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嫉妬の炎を燃やし尽くしたあとのこと

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「ちっとも羨ましくない」というセリフは、単なる強がりだった。

とにかく手段を選ばないアイツが、以前まで否定していた方法を用いてでも目標を達成したアイツのことが、本当は憎くてしょうがなかった。

アイツの成功を認めることはできない。

絶対にできない。

アイツの成功を認めてしまったら、今まで追求してきたものが壊れてしまうから。

だから、アイツのことを批判するしかなかった。

心の中でアイツを断罪するしかなかったのだ。

この感情が「嫉妬」であることに気づいたのは、ずいぶん後だった。

そうか。

アイツのことが憎かったのは、「羨ましい」という感情に蓋をするためだったのか。

欲しいものを手に入れるための最短ルートを見極め、必要なものを選定する。

そして恥も外聞もなく、ただひたすらに目標に向かって進んでいく。

途中で誰かに恨まれようとも、結果さえ美しければ、見栄えも良くなるはずだ。

そう考えて行動できる強さが、羨ましかった。

人間は大きく2種類に分かれる。

とにかく結果にこだわる人間と、過程の美しさにこだわる人間だ。

別の呼び方をするならば、結果にこだわる人間はリアリスト、美しさにこだわる人間はナルシストということになるだろう。

結果と美しさを両立させるのが理想だが、たいていの場合そうはならない。

美しいプレーで観客を魅了するチームが負けてしまい、「守り勝つチーム」が頂点に立つような事例はいくらでもある。

一般社会も似たようなものだ。

いわゆる正攻法で闘った人間が評価されず、ご法度に手を出した人間が結果を出す。

何年もかけて真面目に努力したのに、「◯◯さんのお気に入り」という存在に叩きのめされる。

そんな絶望を何度も経験したはずだ。

あの場所に立っているのは、本当は自分だったのに。

嫉妬心が芽生えたときは、その事実を認めるまでが大変だ。

それでも何とかして嫉妬心の存在を認められたら、そこからは早い。

嫉妬するということは、「自分もそうなりたい」のだから。

羨ましくてしょうがない人間が持っているもの。

妬ましく感じた人間が成し遂げたこと。

それらをひも解いていくと、必ず自分自身の欲求にたどり着く。

自分がやりたかったのに、先を越されたこと。

本当はそうしたいのに、良心が邪魔をしてできなかったこと。

頭の中で何度も否定したものが、本当は欲しかったものなのだ。

その事実を認めるのもまた大変だが、なりふり構わずいくしかない。

「すべてを引きずってでも前進する」と、決めたのだから。

 - 小林敏徳のコラム

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