やる気がない社員がいて困っていませんか?
何かあるとすぐ人のせいにするし、空気が悪くなる。
もしそんな人がいたら、リーダーのあなたは困りますよね。
社員のやる気が低下する原因は、担当業務への不満、不当評価、人間関係などです。
上司のサポートで改善する場合もあれば、組織の仕組み自体を変えたほうがいい場合もあるので、よく見極めてくださいね。
このページでは、やる気がない社員の特徴と対処法を紹介していきます。
この記事の要点
- やる気のない社員の特徴は、元気がない、仕事が雑など
- 対処法は、担当替え、評価制度の見直しなど
- 無視や無茶振りはしないように注意すること
やる気のない社員の特徴と対処法
やる気のない社員がいたら、どうすればいいのでしょうか?
この記事にたどり着いたあなたは、きっといろんな方法を試したでしょう。
元気よく話しかけてみたり、不満を聞き出そうとしたり。
それでも改善するどころか、謎の上から目線でこられて、ムッとしたのではないでしょうか(笑)
周りに悪影響を与えかねない社員の改善方法を一緒に見ていきましょう!
やる気のない社員の特徴
「やる気のない社員」と聞いたら、どんな人をイメージしますか?
具体的に思い浮かぶ人がひとりはいるのではないでしょうか。
まずはやる気のない社員の特徴を見ていきましょう。
元気・覇気がない
やる気のない社員は、元気や覇気がありません。
毎朝どよ〜んとした面持ちで出社し、言われるがままに仕事をする。
仕事が終わるとまたどよ〜んと帰っていきます。
まるでオフィスにいるのが苦痛であるかのような雰囲気です。
指示された以上は絶対やらない
やる気のない社員は、指示された以上の仕事はやりません。
指示内容を網羅すれば基本的に問題ありませんが、ひと工夫があったほうが助かりますよね。
「入力して」と言えば、ただ入力する。
「資料をまとめて」と言えば、ただまとめます。
「こうしたほうがいいんじゃないか?」というような工夫はしないので、仕事を頼みづらくなります。
もっとも、それも思惑の一つなのでしょうが…。
仕事が雑
やる気のない社員の仕事は、期待を下回ることがよくあります。
つまり、雑なのです。
たとえばエクセルシートに数字を入力する場合、見やすさやその後の分析方法を考えずにまとめていくので、作り直しになることが多いです。
「自分でやったほうが早かった…」と感じることが多々あるでしょう。
失敗を人のせいにする
やる気のない社員は、失敗を人のせいにします。
直接的に人のせいにするときもありますし、「○○さんから聞いた話が…」と間接的に言う場合もあります。
そもそも責任を負う気持ちはないので、自分以外のせいにすることに躊躇はありません。
言い訳のときだけ俄然口が達者になるのは特徴ですね。
不平不満や文句が多い
やる気のない社員は、不平不満や文句が多いです。
そもそも楽しく働いていないので、必然的にネガティブになるのでしょう。
上司や経営者の文句はもちろん、評判のいい同僚に対する妬みも。
自分より成績をあげる人がいたら、「あの人は○○さんのお気に入りだから」という具合です。
「いかに自分が恵まれていないか」をアピールすることには抜群のやる気を発揮します(笑)
最後は「どうでもいい」で締めようとする
やる気のない社員は、いろいろ言った後、「どうでもいい」で締めようとします。
上司の指示が悪かったと文句を言った後、「もう、どうでもいいです」と言ってその場を去る。
会議で意見を求められたら、「私に聞かれても…(どうでもいい)」と答えます。
見るからにやる気がないのに、ご丁寧に、言葉でもやる気がないことを教えてくれます(笑)
やる気のない社員が生まれる原因
では、どうしてやる気のない社員は生まれるのでしょうか?
原因が「個人の資質」の場合もあれば、「会社組織を含めた環境」の場合もありそうですよね。
ここでは、やる気がない社員が生まれる原因を紹介します。
「担当業務が自分に合ってない」と感じている
担当業務が自分に合ってないと、やる気を出すのは難しいものです。
自分で想像しても、そう思いませんか?
自分には不向きと思っている単純作業、得意ではない営業など。
苦手な仕事をするために会社に行くのは苦痛でしかないはずです。
大失敗の責任を負わされた経験から、モチベーションを失っている
大失敗の責任を取らされた人は、その後モチベーションを失う傾向があります。
その失敗の主原因になった場合はしょうがないですが、「チームで進めていたのにスケープゴートにされた」というような事例は会社ではよくあることです。
理不尽な目にあったのなら、やる気が低下するのは仕方ないでしょう。
会社の待遇に不満がある
会社の待遇に不満がある場合も、やる気は低下します。
たとえば給料。
割りに合わない報酬や、びた一文払われない残業代などですね。
また、労働環境に不満がある可能性もあります。
深夜残業や休日出勤が当たり前になっていたり、何でも社員任せにする環境だと、意欲を持って働くのは難しいです。
経営者および幹部に不満がある
経営者および幹部に不満を持っている場合もあります。
そもそもの経営方針に納得できないとか、達成不可能な営業予算を課せられるとかですね。
利益を追求するあまり、サービスの質を低下させて社員から反発を招く場合もあります。
不当な評価を受けている
もし自分が不当評価を受けたら、どうなると思いますか?
