会社の宴会には、できれば参加したくない。
いくら接待であるとはいえ、あの社交辞令ばかりの雰囲気に耐えられない。
飲み会が苦手な人はそう考えてしまいますよね。
以前までは、サラリーマンは「飲みニケーション」を半ば強要されていたようですが、現代の新入社員には「残業代が出ないならお断りします」と言い残し、サクッと帰宅する人もいるのだとか。
仕事と私生活、あるいはオンとオフの考え方は時代とともに変わっているようです。
とはいえ会社の飲み会を断るのは勇気が必要ですから、空気を壊さないようにとりあえず参加する人もいるでしょう。
会社の飲み会をうまく乗り切る方法はあるのでしょうか?
また、信頼関係を損なわない断り方はあるのでしょうか?
「仕事の関係者とは飲みに行かない人」が28.1%〜58.0%も
まずは、飲み会が苦手な人の実態を見ていきましょう。
ここでは第一生命が行った「職場の人間関係に関するアンケート調査(2007)」を参考にします。
全国の20~59歳の会社員、601名に対して行われたこのアンケートに驚きの結果が記されていました。
普段、誰と一緒に飲みに行くのかをたずねたところ、1年間で飲みに行く頻度が最も多かったのは「同性の同僚」で71.9%。
次に「同性の部下」(58.3%)、「同性の上司」(55.3%)と続きます。
「全く行かない」という割合は、「同性の同僚」を除いて、いずれも4割を超えました。
引用元:第一生命
なんと「全く(飲みに)行かない」の割合が、ほぼ4割を超えているとのこと。
具体的な数字をまとめてみると、こんな感じです。
- 同性の上司:44.7%
- 異性の上司:58.0%
- 同性の同僚:28.1%
- 異性の同僚:49.4%
- 同性の部下:41.7%
- 異性の部下:56.5%
やはり異性には気を遣う傾向にあるみたいですね。
いずれにしても飲み会が苦手な人は、予想以上に多いようです。
イマドキの新入社員は、考え方がちょっと変わっているみたいですよ。
会社の飲み会が苦痛になる原因
では、なぜ会社の飲み会が苦痛になり、行きたくなくなるのでしょうか?
主な原因をまとめてみました。
- 上司に説教をされる
- 他人の愚痴ばかり聞かされる
- 先輩社員の武勇伝(自慢話)がきつい
- プライベートを無駄にしているような気がする
- 残業代がでない
- 参加を強制される
- 浅い会話しかできない
- 無理やり飲まされる
- 深夜から早朝にかけて、必ず二次会〜三次会がある
- お酒が好きではない
- お店の予約・料理やドリンクのオーダーが面倒くさい
- 酔った人を介抱しなければならない
お説教や愚痴、あるいは先輩社員の武勇伝を聞かされるのは面倒ですよね。
あと最近は仕事とプライベートを完全に分ける人が増えているので、オフィスを出たら仕事関係者と離れたいという人もいるでしょう。
また、お酒が苦手な人は、無理やり飲まされたり、二次会や三次会に帯同させられたり、酔った人を介抱するようなことが苦しくなるのだと思います。
お世辞・太鼓持ちなど、人間関係の露骨さも原因の1つ
人間関係が露骨すぎるのも、会社の飲み会に行きたくなくなる要因の1つだと思います。
上司を「よいしょ」し、社長にお世辞を言い、取引先をべた褒めする。
そうすることで有力者に気に入られたら、昇給や出世なども見えてきます。
なかには「尊敬しています」「一生ついていきます」を誰にでも言っているような人もいるでしょう。
そんな露骨な人間関係を見れば見るほど、飲み会に対するモチベーションは失われます。
会社の飲み会に行きたくないときの対策
では、会社の飲み会に行きたくないときは、どうすれば良いのでしょうか?
断り続けるしかないのでしょうか?
