機嫌の悪さを家族に負担させるパパ
ちょっと昔話をします。お許しください。
ぼくには二人の子供がいて、「可愛いなぁ」なんて思いながら毎日一緒に暮らしています。
2年ほど前でしょうか。
ぼくは恥ずかしくなるほどひどい親で、自分の機嫌の悪さを家族に負担させるような人間でした。
たとえば食事中にぼくが考え事をすると、妻も、子供たちもスッと黙る。
そんな健全とはいえない連携ができていました。
それゆえ娘は言いたいことが言えず、たまに爆発するような状態で、ある時期からその傾向は顕著になりました。
言いたいことを我慢する娘。原因は明らか
さすがにまずい。
何が原因だろう。
はい、もちろんぼくです。ぼくの態度です。
断っておくと、ぼくは暴力を振るう人間ではありませんが、「高圧的な空気による抑圧」は完全に振るっていたと思います。
経験のある方もいると思いますが、「高圧的な空気による抑圧」って辛いんですよ。
たとえば気分屋の上司がいて、機嫌が悪そうだと部署全体がピリッとするみたいな。
このままじゃいけない
あるとき思ったんです。
こう書くと立派な気もしますが、まったく立派ではありません。
だって全てはぼくから始まったわけですから。
「パパも親一年生やねん」
あるとき娘に言いました。
さすがに正確には覚えていませんが、記憶をたどると、こんな説明だったと思います。
パパの機嫌が悪いせいで、いっぱい我慢したよね。
話を聞かないときも多かった。
そのせいで○○ちゃんは言いたいことをたくさん我慢したよね。
本当にごめん。
その後、とっさに出たセリフです。
親の立場からの完全な言い訳なのですが、娘には妙にしっくりきたみたいで、「親」という存在の不完全さを理解してくれたようです。
1980年生まれのぼくの時代は、今のように情報がなかったから、親や先生は「絶対的で正しい存在」でした。
でも自分が親になってみると、30〜40代なんて全然子供だし未熟。(*そうじゃない方もいらっしゃると思います。)
要するに不完全なんです。
もちろんそれを子供に押し付けるわけにはいかないけど、少なくとも「親だって不完全なんだ」と知ってもらうことは重要な気がします。
不完全な告白が何かを変えた
娘にそう告白してから2年ほど。
親としてはまったく進級していないけど、娘は見違えるほど自己表現をするようになりました。
ここまで登場しなかったもうひとりの子供(息子)もよく話してくれるようになりましたし、妻は「いじりやすい人になったね」と笑ってくれます。
お互いの成長もあるでしょうが、あのときの説明が少しでも響いたなら嬉しいな。
お互いに不完全なままで
ぼく自身もすごく楽になりました。
「親はいつだってしっかりしてなきゃいけない」
「父親は威厳がなきゃいけない」
そんな呪縛がなくなったからかな。
お互いに不完全なまま、少しずつでも成長できたらいいなと。
不完全は、恥ずかしくない。
かっこよくもないけどね。
ミラクリから一言
不完全、バンザイ。