たとえば自分よりも業績をあげていない人がAランクをもらい、自分がCだったら…。
モチベーションは一気に低下しますよね。
人事評価は業績だけでなく、プロセスや将来性も含めて評価されるため、「思ったより低かった」ということはよくありますが、あまりにもあからさまだと会社不信になってしまいます。
人間関係がうまくいってない
やる気が無い原因は、人間関係がうまくいかないことかもしれません。
仕事はチームでするものですから、同僚や上司とウマが合わないとか、苦手な人がいるだけで一気にやりづらくなります。
人間関係のストレスがあるとき、生き生きと会社に行けるでしょうか?
やる気のない社員への対処法
さぁ、それではやる気がない社員への対処法を見ていきましょう。
「上司の命令」
「嫌なら辞めろ」
そういった正論は、モチベーションを失っている人からすれば「お小言」でしかありません。
できるだけ根気強く接してくださいね。
時間を取って、とことん話を聞く(飲みに行くのも可)
まずはやる気がない社員の話を聞きましょう。
なぜやる気が無いのか、原因の予想はできても明確にはわかりませんよね。
もしかすると知らない一件で傷ついたのかも、プライベートに問題があるのかも?
「個人的事情を仕事に持ち込むな」
そんな正論は横に置き、理解するところからはじめてください。
希望を聞き、担当替えをする
もし担当業務がモチベーション低下の原因なら、希望を聞いて担当替えをしましょう。
あなたが担当を決められる役職者なら一存でいけますし、そうでないなら一緒に上司に申し出てください。
「なんでそこまで…」と思うかもしれませんが、やる気のない人が普通に仕事をするだけで、雰囲気はガラッと変わりますよ。
ただし甘やかさないために、「担当替えをしたら一生懸命働くこと」と約束しておきましょう。
新たな目標を一緒に考えてみる
次に、目標設定をしてみましょう。
目標は何でも構いません。
いきなりスキル・業績目標はハードルが高いので、「遅刻をしない」「期限を守る」というものから始めてください。
人のやる気には心理的ハードルが大きく影響します。
いきなり高すぎる目標を立てると、「無理だよ…」という思いからやる気は低下してしまいます。
まずは目標を達成する楽しさや、成長する喜びを感じてもらいながら、段階的にレベルを上げていきましょう。
目標設定の例は以下のとおりです。
段階的な目標設定の例
- 遅刻:ゼロ
- 提出期限遅れ:ゼロ
- 自ら上司に報告:3日に一度
- 仕事の効率化:定時退社→週3回
- 後輩指導:週3回→合計3時間
目標達成に必要な知識を習得してもらう
目標を達成するために知識が必要な場合は、それを習得するところまで落とし込みましょう。
知識習得の例は以下のとおりです。
知識習得の例
- 仕事の効率化:セミナー・読書
- 売上達成:先輩にヒアリング・読書
- 後輩指導:先輩や人事に相談・セミナー・読書
- 専門知識:セミナー・読書
自分から見て理想的な先輩に話を聞くのがいちばん早いですが、そのような人ほど忙しいのは間違いないため、時間を取ってもらうのは気が引けるでしょう。
そこで活用すべきはセミナーや読書です。
外部の知識を入れるのは会社全体にとってもいいことですし、専門家に教えてもらうのは効率的です。
「セミナーは稟議がおりない」という場合は、本から学びましょう。
1,000円ちょっとの出費になりますが、本から学んだことはそのまま自分の力になるので、自己投資としてはめちゃくちゃ安いですよ。
自己啓発書が役に立つときもあります。
根気強く褒める
根気強く褒めることも大切です。
「他の社員に示しがつかない」
そんな思いがあるでしょうが、いいんです。大丈夫です。
まずは自主的に動きたくなる気持ちを作らなければ根本的解決にはならないですし、他の社員もやる気がない人を重点的にサポートしていることくらい理解できるからです。
遅刻をしなかっただけで褒める。
指示したとおりの期日に、指示したとおりの書類を作ってきたら褒める。
初歩的なところからどんどん褒めていきましょう。
経営者側:会社の方針を見直す
さて、ここからは経営側の改善点です。
社員のモチベーションが低下するのは、会社方針が不明確だからかもしれませんよ。
もちろん社長の頭にはヴィジョンがあるでしょうが、それを共有しなければ、社員は「ぼくらはどこに向かっているのだろう…」と不安になってしまいます。
ですから、以下のように会社方針と今期目標を打ち出し、それにつながる個人目標を立ててもらいましょう。
