫌いでいることにはメリットがあるんです。
今回は、自分嫌いの原因を紐解きつつ、自分を好きになる方法を紹介しますね。
20代〜30代男女は、自分の半分以上が嫌い
まずは世間一般の「自分嫌い」の割合を見ていきましょう。
マイナビが実施した調査によると、次のような結果になったそうです。
20代から30代の男女100人に「自分のダメだと思うところは全体のどれくらいありますか?」というアンケートを実施しました。
すると、平均で自分の55.75%も嫌なところがあると回答。
引用元:マイナビ
平均で55.75%も嫌なところがあるのだとか。
つまり自分自身の半分以上が好きになれないということですね。
その原因が容姿なのか、性格なのか、何らかのトラウマなのかは人によって異なるでしょうが、50.0%以上を嫌いというのはなかなか凄い数字です。
自分のことが嫌いになる原因
では、なぜ自分のことを嫌いになるのでしょうか?
主な原因をまとめてみました。
自分に自信がない
自分に自信がないと、自分嫌いになります。
「弱気になる」くらいならまだいいですが、人前に出ること自体が嫌になったり、常に誰かに注目され、批判されているような感覚を抱く人もいるでしょう。
自分に自信がないと、自意識過剰になり、被害妄想を抱いてしまいます。
コンプレックスがある(容姿、性格など)
容姿や性格などにコンプレックスがある場合も、なかなか自分のことを好きになれません。
人に比べて太っているとか、不細工だとか。
性格が悪いとか、友達が少ないというようなことですね。
自分自身でコンプレックスを生み出した場合もありますが、誰かに指摘されたり、辱められたことで心に傷を負った場合もあります。
トラウマに縛られている
過去のトラウマに縛られている場合も、自分を好きになれません。
トラウマとコンプレックスは、実は密接に関係しています。
たとえば同級生に「顔が気持ち悪い」と言われたことがトラウマになり、それが原因で容姿にコンプレックスを持つようなことですね。
トラウマとは、精神的な外傷のこと。
強い精神的ショックは、いつまでも心の傷として残ります。
自分のことをネガティブに評価している
自分嫌いなのは、自分のことをネガティブに評価しているのも原因です。
たとえば次のような思い込みですね。
- クズ
- ダメ人間
- 負け組
- 俺(私)なんか
自らにネガティブな評価を下し、それを公言することを「セルフ・ハンディキャッピング」と言います。
インターネット上でも「自称クズ」をよく見かけますが、できれば自分のことを卑下しないほうがいいと思います。
何事も他人と比較してしまう
何でも他人と比較してしまう人も、自分嫌いになるでしょう。
たとえば次のような比較です。
- 仕事のスキル
- 友達の多さ
- SNSの華やかさ(いいね、フォロワーの数)
- 夫婦仲
- 子供との関係
- お金(収入)
- 幸福度
人との比較には意味がないとわかっていながら止められないのが、厄介なところですね。
人と比べれば比べるほど、自分の短所や欠点に目がいくでしょう。
信じられないかも!? 自分嫌いにはメリットがある
自分を好きになる方法を紹介する前に、1つだけ理解しておきたいことがあります。
それは自分嫌いには「メリット」があるということ。
信じられないかもしれませんが、デメリットばかりではないのです。
自分嫌いのメリットとは、たとえば次のようなもの。
- 批判されたときに傷つかずにすむ(保身)
- 失敗したときに落ち込まなくていい(自己防衛)
- 集団になじめる(調和)
- 自分を貶めることで周囲に責任を感じさせる(復讐)
- ひどい状況を肯定できる(抑圧)
あらかじめ自分に対してネガティブな評価を下していれば、傷つくことが少なくなり、人間関係もうまくいくということですね。
さらに自分嫌いの原因になった両親や友人に対して責任を感じさせたり、今の大変な状況を肯定できるようになること。
つまり「私はダメ人間だから、こんな目にあって当然」という考え方です。
自分嫌いにはたしかにメリットもありますが、メンタル面の疲れやストレスを考えれば、犠牲のほうが多いと言えるでしょう。
自分のことを好きになる方法
では、自分のことを好きになるためにはどうすれば良いのでしょうか?
