インターネットメディアに文章を投稿する人のことを「WEBライター」と言います。
いつでもどこでも仕事ができるWEBライターは、在宅ワークや副業としても人気です。
ただ、ちょっと心配なのは収入面のこと。
「1文字あたりの報酬が1円」という噂もありますので、1,000文字書いてやっと1,000円になるのだとか。
そんな噂を検証するために、「単価が安くてお金を稼げない」と言われるWebライターの仕事を20日間、徹底的にやってみました。
WEBライターで生計を立てることは可能なのでしょうか?
ライターとは?
ライターという仕事にも、いろんな種類がありますよね。
それぞれ細かい定義はあるでしょうが、職業として思い当たるのは以下のようなものだと思います。
- 雑誌の記事を書くライター
- 書籍を代筆するゴーストライター
- 小説などを執筆する作家
- コラムニスト・エッセイスト
- 新聞社・雑誌社の記者
雑誌の記事や本を執筆する、いわば「言葉のプロ」といった感じでしょうか。
ライターは「特別な能力を持つ人にしかできない仕事」といったイメージです。
ちなみに作家とライターは違うようにも思えますが、作家を英語にすると「Writer」ですから、いちおう加えておきました。
WEBライター(ウェブライター)とは?
では、WEBライターとはどのような仕事なのでしょうか?
簡単に言うと「インターネットメディアに文章を投稿する人」のことです。
インターネットメディアで文章を書くケースは、以下のようなものが挙げられるでしょう。
- ニュースサイトの記事
- インターネットメディアのコラム
- ネット広告の文章
- ECサイトの説明文
- 企業サイトのコンテンツ
- キュレーションメディアの記事
いずれも報酬(対価)が発生する仕事です。
どこかのメディアや企業から執筆依頼を受けているなら、「WEBライター」を名乗って問題ないでしょう。
WEBライターに必要な資格はない
WEBライターは、資格を必要としない仕事です。
「WEBライター 資格」でGoogle検索すると、いろんな団体の資格が表示されますが、それらはあくまでも民間資格です。
つまり国や公的機関が認定する資格ではありませんので、取得しなくてもとくに問題はないでしょう。
あくまでもぼくの経験ですが、逆に「Webライティング能力検定の1級を持っています!」みたいな方には出会ったことがありません。
ブロガーとの違いは報酬(対価)を受け取っているかどうか
「インターネットに文章を投稿する人」という意味では、ライターとブロガーは似ていますよね。
ライターとブロガーの違いは、報酬(対価)を受け取っているかどうかだと思います。
ブロガーは、好きなタイミングで自分のブログサイトに文章を投稿します。
アフィリエイトなどの広告収入があったとしても、特定の企業や団体から依頼を受けたり、報酬を受け取っているわけではありませんよね。
逆にライターは、特定の企業や団体から依頼がきてはじめて仕事が生まれる職種です。
副業・在宅ワークとしても人気
WEBライターは、いつでもどこでも仕事ができる職種です。
インターネットがつながる場所ではもちろんですが、ワードやテキストエディタを使えばオフラインでも仕事ができますからね。
在宅ワークでも十分にこなせるWEBライターは、主婦やサラリーマンの副業としても人気です。
やり方によっては、報酬が「1個あたり◯銭」の内職よりも効率的にお金を稼げるでしょう。
ライターとしての実績を積むか、あるいはネット上でたくさんシェアされるような文章を書けるようになれば、いずれは本業にできるかもしれません。
在宅ワークは、うつ病のような精神疾患を抱えている人にもおすすめですよ。
ライターという職業にチャレンジした理由
ぼくはフリーランスですが、ライターという仕事は未経験でした。
それどころかIT業界の知り合いもいませんし、ウェブメディア界隈にも詳しくありません。
そんな人間がなぜライターという職業にチャレンジしたのかをまとめてみます。
ブログ経由で執筆依頼をいただいた
当ブログを2年ほど続けた頃から、執筆依頼をいただけるようになったんです。
「◯◯というメディアでコラムを書きませんか?」というメッセージを、ブログのお問い合わせフォームやTwitter(@enrique5581)のDMでいただく感じですね。
最初はびっくりしました。
「なぜ、ぼくみたいな未経験の人間に依頼するんだろう…?」と。