会社方針&個人目標作成の流れ
- 会社として向かう先を明確にする(会社方針)
- 今期の目標を明確にする(今期目標)
- 会社目標につながる、個人目標を立ててもらう(個人目標)
「今やっている仕事は会社の未来につながる = 自分の仕事は価値がある」
社員にそう実感してもらえる体制づくりをしてください。
経営者側:評価制度を見直す
また、評価制度の見直しも必須です。
中小企業ほど、経営者や上司の一存(ときには感情)で評価を決めがちですが、それでは不平等が生まれ、社員のモチベーションは低下します。
以下のように、社員と上司が目標設定の段階から関わると評価への納得感は高まりますよ。
評価制度の例
- 社員ごとに目標シートを作成
- 目標を上司とすり合わせ
- 査定のタイミングで自己評価
- 自己評価をもって上司と面談
- 最終評価
- 評価ランクおよび報酬の決定
ちなみにアメリカのGoogleやMicrosoftといった企業は、社員をランク付けしない「ノーレイティング」という手法を採用しています。
人事評価も新しい時代に突入していますね。
やる気のない社員に対してやってはいけないこと
さて、最後にやる気のない社員に対してやってはいけないことを見ていきましょう。
覇気のない人は、つい邪険にしてしまいませんか?
受け答えするのも面倒になったりしませんか?
気持ちはわかりますが、できるだけ平等に接してくださいね。
無視する
やる気のない社員にやってはいけないことは、無視です。
これはやる気云々ではなく、コミュニケーションの基本ですよね(笑)
やる気のない社員はただでさえふさぎ込んでいるので、無視されると態度はさらに硬化します。
しまいには「何を言っても聞かない」になるので、絶対にやめましょう。
窓際族にする
窓際族に追いやるのもやめてください。
大企業には退職させたい社員を名ばかりの部署に集める「追い出し部屋」があるそうですが、中小企業も似たようなところがありますよね。
成績の悪い営業マンを経理の下っ端に追いやるようなことです。
言うまでもなく窓際族でモチベーションは上がりませんし、他の社員の迷惑になります。
「誰得?」の措置なので、絶対にやめましょう。
みんなの前でけなし、恥をかかせる
あなたが上司の立場なら、職場を引き締める意味で、みんなの前でやる気のない社員を怒りたくなるかもしれません。
やる気がない社員は周りからも「やる気がない」と認知されているため、怒りやすいですからね。
ですが、これもやめましょう。
みんなの前で恥をかかせたら、やる気のない社員は「絶対にこの人の言うことは聞かない」と思うからです。
「上司の命令だから」と、力づくでやらせようとする
それと同時に「上司の命令」を押し付けるのもやめましょう。
言っていることは正しいんです。正論なんです。
上司の命令に従わないのは、就業規則や労働契約違反にあたる可能性もあります。
ただ、自分に置き換えて考えてください。
やる気が無い時に正論をぶつけられたら、どう感じるでしょうか?
さらに気落ちするか、ふつふつと怒りが湧くだけですよね。
それでは解決になりませんから、できるだけ我慢して、正論は封じてください(笑)
無茶振りをする
やる気のない社員に仕事を頼む際は、無茶ぶりにも気をつけましょう。
「(夕方5時だけど)今日中にプレゼン資料まとめて」
そんな無茶振りです。
どうしても緊急のときは、せめて詳しく説明し、「あなたにお願いしたい」と態度で示しましょう。
必要とされることに慣れていない社員からすれば、必要とされるだけで嬉しいものですよ。
クビにする
やる気のない社員をクビ(解雇)にするのは、解決になるどころか、全体に悪影響を及ぼします。
残った社員に「下手したら自分も解雇される」という恐怖を与えるからです。
逆にやる気のない社員を根気強くサポートする様を見たら、「この会社は社員に手厚い」と実感するでしょう。
個人的にも経験がありますが、「クビ」というのは社員にとって衝撃的なものです。
やる気のない社員の成長は、労働環境に大きな影響を与える
やる気のない社員の存在は、労働環境に大きく影響します。
やる気がない状態が続くと士気は下がり、逆にやる気を取り戻したら勢いがつく。
実は重要な存在です(笑)
根気強くサポートしていきましょう!
*やる気がない人の性質を、もう少し詳しく知りたくないですか?
ミラクリから一言
「やる気を出せ」で、やる気は出ない。