身近に「温厚な人」はいませんか?
ちょっとやそっとのことでは動じず、いつも笑顔。
価値観や意見の違いにも寛容で、どんなことでもポジティブに捉える。
それゆえに、「この人を怒らせたら最後だ…」と畏怖されている存在です。
そのような人は、周囲からあらゆる意味で一目置かれていることでしょう。
では、温厚な人は、なぜ気持ちが安定しているのでしょうか?
感情の起伏の激しい人が、些細なことで動じない人になることは可能なのでしょうか?
今回は、温厚な人について解説します。
温厚とは?
まずは「温厚」の意味を知っておきましょう。
温厚とは、優しくて、穏やかで、真面目なこと。
主に性格的な特徴を指す言葉です。
たとえば「温厚な人柄」とか、「温厚篤実(おんこうとくじつ)な人」というふうに使われます。
類義語は温和、優しい、穏やかなど
温厚の類義語は、次のようなものです。
- 温和
- 柔和
- 優しい
- 穏やか
- おっとりした
- 柔らかい
- 仏のような
これらも性格的な特徴を表すときによく使われる言葉ですよね。
どの言葉を用いたとしても、「穏やかな優しい人」という意味合いになります。
温厚な人の8つの特徴
それでは次に、温厚な人の特徴を紹介していきますね。
落ち着いた人には、どのような特徴があるのでしょうか?
些細なことでイライラしない
温厚な人は、些細なことでイライラしません。
たとえば食事をしに行ったときに、店員さんがもたもたしていても怒らない。
「なかなか来てくれないね。笑」などと言いながら、優しく店員さんに声をかける。
世の中には「お客様は神様だろ」と主張し、店員さんに偉そうな態度をする人もいます。
そのような人は些細なことでイライラしたり、怒鳴ったりしますが、温厚な人はその真逆です。
イライラしたときの対処法は次の記事で。
人に対して寛容
温厚な人は、人に対して寛容です。
考え方の違いを認め、個性を尊重し、決して争いません。
もちろん仕事上、議論するようなことはありますが、相手のことを全否定したりはしない。
たとえば同僚や部下が失敗したようなときでも、決して怒らず、すぐにリカバリーに走ります。
寛容さが失われたと言われる現代社会において、温厚な人は貴重な存在です。
不平不満を言わず、肯定語を多用する(ポジティブ)
温厚な人は、決して不平不満を言いません。
ときには人間関係の潤滑油として不平不満に参加することもありますが、それはあくまでもツール。
基本的には肯定語を多用し、常にポジティブに考えます。
肯定語とは、たとえば人に悩みを相談されたときに、「自己分析がそこまでできているのは凄い!」などと褒めること。
「そんなことで悩むな」というような高圧的な物言いと比べて、印象は雲泥の差ですね。
ポジティブになる方法は、次の記事をご覧ください。
周囲に対する気遣いができる
温厚な人は、周囲に対する気遣いができます。
まずは常に温厚であるという時点で、周りに配慮していると言えますが、決してそれだけではありません。
思い悩んでいる人を見かけたら、積極的に声をかける。
そして、持ち前の穏やかさで、優しく話を聞くのです。
アドバイスをしたり、発破をかけることだけがサポートではありません。
温厚な人は、裏側から人をサポートする「静かなムードメーカー」と言えるでしょう。
気が利く人の特徴は、次の記事で。
人の悪口を言ったり、噂話に参加したりしない
温厚な人は、人の悪口を言いません。
それどころか、誰かの噂話で盛り上がるような場所にも行きません。
その理由は「人の嫌がることをしない」という彼らの信条もありますが、本当のところは「人のことを悪く思っていない」のです。
ですから、自分はその人のことを悪く思っていないのに、悪口を聞いてしまったがために先入観を持ってしまうようなことは徹底して避ける。
この姿勢が信頼につながっています。
悪口は誰も幸せにしませんから。
笑顔が多い
温厚な人は、笑顔が多いです。
常に穏やかで、ポジティブで、気持ちが安定しているのですから、当然といえば当然かもしれません。
ただ、いつも笑顔でいるのがどれだけ難しいことか、想像するのは難しくないでしょう。