ですが、せっかくのご依頼に応えようと頑張っているうちに、ライティングが楽しくなってきたのです。
「物書きで食べていけるのか?」に興味があった
文章を書く人、いわゆる「物書き」にもいろんな職種がありますよね。
広義で言えば、作家、雑誌のライター、Webライター、ブロガー、アフィリエイターなどの全てが「物書き」にあたるでしょう。
その細かい定義はどうでも良いのですが、「物書きで食っていけるのか?」には興味がありました。
ならば、脇目もふらずに本気で取り組んでみようと考えたのです。
それまで手がけてきた化粧品の企画・販売の仕事などを全てストップし、とにかく全力でWEBライターに取り組んでみようと考えました。
収入面の不安はありましたが、結果的に形になって良かったです。
20日間で行ったWebライティングの内訳と収益
WEBライターに取り組んだのは、ちょうど20日間。
この間は休みなしで、寝る間も惜しんで仕事をしました。
ここからはお仕事の内訳と収益をまとめていきますね。
お仕事の依頼ルート
お仕事の依頼ルートは、以下のような感じでした。
ちなみに上記は売上比率ではなく、案件比率です。
初心者のぼくがいきなり企業や個人から依頼をいただけたのは幸運でしたが、クラウドワークスやランサーズといったサービスからも仕事が集まりました。
原稿を納品したインターネットメディア
原稿を納品したインターネットメディアの内訳は、以下のようになります。
- 企業の公式サイト
- 情報サイト
- アフィリエイトサイト
- 企業が運営するブログサイト
WEBライターの仕事をしてみて、インターネット上にはいろんなサイトがあることを実感しました。
整体系の健康サイト、金融メディア、コンテンツマーケティング系サイトなど、本当に幅広いメディアで書かせていただきました。
書いた文章のテーマ
いろんなメディアで執筆させていただいたことで、必然的に文章のテーマも幅広くなりました。
- 美容・健康(スキンケア、ダイエット、禁煙など)
- 恋愛、結婚(人生相談・恋愛指南など)
- メンズファッション(おすすめのアイテムなど)
- ライフスタイル(観光地の特集、早起きの習慣化など)
- メンタルヘルス(うつ病、精神疾患など)
- コンテンツマーケティング(整体師、節約、金融など)
自分の知識と経験で書けるものもありましたが、知識のないものは調べながら執筆しました。
おかげさまで今までは知り得ない情報を勉強できました。
お受けした仕事の原稿料
お受けした仕事の原稿料は、以下の通りです。
- 最低金額:800円(1文字あたり1円)
- 最高金額:20,000円(1文字あたり4円)
- 平均金額:10,400円(1文字あたり2.5円)
原稿料については、会社によって「執筆料」「ライティング料」と呼ぶこともあるでしょう。
上記はあくまでも素人の水準ですから、おそらくやり手のライターさんはもっと単価が高いでしょうね。
Webライティングの収益
- 実施期間:8/12(水)〜8/31(月)
- 稼動日:20日間
- 原稿の納品数:200本(1日あたり10本)
- 平均単価:2,000円
- 平均文字数:1,500文字
- 20日間の合計収入:40万円
この収入を多いと見るか、少ないと見るかは意見がわかれるでしょう。
しかしながら「WEBライターは稼げない」という評判は、ちょっと大げさなのかもしれませんね。
このペースで仕事をすれば、単純計算で月収60万円、もっと単価が上がれば月収100万円は稼げる計算ですから。
もちろん単価の低い仕事ばかりならもっと過酷でしょうが、フリーランスとしてやっていくには十分だと思います。
稼げるWEBライターになるにはブログやTwitterを履歴書にすること
WEBライティング未経験のぼくでも仕事ができたのは、以下の要素があったからだと思います。
- 2年ほど育てたブログ
- 5,000人以上のTwitterのフォロワー
- WEBメディアの連載
それなりの読者を抱えるブログがあり、SNSのフォロワーもいて、多少なりともWEBでの連載実績があったこと。
これらのメリットは大きかったと思います。
ブログの記事サンプルで営業ができる
「恋愛ネタを書けるライターさん募集中!」
このような求人を見かけたとき、ブログがあればサンプル記事をすぐに提示することができます。
多くのWEBメディアは、ライターを採用する前に「テストライティング」を行いますので、その手間を省略できるのは大きいですね。
