フリーランスにとって、「仕事の断り方」は悩ましい問題ですよね。
仕事を断ることで、得意先から愛想をつかされたり、次の発注をもらえなくなる可能性があるからです。
でも、単価が安すぎたり、納期が短すぎて対応できない場合は、早めに断りたいですよね。
徹夜をしてでも仕事を受けるか、それとも断るか。
仕事を断るなら、得意先にどう伝えればいいのか。
そんな悩みが尽きないと思います。
今回はフリーランスに知ってほしい、上手な仕事の断り方を紹介します。
人間関係を壊さないように配慮しつつ、丁重に断るスキルを身につけましょう。
「仕事を断るのは失礼」という間違い
「仕事を断るのは失礼」と思い込んでいるなら、それは間違いです。
仕事を断るのは決して失礼な行為ではありません。
自分自身が誰かに仕事を断られたときのことを思い出してみてください。
失礼に感じたでしょうか?
もし失礼に感じたとすれば、それは相手の断り方が無礼だったのでしょう。
「二度と仕事をもらえない」という心配も杞憂
断り方に配慮すれば、「二度と仕事をもらえない」という心配も杞憂に終わります。
そもそも一度仕事を断ったくらいで愛想を尽かされるなら、もっと前に関係が冷え切っているはず。
取引を清算するほうがお互いのためだと思います。
むしろ早く断ったほうが信頼度はアップする
フリーランスの人は、むしろ早く仕事を断ったほうが信頼されます。
どうしても納期に対応できないときや、その仕事に割く工数を確保できないときは、早めに得意先に伝えるに越したことはありません。
早めに仕事を断っていれば、得意先は別の人に依頼できるからです。
すぐに「可・不可」のレスポンスができる人は、イコール「仕事がデキる人」と見なされ、信頼度がアップします。
フリーランスが仕事を断るときのポイント
次に、フリーランスが仕事を断るときのポイントを紹介しますね。
気まずくならないように仕事を断りたいなら、次の点に注意してください。
- 依頼してもらえたことへの感謝を伝える
- 仕事をお断りする理由を明確に伝える
- 期待に応えられないことをお詫びする
- 次の依頼は、いつも以上の力で取り組む
まずは仕事を依頼してもらえたことに感謝し、その次にお断りする理由を伝えること。
そして、期待に応えられないことをお詫びし、次の依頼は全力で取り組んでください。
これさえできれば、クライアントとの信頼関係が壊れるようなことはありません。
仕事を上手に断る方法
それでは、仕事を上手に断る方法を紹介しますね。
仕事が収入に直結するフリーランスにとって安定的な仕事は生命線ですから、取引先との関係を壊さないように配慮していきましょう。
感謝を表明しつつ、丁重にお断りする
フリーランスの人がどうしても仕事を断らなければならないとき、最低限すべきことは感謝を表明しつつ、丁重にお断りすること。
まずは依頼してもらえたことに感謝することが最も重要です。
そして次に、お断りする理由とお詫びを伝えつつ、次の依頼に備えましょう。
次の依頼がもらえた暁には、全力で仕事に取り組み、取引先を満足させてください。
代替え案を提示する
フリーランスの人が仕事を断るときは、代替え案を提示するのもポイントです。
代替え案でOKがもらえたら、仕事を断らずに済むからです。
ダメ元で、次のような条件を提示してみましょう。
- 「◯月◯日」までなら、納品できます
- 別の形であれば、期日通りに提出できます
- 「◯円」なら、お受けできます
- 一部であれば対応できます
代替え案では仕事が間に合わないときは、他の人を探してくれるはずです。
その場合はお詫びしつつ、丁重にお断りしてください。
他にできる人を紹介する
同業者のツテがあるなら、仕事を断る代わりに、その人を紹介しましょう。
「ライバルに仕事を渡すなんて…」というさもしい考え方は捨てて、取引先に協力してください。
たとえ自分ができなくても、他の人を紹介できるようなフリーランスは、お客さんから信頼されます。
これは間違いありません。
他の同業者を紹介できるということは、それだけ器が大きく、人脈がある証拠ですからね。
自分自身のメリット・デメリットよりも、得意先の利益を優先させましょう。
フリーランスの仕事探しについては、次の記事で解説しています。
絶対にやってはいけない断り方
フリーランスの人が仕事を断るとき、絶対にやってはいけないことがいくつかあります。
