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【ひきこもりの定義と原因】おすすめの働き方・相談できる支援団体とは?

いま、ひきこもりが社会問題になっています。

内閣府の調査によると、広義のひきこもりは推定69.6万人もいるそうです。

ちなみにひきこもりの定義は、「6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」です。

「ひきこもり」という言葉がカジュアルに使われるようになった昨今ですが、本当にそうだと大変。

「親が甘やかしているのでは?」の一言で片付けられるほど、簡単な問題ではありません。

ただ、ひきこもりを解消するための環境は、少しずつ整っていますよ。

厚生労働省が、各地に支援団体を設立しているからです。

ひきこもり状態で苦しんでいる方や、家族の誰かがひきこもりになって悩んでいる方は、早めに相談してくださいね。

今回は、ひきこもりの定義、原因、おすすめの働き方、相談できる支援団体について解説します。

ひきこもりの定義

ひきこもりには、ちゃんとした定義があります。

厚生労働省によると、「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」がそれにあたるそうです。

昨今では「週末はずっと家にいた」ということを「ひきこもっていた」などと言いますが、それはあくまでもカジュアルな使い方。

正確な定義を覚えておきましょう。

社会問題化するひきこもりの実態

「ひきこもり」「中高年ニート」「年金パラサイト」といった言葉がメディアに登場するようになって久しいですが、実際どれくらい深刻なのでしょうか?

ここでは、ひきこもりの実態を紹介します。

ひきこもりのいる世帯数は、推計32万世帯

まずは、ひきこもりのいる世帯数から。

厚生労働省の調査によると、推計32万世帯にひきこもりがいるそうです。

地域疫学調査(面接調査)による推計

  • ひきこもり経験率(20歳〜49歳):1.18%
  • ひきこもり存在率:0.67%(約32万世帯)

引用元:ひきこもりとは(厚生労働省)

あくまでも推計ですが、32万世帯と聞いてどう感じたでしょうか?

決して無視できるような数字ではありませんよね。

広義のひきこもりは、推定69.6万人

次は、ひきこもりの人数を見てみましょう。

内閣府が2010年に実施した「若者の意識に関する調査」によると、広義のひきこもりは推定69.6万人にも及ぶそうです。

その内訳としては、「ふだんは家にいるが、近所のコンビニなどには出かける」などの「狭義のひきこもり」が23.6万人。

「ふだんは家にいるが、自分の趣味に関する用事の時だけ外出する」という「準ひきこもり」が46.0万人です。

これもすごい数字ですね。

参考:平成26年版 子ども・若者白書(内閣府)

中高年のひきこもりも社会問題に

ひきこもりは若者の問題とされがちですが、実はそうではありません。

現在は、中高年のひきこもり(中高年ニート、高齢ニート、年金パラサイトなど)も社会問題になっています。

島根県が2014年に行った調査によると、県内のひきこもりは40歳代が最も多く、やはり「父母」「兄弟」「祖母父」と同居していたそうです。

参考:ひきこもり等に関する実態調査報告書(島根県)

ここまでの実態を見て、「ひきこもり」がいかに重要な問題かおわかりいただけたでしょう。

ひきこもりの原因

では、なぜひきこもりになるのでしょうか?

その原因は無数にあるので、ここでは代表的なものを紹介していきますね。

親の教育・家庭環境によるもの

1つめの原因は、親の教育によるもの。

以下のような教育方針あるいは家庭環境が、子供の精神状態に影響を与えた可能性があります。

  • 複雑な家庭環境
  • 「やればできる」の押し付け
  • 親と接する時間が少ない
  • 家庭内の会話がほとんどない
  • 進学等に関して親の意向が強すぎる

親の教育方針を押し付けられたり、自分ではコントロールできない状況に置かれると、子供は強い「抑圧」を感じます。

すると、物事に取り組むモチベーションを失ってしまうのです。

病気になった

2つめの原因は、病気です。

意外かもしれませんが、内閣府が行った調査(ひきこもりになったきっかけ)でも、病気は2位にランクインしています。

病気の治療のために寝たきり状態になっていたら、それがあたりまえになってしまった。

あるいは病状が悪化しないか心配しすぎて、気分が落ち込んでしまっている状態です。

受験・就職に失敗した

3つめの原因は、受験・就職の失敗です。

志望していた大学に合格できず、意気消沈してしまった。

あるいは就職活動がうまくいかず、落ち込んでしまっている状態ですね。

集団から取り残されたような気がして、人前に出る自信を失っているのです。

完璧主義の人ほど、陥りやすい状態ですね。

集団に適応できない

4つめの原因は、集団に適応できないこと。

集団とは、たとえば以下のようなコミュニティーのことです。

  • 職場の人間関係
  • 学校の友達
  • ママ友
  • 近所付き合い

たとえば転職したときに、なかなか親しい友人ができず、不安になったことがありませんか?