ぼくもクラウドソーシングサイト経由で仕事を探すときは、ブログが大いに役立ちました。
本業ライターの方って、意外と個人ブログをやっていない場合が多いようです。
その理由はきっと「ブログを書く時間がない」「お金にならない」といった理由が大きいでしょうが、ブログはコツコツ育てたほうが良いですよ。
プロブロガーを名乗る方はアフィリエイトでお金を稼いでいるようですが、ライターは「ブログから生まれる仕事」にも目を向けたいところです。
メディアへの寄稿は実績になる
「ライターとしての実績はありますか?」
こう聞かれたときに、実名(ペンネーム)入りの記事を提示できなければ、クライアントを獲得できません。
匿名で原稿を書くこともあると思いますが、その多くには守秘義務がありますので、「この記事は私が書きました」とは言えないものです。
実名の仕事もこなしたほうが将来につながりやすいでしょう。
「ソーシャル重視」のメディアは、フォロワー数が重要
「あなたの記事でどれぐらいのPVが期待できますか?」
こう聞かれたときは、SNSのフォロワーが物を言うでしょう。
検索流入からの読者を増やす「SEO」ではなく、あくまでソーシャルでの拡散を狙うメディアの場合、ライター自身が抱えているフォロワー数も重要になります。
ライター自身が多くのフォロワーを抱えていれば、自分で文章を書いて、自分で告知して、自分で拡散することが可能。
WEBメディアからすれば、アクセス(PV)を増やすための告知の手間が省けますからね。
そう考えれば「はあちゅうさん(@ha_chu)」に仕事が集中するのも理解できるでしょう。
はあちゅうさんの記事がおもしろいのは言うまでもありませんが、Twitterのフォロワーが10万人近くもいるからです。
企画力、文章力、おもしろさ、人気、話題性、拡散力など…。
クライアントにあらゆる価値を提供できる人材は、やっぱり強いですね。
ぼくもTwitterを続けています。
誰からも褒めてもらえず、ダメ出しが続いたときは、折れないように自分を褒めてあげる。時間通りに起きた、納期に間に合った、ちゃんと食事ができた、苦手なあの人に挨拶できた、特別なことじゃなくても、日常に合格点はたくさんある。たった一回のミスで全てを帳消しにしなくていいのだ。
— トシ (@enrique5581) July 8, 2016
ある漫画家さんから「売れる人は『期日通り提出すること』にこだわるけど、売れない人は『完璧に仕上げること』にこだわる」という話を聞いた。漫画業界特有の事例かと思いきや、コレ、どんな仕事にも当てはまると思った。
— トシ (@enrique5581) September 16, 2016
WEBライターの仕事をやって感じたメリット
次にWEBライターの仕事をやって実感したメリットを紹介しますね。
ぼく自身の経験からまとめていきます。
お金を稼げた
副業ならまだしも、フリーランスであれば「お金を稼げない」ことは死活問題です。
ぼくのように家族がいるならなおさらでしょう。
どんな仕事であれお金を稼ぐのは大変ですが、WEBライターという職業で稼げるようになったのは大きかったです。
将来的にも執筆を続けるかは未定ですが、少なくとも今は楽しんでいます。
SEOの勉強ができた
SEOを経験できたのも大きかったです。
せっかく書いた文章はできれば長く読まれて欲しいですが、Googleに評価してもらえなければ一瞬でアクセスが減ってしまいますよね。
ですから、以下のようなことを意識して記事を作るのが大切です。
- 適切な構成にする
- 見出しを使う(h2タグ、h3タグなど)
- テーマに関連するキーワードを多用する
- 検索ユーザーが知りたい情報はすべて盛り込む
- 主語と述語を正確に使う
- サジェストワードを意識する
今まではアフィリエイトサイトや情報サイトを見る機会がほとんど無かったので、色々と勉強になりました。
文章を書くための筋肉がついた
20日間で100本の原稿を書きましたが、正直キツかったです。
ブログやTwitterの更新はストップして、脇目もふらずに仕事に集中しました。
1日あたり15〜18時間は文章を書き続け、空いた時間に次の企画を考える。
その合間にインプットをして、体調管理のためのトレーニングをするような生活でした。
ときには「棒」と化した腕にムチを打ってまで、原稿を書き続けたのです。
お陰さまでライティングスピードが格段に早くなり、いきなりテーマを投げられても、瞬時に原稿を起こせるようになりました。
