ストレスの源がそこらじゅうにある現代社会において、どうやって感情をコントロールするか。
それが現代人の課題。
ときにはイライラや怒りを抑えきれず、自己嫌悪に陥ることもあるでしょう。
できれば常に冷静で、落ち着いた自分でいたいですよね。
感情のコントロールが上手い人は、体とメンタルをちゃんと管理しています。
考えてもしょうがないことは考えず、規則正しい生活を心がけること。
そして、見返りを期待せず、失敗を引きずらないことも重要です。
メンタルが安定している人のあり方を学び、健やかに生きていきましょう。
そんなわけで今回は、感情のコントロールが上手い人の特徴を紹介します。
感情のコントロールが難しい理由
感情をコントロールするのは、誰にとっても難しいもの。
「性格の問題」で片付けがちですが、実は「脳」の機能が関係しているからです。
まずは、感情のコントロールが難しい理由を紹介しますね。
大脳辺縁系で「情動」が起きているから
感情のコントロールが難しい原因は、脳の大脳辺縁系で「情動」が起きているからです。
「熱い」「怖い」「痛い」といった強い情動は、大脳辺縁系で生まれます。
それが感情と結びつき、強いエネルギーになるのです。
情動が生まれたときにうまく理性が働かなければ、感情が爆発してしまいます。
大脳新皮質の働きが弱いから
逆に理性や論理を司るのが、脳の大脳新皮質。
この大脳新皮質の働きが弱ければ、感情が爆発してしまいます。
感情的に生きている人は、何らかの原因で大脳新皮質がうまく機能していない可能性があります。
感情優先で生きてきたから
感情優先で生きてきた人は、感情をコントロールするのが苦手。
人にどう思われるかに関係なく、喜怒哀楽をそのまま表現してきたのですから、当然といえば当然ですね。
感情的な人は、そもそも理性を働かせる術を知らない可能性もあります。
生活リズムが乱れているから
普段は感情をコントロールできても、タイミングによっては難しい場合もあります。
それは以下のようなときです。
- 体調不良(風邪など)
- 生理
- 睡眠不足
- 疲れ・ストレス
- 過度な食事制限
- 運動不足
つまり、生活リズムが乱れているときですね。
いつもは温和な性格でも、体調不良のときは怒りっぽくなる。
疲れやストレスが溜まりに溜まったせいで、ちょっとしたことでイライラすることは誰にでもあるでしょう。
感情のコントロールが上手い人の10の特徴
感情のコントロールが上手い人は、「EQ(心の知能指数)が高い」と言われます。
では、EQの高い人と、そうでない人は何が違うのでしょうか?
ここでは、感情のコントロールが上手い人の特徴を紹介します。
「考えてもしょうがないことは考えない」を習慣にしている
感情のコントロールが上手い人は、「考えてもしょうがないことは考えない」を習慣にしています。
答えの出ない(もしくは無い)ことを考えれば考えるほど、不安になることを知っているからです。
人によっては、「時間の無駄」とまで思っているでしょう。
今この瞬間だけに集中しているからこそ、気持ちが安定しているのです。
「人のことは変えられない」と自覚している
感情のコントロールが上手い人は、「人のことは変えられない」と自覚しています。
ですから、意見の相違に腹を立てたり、自分の思い通りにさせようとはしません。
いい意味の「人は人、自分は自分」ですね。
他者に対して寛容だからこそ、メンタルが安定しているのです。
自分自身の気持ちをちゃんと説明できる
感情のコントロールが上手い人は、自分の気持ちをちゃんと説明できます。
自分がどう考えているのか?
何が嬉しくて、何が嫌だったのか?
それを臆せず表現することで、心にモヤモヤが溜まらないようにしています。
「言いたいのに言えない」ときほど、ストレスの溜まる瞬間はありませんからね。
人の気持ちを聞き出し、理解しようとする
感情のコントロールが上手い人は、人の話もちゃんと聞きます。
人の気持ちを想像し、ちゃんと本人にも確認する。
「あの人はこう思っているんじゃないか?」などと邪推して、不安になったり、心配になるようなことはありません。
人の話を聞き、受け入れ、その上で前に進むのが彼らの特徴です。
ちゃんと断る
感情のコントロールが上手い人は、断ることも知っています。
たとえば次のような場合。
- 苦手な仕事を頼まれたとき
- できないことをお願いされたとき
- 「自分じゃなくてもいい」とわかったとき
- スケジュールが合わないとき
たとえば飲み会の幹事は苦手なのに、無理して引き受けるとストレスが溜まりますよね。
スケジュールの合わない仕事を無理やり引き受けたときも、ストレスフルになると思います。
感情のコントロールが上手い人は、ちゃんと断ることでストレスの種をうまく遠ざけているのです。
見返りを期待しない
感情のコントロールが上手い人は、見返りを期待しません。
ですから、人を助けたようなことでも、すぐに忘れてしまいます。
たとえば「借りを返してもらえなかった」というようなことは、最もイライラする瞬間ですよね。
ときにはその人に対する信用が崩壊し、人間関係に亀裂が入ることもあるでしょう。
感情のコントロールが上手い人のモットーは、「借りは必ず返し、貸しはすぐに忘れる」です。
失敗を引きずらない
感情のコントロールが上手い人は、失敗を引きずりません。
仕事で大失敗したときも、人間関係がうまくいかないときも、できるだけ前向きに。