日常にはストレスがあり、トラブルもあるのに、それらを乗り越えて笑顔でいるのは並大抵のことではない。
これが温厚な人がリスペクトされる所以です。
周囲から一目置かれている
温厚な人は、周囲から一目置かれています。
なぜかというと、あらゆるストレスに負けずに気持ちを整え、周囲に優しくしてきた信頼と実績があること。
それに加えて、時折見せる表情や態度から、「絶対にこの人を怒らせてはいけない」と畏怖されているからです。
会社組織にいる人ならば、「あの温厚な田中部長を怒らせたら最後だ」などと言われているでしょう。
温厚な性格と人望には、相関関係があります。
キレたら、もう手がつけられない
温厚な人は、キレたら手がつけられません。
普段は温厚な人が本気で怒ったら、何も反論できないところまで水攻めにされます。
状況によっては経営幹部に直談判をしたり、有力者に楯突くようなこともいとわない。
温厚な人だって人間ですから、表には出さずとも、不平不満は蓄積されています。
それが爆発したときは、力関係とか、役職とかをそっちのけで、とことん追い込まれるでしょう。
温厚な人がどこか恐れられている所以は、ここにあります。
感情の起伏の激しい人が温厚になる方法
では、温厚な性格は、生まれ持った資質なのでしょうか?
感情の起伏の激しい人が、温厚になることは可能なのでしょうか?
そのためのポイントをまとめてみました。
多様性を認める癖をつける
温厚になりたければ、多様性を認める癖をつけましょう。
考え方、ファッション、センス、仕事のやり方など、人間にはあらゆる違いがあります。
もっと視野を広げれば、国籍、民族、出自、性的指向など、あらゆる違いがありますよね。
これらの違いに対して、いちいち自分の価値観に当てはめてイライラしていては、いつまでも温厚にはなれません。
モラルとか、一般常識に反した人をネットで叩くような行為も同様です。
温厚になるためには、まず多様性を認めること。
あまりにも考え方が違いすぎてイラッとしたときは、「そういう考え方もあるんだね」と口に出して言ってみましょう。
その一歩から全てが変わります。
自己表現をしてストレスを発散する
温厚な人になるためには、自己表現をしてストレスを発散することも大切です。
自己表現とは、次のようなもの。
- 人に話す
- 文章を書く
- 趣味に打ち込む
- 運動をする
- 創作する(絵画、料理、ものづくりなど)
上記以外でも、それをすることで心地よくなり、気分がスッキリするものなら何でも構いません。
人間はストレスが溜まると生活リズムが乱れ、気分のアップダウンも激しくなるものですから、鬱憤はうまく発散してください。
自分のことを「温厚な性格」だと思っている男性が45%
では、「温厚な性格」を自認する人は、どれくらいいるのでしょうか?
ここでは「何でも調査団」というサイトが行ったアンケートを紹介します。
4,322名から回収したアンケートによると、次のような結果が得られたそうです。
【男女別】自分の性格に当てはまると思うものは?
*優しい、温厚
- 男性:45%
- 女性:25%
引用:何でも調査団
自分のことを「優しい、温厚」だと思う人は、男性が45%なのに対し、女性は25%とのこと。
あくまでも自己評価ですから、実態とは異なる可能性もありますが、男性のほうが割合的には多いんですね。
ただ、女性はイライラしやすい時期(生理など)があるので、自己評価が厳しくなっているのかもしれません。
あなたは自分自身のことを「温厚」だと言えるでしょうか?
小さなことで感情を乱さなければ、人生は安定する
言うまでもありませんが、小さなことで感情を乱さなければ、人生は安定します。
実はぼくにも些細なことでイライラしていた時期がありました。
飲食店でイライラし、ガソリンスタンドで苛立ち、会社で怒り、家族に当たり散らす。
当時ぼくの身近にいた人には、お詫びしてもしきれないくらい迷惑をかけたと思います。
その後、うつ病になったのをきっかけに生活習慣を整えたことで、少しずつ気分が安定するようになりました。
今のほうがずっと生きやすいですよ。
些細なことでイライラしたり、憤ったり、嫉妬するようなことがありませんからね。
ミラクリから一言
温厚な人でありた〜い!