「文章力は筋肉と同じ」
そんな言葉を聞いたことがありますが、文章を書く力は鍛錬によって培われるものだと思います。
クラウドソーシングサービスのメリット・デメリット
WEBライティングの仕事を探すにあたり、ぼくはクラウドソーシングサービスを利用しました。
クラウドソーシングサービスとは、インターネット上で発注者と受注者を結びつけるサービスです。
あらゆる仕事のチャンスを提供している一方で、相場価格より安い仕事も多いことから「搾取の温床」といった批判も耳にします。
クラウドソーシングサービスには、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
初心者でも仕事を受けられる
初心者でも仕事を受けられるのは一番のメリットだと思います。
ぼくのようにWEBライターの実績がない人間でも、仕事を受けられましたからね。
ランサーズやクラウドワークスといったサービスは、以下のような幅広い職種に仕事を提供していますので、求人をチェックしてみてください。
- ライター
- プログラマー
- デザイナー
- WEB制作
- フォトグラファー
- コピーライティング
- ネーミング・企画
高評価が単価アップにつながる可能性もある
クラウドワークスやランサーズは、仕事を納品するごとに評価がつく仕組みになっています。
Yahooオークションの出品者と落札者を評価するのと同じですね。
クラウドソーシングサービス初心者が仕事を獲得するには、入札に参加して、コンペを勝ち抜く必要があります。
ですが、評価が増えれば「スカウト」という形で仕事の依頼がきたり、単価を上げてもらえる場合があるのです。
ぼくがご一緒させていただいたクライアントは、単価アップに応じてくれましたよ。
評価が高い人には仕事が集まるのは、市場原理そのものですね。
「相場よりも単価が安い仕事」は実在する
クラウドソーシングサービスの一番のデメリットは、相場よりも単価が安い仕事が掲載されていることです。
もちろん適正単価の仕事もたくさんありますよ。
ぼくもいろんな案件をチェックしましたが、「1記事500円で…」「1文字あたり0.5円で…」といった驚くべき条件もありました。
ただ、たとえ報酬が1,000円だったとしても、1時間で完了するなら時給1,000円ですよね。
これならどこかでアルバイトをするよりも条件が良いという考え方もあるでしょう。
「駆け出しの段階で文句は言えない」という方もいるでしょうが、相場よりも安い仕事が実在することは頭に入れておいてください。
「仕事を選定する目」が必要
クラウドソーシングサービスには無数の案件が存在しますので、「仕事を選定する目」が必要です。
なかには「1記事200円で…」という格安の仕事もありますし、ときには「ブログサイトをコピペしてください」という悪質な仕事を見かけることも。
相場価格よりも極端に安い仕事で消耗したくはありませんし、悪質な仕事には関わりたくありませんよね。
ですから、大量にある案件の中から良い仕事、良い顧客を見つけるためには、それなりに肥えた目が必要です。
WEBライターはやりがいのある仕事
「物書き」に特別な才能とセンスが必要なのは本当だと思います。
ただ、同じ物書きでも、WEBライターは「努力」でカバーできる要素が多い仕事だとも思います。
たとえば以下のようなスキルなら、努力でカバーできますよね。
- 巧みな表現力がなくても、わかりやすい日本語が書ける
- 強烈な文章が書けなくても、正確に、素早く納品できる
- フットワーク軽く取材に出かけられる
- 短納期の仕事でも断らない
ぼくには物書きになるための素質も実績もありませんでしたが、なんとかやってこれました。
これはひとえに良いクライアントに巡り会えたことと、クラウドソーシングサービスを活用したのが大きいでしょう。
文章を書くのが好き、物書きになりたい、1日中記事を書くのが苦にならない人にとって、WEBライターはやりがいのある仕事ですよ。
でも、ぼくがそうだったように、業界にツテのない人が仕事もらえるかどうかが心配ですよね。
そんなときは、クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングサイトを活用すれば、営業に行かなくても仕事を獲得できます。
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ミラクリから一言
今日もせっせと書きます!