主な対策をまとめてみました。
徹底して断る
会社の飲み会が苦手なら、徹底して断るのも手です。
これは最もドライな方法ですから、上司や同僚に煙たがられるのでは?と思うかもしれませんが、実はそうでもありません。
飲み会を断り続けていたら、「飲み会には参加しない人」という立ち位置ができあがり、それはそれとして受け入れてもらえるからです。
自意識過剰にならず、相手に配慮をしながら断ってみましょう。
ビジネスだと割り切る
「会社の飲み会は苦手だけれど、数時間なら我慢できる」という人は、ビジネスだと割り切るのも手です。
現代の会社員の飲み会に対する意識が希薄になったとはいえ、やはり仕事関係者との飲み会は得るものが多い。
たとえば次のようなものです。
- 評価(人事考課)
- 昇給(ボーナス)
- 昇進
- 新規取引
- 既存顧客とのパイプ
- 上司・同僚・部下との信頼関係
打算的でもいいじゃないですか。
苦手なものに参加するのですから、実利を得てください。
参加はするが、隅っこで静かにしておく
飲み会は苦手だけれど、できるだけ職場の空気を壊したくない人は、とりあえず参加しましょう。
そして、できるだけ隅っこのほうで静かにしておくこと。
静かにしていれば上司に説教されることも、誰かにイジられたりすることもなくなります。
できるだけ目立たないようにしたいなら、隅っこに座り、料理やお酒の「オーダー係」になると良いでしょう。
人間関係などはさておき、飲み食いを楽しむ
会社の飲み会はストレスだから、せめて楽しいことを見つけたい。
そう考える人は、ドロドロした人間関係や面倒な力関係はさておき、飲み食いを楽しむことです。
チェーンの居酒屋であっても、おしゃれなレストランであっても、徹底的に楽しむこと。
明らかにポジティブな空気を漂わせていれば、誰かに説教をされたり、愚痴を聞かされることが無くなります。
あえて幹事をやってみる
飲み会がストレスになるなら、あえて幹事をやってみるのもおすすめです。
これには「え…?」と思う人もいるかもしれませんが、実は幹事には次のようなメリットがあるんです。
- 無理にお酒を飲まなくていい
- 会話の中心から離れられる
- 自由に途中退席できる
- 二次会を断ってもお咎めなし
- 「まとめ役」として評価が上がる
- 飲み会を口実に行きたい店を予約できる
- 参加・不参加の連絡スピードで「仕事がデキる人」がわかる
- 会費を集めたあと、クレジットカード払いにできる(ポイントが貯まる)
意外ではないでしょうか?
幹事になれば途中退席が許され、二次会の欠席もお咎めなし。
参加者を満足させることができれば評価が上がり、うまくやればクレジットカードのポイントも獲得できる。
飲み会が苦手な人にとって、幹事は「隠れ蓑」になるのです。
仕事関連の飲み会に参加するメリット
仕事関連の飲み会には、どうしてもネガティブなイメージが先行しますよね。
何かメリットはあるのでしょうか?
目上(先輩)の経験談をゆっくり聞ける
仕事関連の飲み会に参加するメリットは、目上(先輩)の経験談をゆっくり聞けることです。
いま自分が手がけている仕事について意見を聞いたり、先輩が自分と同じ年齢のときに何をしていたのかを聞いたり。
それが武勇伝になるとちょっと面倒ですが、経験談はためになります。
尊敬する先輩と一緒に飲みに行けたら、得るものが多いでしょう。
お酒の力を借れば、上司の本音が理解できる
仕事関連の飲み会に参加するメリットは、上司の本音が理解できることです。
部署全体のバランスを重視する上司は、どうしても部下一人ひとりに対するケアが及ばないときもあります。
ときにはコミュニケーション不足でお互いに疑心暗鬼になったり、衝突することもあるでしょう。
オフィスで上司とガチンコすることはできなくても、お酒の力を借りれば向き合えるはず。
ときにはお酒(酔い)の力を効果的に使ってください。
仕事仲間と仲良くなれる(飲みニケーション)
仕事関連の飲み会に参加することで、仕事仲間と仲良くなれるのは間違いありません。
いわゆる「飲みニケーション」ですね。
同じ空間を共有し、一緒に美味しいものを食べ、普段とは違う陽気な表情をお互いに見せること。
過去の失敗談や意外な趣味の話を披露するのも良いですね。
そうすることによって翌日からの距離感はグッと縮まるでしょう。
みんなが牽制しあい、本音を探り合うような飲み会ではそうはいきませんが、「今日はとことん飲もうぜ!」のような飲み会なら参加する価値があります。
ビジネスマナーを学べる
ビジネスマナーを学べるのも、仕事関連の飲み会に参加するメリットです。
「飲み会でビジネスマナー?」と思うかもしれませんが、実は次のようなことを学べるんです。
- 上座・下座
- おもてなしの仕方
- 料理・お酒を注文するタイミング
- お会計の流儀
- 会話の回し方・引き出し方
とくに取引先の接待の場では、学ぶことが多いでしょう。
ただ、夜の街では「個人の体験にもとづく格言」を多く浴びせられますので、自分自身で選別していきましょう。
それが一般常識なのか、それとも単なる押しつけなのかを。
飲み会を断るときは上司・同僚・部下への配慮が大事
飲み会を断るときのポイントは、たった1つだけです。
それは上司・同僚・部下に配慮をすること。
一方的に「行きたくありません」というのは無礼ですし、平然と断り続けるのは失礼にあたります。
ですから「申し訳ありませんが…」というスタンスや、「せっかく誘っていただいたのですが…」という姿勢を大切にしてください。
その姿勢さえあれば、断られたほうも失礼とは思わないはずです。
仕事仲間たちの信頼関係を損なわないように、十分に配慮していきましょう。
飲み会の上手な断り方については、次の記事でも解説していますよ。
ミラクリから一言
ぼくも飲み会が苦手な口です…。