ここで紹介する断り方をしてしまった場合、得意先から仕事をもらえないどころか、出入り禁止になる可能性もありますので、注意してくださいね。
感謝・お詫び・お断りする理由を添えず、一方的に断る
感謝・お詫び・お断りする理由を添えず、一方的に断るのは、ビジネスマンとして絶対にやってはいけないことです。
たとえばぼくは、「無理で〜す!」のような断り方をされた取引先が激怒しているのを何度も見たことがあります。
世の中にはビジネスマナーが欠けている人や、無礼な人もいますからね…。
「感謝・お詫び・お断りする理由」を添えない断り方は、おそらくどんな人にとっても無礼なはず。
1つたりとも欠けてはいけません。
返答を保留し、ギリギリで断る
せっかくの依頼を断ろうか、無理してでもやろうか悩んでいるうちに日にちが経ち、ギリギリになって断るようなことも絶対にやめましょう。
よくありがちな失敗は、徹夜をしてでも納品するつもりだったのに、他の仕事にトラブルがあり、対応できなくなるようなこと。
または得意先に気を遣って曖昧な返答をしているうちに、時間が経ってしまうようなことですね。
期限真近になって断られたら、期待していた得意先は激怒するでしょう。
今さら他の誰かに依頼するほど、時間的な余裕もありません。
ですから断るときは、できるだけ早く打診すること。
思わせぶりな返答だけしておいて、期限の寸前に断るようなことは絶対にやめてください。
正直すぎて、逆に不誠実
正直すぎて、逆に不誠実な断り方もやめましょう。
たとえば次のようなものですね。
- 飲み会がある
- 友達と遊ぶ予定がある
- バイトの予定が入っている
- 単価が安すぎるのが不満
- 納期が短すぎるからいやだ
「予定がある」だけでいいのに、わざわざ飲み会やバイトがあると言ってしまう。
すると得意先は「この人はやる気が無いんだ」と思い、以降は他の人に依頼するでしょう。
単価が安すぎたり、納期が短すぎる場合は、それをきちんと伝えることも大切ですが、「不満です」「いやです」のような幼稚な言い方は避けてください。
「A社(競合他社)の仕事で手一杯だ」という
「A社(競合他社)の仕事で手一杯だ」という断り方も絶対にやめましょう。
たとえば自分がクライアントなら、どう感じるでしょうか?
競合する会社の仕事で手一杯だと言われたら、次回以降はその人への発注を避けるのではないでしょうか。
秘密保持の観点でも心配ですからね。
いろんな企業から依頼を受けるフリーランスは、ときとして競合会社の間に挟まれることもあります。
両社から仕事を受けるのはルール違反でもなんでもありませんが、それをあえて言わなくてもいいはず。
むやみに競合他社の名前を出すのはやめましょう。
ちなみに仕事を断るのはこんなとき
フリーランスの人が仕事を断るのは、次のようなときだと思います。
- 仕事量がパンクしているとき
- 単価が安すぎるとき
- 納期が短すぎるとき
- 無償提供を頼まれたとき
- その仕事をやりたくないとき
仕事量、単価、納期については、自分自身で基準を作っておくのがおすすめです。
たとえば土日祝日は働かない、◯円以下では仕事を受けないなどと決めておけば、きわどい仕事をすぐに判断できるからです。
また、フリーランスは「あなたの宣伝になるから、今回の仕事は無償で!」などと言われることもありますので、そういった仕事の取り扱いも決めておくこと。
また、やりたい仕事とやりたくない仕事も明確にしておきましょう。
仕事を断るときほど早く、誠実に!
フリーランスにとって仕事を受けるか、断るかは切実な問題です。
せっかくいただいたチャンスをふいにするようなことは避けたいですからね。
でも、条件が合わなかったり、対応できないときは、それをできるだけ早くクライアントに伝えることが大切。
丁重に、そして誠実にお断りすれば、信頼関係が壊れることはありません。
フリーランスに関する記事はまだまだあります
将来が保証されていないフリーランスに、悩みはつきものですよね。
今まさに独立を検討している人もいるでしょう。
次の記事もぜひ参考にしてくださいね。
- そもそもフリーランスって何?
- フリーランスのメリット・デメリット
- 仕事がないときの対処法
- フリーランスの仕事探し
- 売上ゼロになったフリーランスのリアル
- 独立1年目で失敗したこと
- うつ病をきっかけに独立した筆者の体験談:第一話、第二話、第三話
ミラクリから一言
忙しいフリーランスの人ほど、上手に仕事を断っています。