もちろん人間ですから落ち込むこともありますが、短期間で立ち直ります。
「後悔しても仕方がない」ということを、よく知っているからです。
また、悲しい気持ちになったときの対処法もよく知っています。
不完全を許容できる
感情のコントロールが上手い人は、不完全を許容することにも長けています。
つまり、何事にも完璧を求めすぎないということですね。
仕事だって、人間関係だって、失敗することも、恥をかくこともある。
期限に間に合わせるために、80%の出来で提出することもある。
そのように、適度にゆるく考えています。
完璧主義は、ストレスの源ですよ。
1人の時間を大切にしている
感情のコントロールが上手い人は、1人の時間を大切にしています。
考え事をしたり、読書をしたり、好きな音楽を聞いたり、思いっきり寝たり。
そうすることでストレスを解消し、自分の気持ちを整理しているのです。
逆にいうと、すぐにイライラするような人は、人と一緒にいすぎて、頭の中がごちゃごちゃになっているのかも。
誰にとっても、1人の時間は重要ですよ。
睡眠・食事・運動にはとくに気を配っている
感情のコントロールが上手い人は、生活習慣に気を配っています。
とくに睡眠、食事、運動の3つ。
決まった睡眠時間を確保し、就寝時間と起床時間もできるだけ一定にする。
食事をちゃんと摂り、定期的に運動もしています。
武道の世界では「心技体」と言われますが、それが社会人にとっても重要だと考えているからです。
イライラや怒りを解消する方法
さて、ここまでは感情のコントロールが上手い人の特徴を紹介してきました。
これで感情をコントロールするために必要なことはわかったと思いますが、今まさに抱えているイライラや怒りもどうにかしたいですよね。
ここでは、イライラや怒りを解消する方法を紹介します。
生活習慣を整える
イライラや怒りを解消するためには、まず生活習慣を整えましょう。
とくに重要なのは、睡眠、食事、運動の3つ。
仕事が忙しい人ほどこれらが乱れがちなので、うまく立て直してください。
まずは1つからでも構いません。
睡眠については次の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
身体の健康と心の健康は、直結していますよ。
セロトニンを分泌させる
イライラや怒りを解消するためには、セロトニンを分泌させることも大切です。
セロトニンとは、「幸せホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質のこと。
このセロトニンが不足すると、憂鬱な気分になったり、うつ病になると言われています。
セロトニンを分泌させるには、以下のようなことが有効です。
- 日光を浴びる
- 運動をする
- 好きなことをやる
- スキンシップを取る
- 瞑想する
- 深い呼吸を意識する
1日〜2日で劇的に変わることはありませんが、上記のようなことを継続していると、気持ちが前向きになってくるでしょう。
セロトニンがちゃんと分泌されるようになれば、ストレス耐性も高まりますよ。
心療内科等でカウンセリングを受ける
いろんな対策をしても、一向に効果が出ない。
もしかすると、うつ病なのかもしれない。
そう思った場合は、すぐに心療内科かメンタルクリニックで診察を受けましょう。
早めの診察はうつ病の予防にもなりますし、専門医のカウンセリングを受ければ、自分のことが客観的にわかりますよ。
最良の病院を見つける方法は、次の記事で詳しく紹介しています。
みんなはどんな時にイライラするの?
ものすごくイライラしているときは、他の人が冷静に見えますよね。
「もしかして怒っているのは私だけ?」とさらに憤ったり、失望するようなこともあるでしょう。
でも、他の人だって人間ですから、感情が揺れ動くことだってあるはず。
「マイナビ」が男女400人に対して行った調査によると、人は次のようなシーンでイライラするみたいですよ。
あなたがイライラするシーンやシチュエーションは?(複数回答可)
- 時間に余裕がない時:52.2%
- 職場の対人関係が上手くいっていない時:45.2%
- 家族や友人と上手くいっていない時:28.2%
- 恋人(配偶者)と上手くいっていない時:21.8%
- 仕事に追われている時:37.8%
- プレッシャーを感じている時:33.2%
- 試験日などが近づいてきた時:9.8%
- 車を運転している時:6.0%
- その他:2.5%
引用元:マイナビ
「時間に余裕がない」とか、「職場の対人関係が上手くいっていない」といった問題に直面した場合、約半数の人がイライラするようです。
そう考えると、いつも冷静に見えるあの人も、実はイライラしているのかも。
それか、この記事で紹介したような「感情のコントロールが上手い人(EQの高い人)」なのかもしれません。
人間だから、イライラすることも、腹が立つことも、嫉妬することもある
感情を上手くコントロールできなかったときは、自己嫌悪に陥りますよね。
たとえば怒りを爆発させた後に残るものは、後悔だけだったりします。
その気持ちはよくわかりますよ。
でも、人間には、イライラすることも、腹が立つことも、嫉妬することもある。
感情をコントロールする方法を模索することは大切ですが、できなかったからといって落ち込むことはありません。
それも1つの人間らしさとして、前向きに考えていきましょう!
ミラクリから一言
イライラしたら、早めに寝ようぜ。