大切なことをまとめてみました。
「欠点が魅力になる」ことを認識する
自分のことを好きになるためには、欠点が魅力になることを認識しましょう。
意識の高い人ほど、完璧な人間になろうとして疲れてしまうと思います。
でも、自分が好きになる人のことを思い浮かべてみてください。
きっと次のようなところに惹かれたはずですから。
- 欠点
- 弱点
- 短所
- 弱み
- ダメなところ
- 人間くさいところ
もちろん「良いところ」にも惹かれたとは思いますが、強烈に惹かれたのはむしろダメなところだったはず。
そう、人間は美点よりも欠点のほうに魅力を感じるのです。
ですから完璧な人間を目指す必要はありません。
過去の出来事に対する解釈を変える
自分のことを好きになるためには、過去の出来事に対する解釈を変えることも大切。
トラウマやコンプレックスの原因になった出来事は、時間が経過するごとに拡大解釈をしているもの。
つまり必要以上に重く、深く受け止めていることがほとんどなので、それを癒やしてあげてください。
たとえば仕事の失敗がトラウマになっているなら、次の手順で整理していきましょう。
- 仕事の失敗で怒られたことを思い出す
- どんな出来事だったか詳しく書き出す
- それに対する認識を書き出す(辛かった、悲しかったなど)
- それとは逆の解釈を書き出す(失敗ではなかった、経験を得たなど)
これを自分自身のトラウマやコンプレックスに当てはめてみてください。
解釈を変えれば、つらい出来事を思い出す回数が減っていきます。
傷つけられた自分の心を癒やす
自分を好きになるためには、傷つけられた自分の心を癒やすこと。
これはトラウマやコンプレックスを癒やすこととは微妙に異なります。
恋愛で傷ついた場合の手順をまとめてみました。
- 恋人にフラれたときのことを思い出す
- そのときに感じたことを書き出す(驚いた、本当はわかっていた、腹が立ったなど)
- そのときに言いたかったことを書き出す(別れたくない、もう一度愛して欲しいなど)
- それを口に出して言ってみる
上記に自分が傷ついた出来事を当てはめてみてください。
傷ついたときのリアルな感情と、そのときに言いたかったことを回想し、それを口にだすこと。
「そうか、強がっていたけど、本当は別れたくなかったんだね」などと、自分を慰めるように言ってみましょう。
嫌な記憶を忘れる方法は次の記事でも解説していますよ。
自分がどうしたいか?を優先する
自分を好きになるためには、人の意見に左右されず、自分がどうしたいか?を優先してください。
サッカー元日本代表で、今は日本酒や伝統工芸を世界にPRしている中田英寿さんは、講演会で次のようなことを話していました。
好きなことをやっているので、それが人に受け入れられるかだとか、何かを言われただとか、そういったことは一切気になりません。
引用元:中田英寿氏の講演会(2017年7月14日)
*上記は意味が伝わりやすいように、筆者が編集した言葉です。
中田英寿さんは、大好きなサッカーをとことん追求したことが仕事になった経験から、プロサッカー選手を引退した後も同じことを心がけているそうです。
誰かを傷つけたり、人に迷惑をかけない限り、「自分のため」はわがままでも、自己中心的な行為でもありません。
完璧主義をやめ、楽観的になる
自分を好きになるためには、完璧主義をやめ、楽観的になること。
完璧主義の人ほど、些細な失敗を許せなかったり、長所よりも欠点に目を向けがちだからです。
たとえば誰かに褒められたときに、「ありがとうございます!」と言えるでしょうか?
それとも「私なんか、ぜんぜんダメですよ」などと言っているでしょうか?
人は後者を「ストイック」と賞賛しがちですが、自分を追い込んでばかりではそのうち心が疲れてしまいますよね。
楽観的になるためには、いつも明るく前向きな人と一緒にいるのがいちばんの近道です。
自分を褒める習慣を身につける
自分を好きになれないのは、自分に対する評価が厳しすぎるから。
ですから、自分を褒める習慣を身につけましょう。
次のように視点を変えれば、褒めるポイントはいくらでも見つかります。
- 失敗よりも成功
- できなかったことよりもできたこと
- 嫌いなところよりも好きなところ
- 挫折したことよりも成し遂げたこと
自分に厳しいのは良いことですが、それだけではストレスが溜まってしまいます。
大きな結果を出したときだけではなく、些細なことにも目を向けて自分を褒めてあげましょう。
他人との比較をやめる
自分を好きになるためには、他人との比較をやめることも大切です。
いろんなことを人と比べてしまい、一喜一憂する気持ちもわかりますが、冷静に考えれば人と比較するメリットは1つもないはず。
誰かに勝ったとしても、必ず誰かには負けているからです。
常に嫉妬している自分を好きになるのは難しいので、早めに手放してしまいましょう。
日本人は諸外国に比べて自己肯定感が低い
日本人は外国人に比べて自己肯定感が低いようです。
おそらく勤勉で、生真面目な国民性がそうさせているのでしょう。
内閣府の調査によると、日本と諸外国の自己肯定感は次のようになるそうです。
Q.私は、自分自身に満足している
- 日本:そう思う 45.8%、そう思わない 54.2%
- 韓国:そう思う 71.5%、そう思わない 28.5%
- アメリカ:そう思う 86.0%、そう思わない 14.0%
- イギリス:そう思う 83.1%、そう思わない 16.9%
- ドイツ:そう思う 80.9%、そう思わない 19.1%
- フランス:そう思う 82.7%、そう思わない 17.3%
- スウェーデン:そう思う 74.4%、そう思わない 25.6%
引用元:内閣府
自分自身に満足していない人が「54.2%」と、諸外国に比べて圧倒的に多いですね。
これは性格の問題というよりも、謙虚・謙遜という概念を植え付けられたことで、どんなときでも「上には上がいる」と考えてしまう国民性が原因なのかもしれません。
これが日本の自殺者の多さ(平成28年度・年間2.1万人)に結びついているのだとしたら、それは悲しいことです。
日本人はもっとゆる〜く考えることを覚える時期に来ているのかもしれません。
自分を好きになる権利がある
自分のことが嫌いというのは、つらい状況ですよね。
とはいえ、いくら周りから「自信を持ちなよ」と言われても、そう簡単に性格を変えることはできないと思います。
ですから、日々少しずつでも自分を褒めること。
あるいは過去の出来事に対する解釈を変えるために、自分自身と向き合うことが大切です。
それさえできれば、自分でも気づかないうちに性格自体が変わっていくでしょう。
大丈夫ですよ。
自分を好きになる権利があるのですから。
ミラクリから一言
自分を認められたら、人のことも認められる。