あるいは新しいコミュニティーの中で、「自分だけ浮いている」と感じたことはないでしょうか?

そういった不安が長引くと、ついには人前に出るのが嫌になってしまうのです。

人間関係が嫌になった

5つめの原因は、人間関係の問題。

集団には何とか適応しつつ、大きなストレスを抱えている状態です。

たとえば上司とそりが合わないときは、会社に行くのがいやになりますよね。

また、苦手な人のいるコミュニティーに行くのは、億劫になるでしょう。

そのストレスが爆発すると、ひきこもり状態になってしまうのです。

家にいるのが好きだし、そうできる環境が整っている

6つめの原因は稀かもしれませんが、家にいるのが好きだし、そうできる環境が整っているというもの。

つまり、「人とかかわらなくても、働かなくても、生きていける環境が整っている」ということですね。

経済的に豊かで、過保護な家庭環境がそれにあたるでしょう。

他人からすれば、「甘えている」と思われかねない状況です。

選ばれた人だけがなし得る、特殊な原因ですね。

精神疾患(精神障害)と関連している場合もある

ひきこもりは、精神疾患(精神障害)と関連している場合もあります。

厚生労働省のガイドラインに、主な精神障害が記載されていました。

ひきこもりと関連の深い精神障害の主なもの(*筆者要約)

  • 広汎性発達障害
  • 強迫性障害
  • 不安障害
  • 身体表現性障害
  • 適応障害
  • パーソナリティ障害
  • うつ病
  • 双極性障害
  • <発達障害
  • 統合失調症

引用元:ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン(厚生労働省)

精神障害の影響で、集団生活を送るのが難しい。

あるいは、人前に出られない状態です。

ひきこもりを脱出する方法

では、どうすればひきこもりを脱出できるのでしょうか?

自力で解決するのはなかなか難しいので、専門家の力を借りてくださいね。

家族と一緒に病院に行く

まずは家族と一緒に病院に行きましょう。

「家族と一緒に」というのが重要なポイントです。

なぜなら、ひきこもっている本人は病気扱いされたくないため、病院に行くのを拒絶する場合が多いからです。

以下のような病院なら、ひきこもりの相談にのってくれますよ。

  • 病院(ひきこもり外来など)
  • 心療内科
  • メンタルクリニック

まずは専門医に診察してもらい、ひきこもりの原因をひもといてもらいましょう。

適切に対処するためにも、信頼できる病院を探してください。

専門医の指示に従い、治療を受ける

病院で診察を受けたら、専門医の指示に従い、治療を受けてください。

ひきこもりの治療は、以下のようなものが一般的です。

  • カウンセリング
  • 家族による支援・相談
  • 個人療法
  • 集団適応支援
  • 投薬治療(抗うつ剤など)

ひきこもっている本人を継続的にカウンセリングする場合もありますし、家族と話をしながら社会復帰への道を模索する場合もあります。

また、症状によっては個人療法や集団適応支援が行われる場合もあるでしょう。

治療方法は症状によって異なりますので、まずは診察を受けてください。

目標を見つける

個人的にできることは、目標を見つけること。

少しずつで構いませんので、社会復帰を視野に入れてください。

「新しい企画を月1件生み出す」のようなものでもいいですし、「友達と食事に行く」のような達成しやすいものでもいいでしょう。

目標があまりにも壮大だと挫折する可能性があるので、まずは達成感が得られるものを設定し、そこから段階的にハードルを上げていってください。

通勤・人間関係が苦手な人におすすめの働き方

ひきこもりの人が心配なのは、「社会復帰」についてですよね。

家から出られるようになったとしても、通勤や人間関係が苦手なのは変わらないかもしれません。

その場合、どんな働き方を選択すればいいのでしょうか?

2013年にうつ病を経験したぼくの経験を踏まえて、おすすめの働き方を紹介します。

リモートワークOKの会社を探す

まずはリモートワークOKの会社を探すこと。

つまり、在宅ワークができる会社に就職することです。

歴史のある企業や大企業ではなかなか難しいですが、IT・ゲーム業界ならそういったワークスタイルを推奨している会社もありますよ。

IT・ゲーム業界に強い転職サービスで、無料カウンセリングを受けてみましょう。

IT・Web業界の転職なら、レバテックキャリアへ

在宅フリーランス

通勤・人間関係が苦手なら、思い切って在宅フリーランスになるのも手です。

ちなみにぼくはうつ病になった後、この働き方を選択しました。

以下のような職種なら、インターネットを使って仕事を受けられますよ。

  • WEBライター
  • プログラマー
  • イラストレーター
  • デザイナー
  • 編集者

いろんな仕事を見てみたいなら、クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングサイトに登録してみましょう。

ブログを運営し、アフィリエイトで稼ぐ

通勤・人間関係が苦手なら、ブログを運営し、アフィリエイトで稼ぐという選択肢もあります。

ただし、これは数年単位の時間を要します。

やり方によってはすぐに稼げる場合もありますが、ブログにアクセスが集まり、広告収入を稼ぐためには、数年かかるのが一般的ですから、他の手段と同時並行で行うのがおすすめですよ。

せどりで稼ぐ

比較的早くお金になるのは、せどりです。

せどりとは、自分で物を仕入れ、それを仕入価格よりも高く販売することで、利ざやを稼ぐこと。

ヤフオクやメルカリ、Amazonなどに出品するのが一般的です。

以下のようなものを慎重に選定すれば、それが可能ですよ。

  • 電子機器
  • スニーカー・アパレル
  • おもちゃ・フィギュア
  • CD・DVD
  • 中古製品
  • 日用品

いきなり大金を稼ぐのは難しいですが、ヤフオク等をリサーチしていれば、高く売れるものがわかります。

こちらも他の手段と同時並行で行いましょう。

ひきこもりについて相談できる支援団体

さて、家族や知人の誰かがひきこもりになっているときは、どうすればいいのか悩みますよね。

病院に連れて行くのは難しいですし、強引に働かせるわけにいかない。

そんなときは、ひきこもり専門の支援団体に相談してみましょう。

厚生労働省管轄の支援団体は、以下のとおり。

  • 北海道:北海道ひきこもり青年相談センター:011-863-8733
  • 岩手県:岩手県ひきこもり支援センター:019-629-9618
  • 山形県:自立支援センター「巣立ち」:023-624-1217
  • 東京都:東京都ひきこもりサポートネット:042-329-6677
  • 石川県:石川県こころの健康センター:076-238-5761
  • 京都府:初期型ひきこもり訪問応援「チーム絆」:075-414-4304
  • 大阪府:ひきこもり地域支援センター:06-6697-2750
  • 和歌山県:ひきこもり地域支援センター:073-435-5194
  • 鳥取県:とっとりひきこもり地域支援センター:0857-20-0222
  • 山口県:ひきこもり地域支援センター:0835-27-3480
  • 高知県:高知県ひきこもり地域支援センター:088-821-4966
  • 大分県:青少年自立支援センター:097-534-4650
  • 横浜市:青少年相談センター:045-260-6615
  • 浜松市:浜松市ひきこもり地域支援センター:053-457-2709
  • 大阪市:大阪市こころの健康センター:06-6922-8520
  • 神戸市:神戸市ひきこもり地域支援センター〜ラポール〜:078-945-8079
  • 広島市:広島市ひきこもり相談支援センター:082-942-3161
  • 北九州市:ひきこもり地域支援センター:093-873-3132
  • 福岡市:地域思春期相談事業「ワンド」:092-673-5804

参考:ひきこもり地域支援センター(厚生労働省)

これらの団体なら、ひきこもり支援コーディネーター(社会福祉士、精神保健福祉士等)が相談にのってくれますよ。

お困りの方は、上記に問い合わせしてみましょう。

少しずつ社会復帰していこう!

「ひきこもりは必ず治る」とは断言できませんが、社会復帰を果たした人がいるのも事実。

ですから、できるだけ前向きに、根気強く対処することが大切です。

ひきこもりの症状は人によって様々ですから、いろんな苦労があるでしょう。

とくに何らかの精神障害と関連している場合は、身近な人にも精神的・経済的な影響があると思います。

1人で解決するのは難しいので、早めに専門家の力を借りてくださいね!

ミラクリから一言

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トシノリ
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