疲れているのに眠れない、やっと眠れたと思ったらすぐに起きてしまう…そんな状態が続くと辛いですよね。
寝不足になると、仕事の集中力がイマイチになり、誰と話しても上の空。
熟睡したいと願っているのに、実現は難しいと思っているのかもしれません。
しかし、睡眠の質を高める方法は、今すぐ実践できることばかりですよ。
今回は熟睡するためのポイントと、睡眠の質を高める方法について解説します。
寝不足・睡眠障害は病気や自殺のリスクを高める
まずは「なぜ睡眠が大切なのか?」の基礎知識から紹介しますね。
寝不足は「健康の源」と言われています。
日本という国では、睡眠時間を削って働く人が賞賛される傾向にあり、「寝てない自慢」をする人もいますが、寝不足は病気のリスクを高めてしまうのです。
具体的には、高血圧、がん、糖尿病などですが、最悪の場合は自殺に発展することも。
日本では毎年約3万人の方が自殺していますが、以下の研究結果を読めば、決して他人ごとではないことがわかります。
台湾では睡眠時間が6時間以下になると自殺の危険が高まることが2013年に報告されています。自殺の衝動は前頭前野の機能が低下すると高まりますが、睡眠不足はこの部位の働きを低下させるのです。
健康のためにも毎日しっかりと眠ることが大切ですよ。
うつ病になる可能性もある
寝不足が原因でうつ病になることも。
因果関係は解明できませんでしたが、ぼくが2013年にうつ病になったときも、寝不足が原因の一つだったと思います。
当時は深夜1:00に寝て、早朝5:30に起きる生活を続けており、そこに強いストレスを受けてうつ病になったのです。
鬱は他人ごとではありませんので、日頃からうまくストレスを解消してくださいね。
次に熟睡するためのポイントを解説します。
熟睡するためのポイントは自律神経のバランスを整えることにあり
熟睡するためには「自律神経」を整えることが重要です。
以下2つの自律神経は、消化器、呼吸器、循環器を整えるために24時間働き続けています。
- 交感神経:活動しているとき、緊張したときに働く
- 副交感神経:リラックスしているとき、寝ているときに働く
ぐっすり眠れるときは、交感神経と副交感神経のバランスが取れている状態。
つまり交感神経というスイッチを「オン」にする機能と、副交感神経という「オフ」の機能が正常に働いているのです。
このバランスが崩れると自律神経失調症になり、睡眠障害にも。
自律神経のバランスを整えるには、規則正しい生活を意識するのがポイントですよ。
それでは睡眠の質を高める方法を具体的に解説していきます。
今すぐ実践したい睡眠の質を高める方法
睡眠の質を高める方法はいくつかありますが、どれもすぐに実践できることばかりです。
生活のリズムを整えることがメインなので、お金をかけて何かを用意する必要はありません。
寝具を清潔に保つ
まず基本的なこととして、寝具を清潔に保つことが大切です。
ベッド、布団、マットレス、毛布、枕など… とくに一人暮らしだと、掃除が後回しになる部分ですよね。
しかし、くさ〜〜い匂いが熟睡の妨げになり、カビやダニによって安眠を阻害される可能性がありますので、寝る環境は清潔にしておきましょう。
必要に応じて、寝具の取り替えも検討してくださいね。
就寝&起床時間を一定にして、身体のリズムを保つ
睡眠と起床の時間がバラついていませんか?
生活リズムが崩れやすいのは、以下のようなときです。
- 休日はお昼まで寝ている(寝だめ)
- 出張に備えて早めに布団に入る
- ダラダラ映画を見ていたら、寝るのが遅くなった
- 深酒をしてしまい、早朝に寝る
- 早朝出社のために、いつもより早く起きる
「出張に備えて早めに布団に入る」は健康管理として良いことのように思えますが、実は身体のリズムを崩す要因になるんですよね。
誰しも1日の生活リズムがほぼ決まっており、体内時計もそのスケジュールに合わせていますので、いきなり「今日は早めに寝るから!」と言われても対応ができません。
出張に備えてたっぷり寝るつもりが、実は浅い睡眠になっているのかも。
であれば就寝時間は同じにして、翌日は早起きすること。その日の睡眠時間は短くなりますが、翌日からまた同じリズムに戻せばOKです。
食事は就寝3時間前まで、お風呂は1時間前までに済ませる
食事とお風呂の時間にも気をつけてください。
寝る前にご飯を食べると、睡眠中に消化することになりますので、内臓に向かって血液が活発に流れます。
すると知らない間に身体が覚醒し、眠りを阻害してしまいますので、食事はできるだけ就寝3時間前までに済ませておきましょう。
また、お風呂に入ることで体温を上げることは入眠に効果的ですが、あまりにも熱いお湯を浴びると覚醒してしまいますので、お湯の温度は38〜40度に設定してください。
そして、入浴はできるだけ就寝1時間前までに済ませておきましょう。
うつ病対策に効果的な食事は、以下の記事で解説しています。
日中の運動を習慣化し、体を疲れさせる
よく眠れないのは「頭(脳)は疲れているのに、体は元気」という状態が原因かもしれません。
通勤以外に歩くことがなければ、慢性的な運動不足になっているはず。
そんなときは運動を習慣化し、「日中は活発に、夜はリラックス」という交感神経と副交感神経のバランスを整えていきましょう。
ぼくもうつ病を患ってからは、毎日の運動を習慣化しました。
今はジムでのトレーニングが主ですが、その日の気分でランニングやウォーキングをしています。
日光を浴びられる日中に運動すると、うつ病対策に効果的な「セロトニン」が分泌されますよ。
ストレッチ・瞑想で気持ちを鎮める
寝る前に、ストレッチや瞑想で気持ちを鎮めるのも効果的です。
仕事のトラブルで悩んでいるときや、人間関係のストレスを抱えているときは、気持ちが高ぶって眠れないことも。
それは脳がフル回転しており、寝る準備ができてない証拠です。
寝る前の15〜30分程度でOKですから、テレビやスマホを切り、好きな音楽をかけながらストレッチするか、無音で瞑想してみてください。
睡眠の質が劇的に変わると思います。
ただし、瞑想は長時間やり過ぎると脳が覚醒してしまいますので、10〜15分以内にしましょう。
瞑想のやり方は以下の記事にて。
日記を書く時間を設け、デジタルデトックスするのも効果的
テレビやスマートフォンのディスプレイ画面に使われている「ブルーライト」は、人間の脳を覚醒させると言われています。
つまり寝る直前までデジタル機器に触れることは、熟睡の妨げになるのです。
デジタル機器とは、以下のようなものですね。
- テレビ
- スマートフォン
- タブレット端末
- パソコン
寝る直前までメールやSNSが気になるのはわかりますが、心地よく眠るためにデトックスしましょう。
ぼく自身もいろんなデジタルデトックスに失敗してきましたが、「日記を書くこと」を習慣にしてからは一気に変わりました。
ノートに手書きしている間は、絶対にスマートフォンに触れることができないからです。
1日を静かに振り返る時間は、意外に有意義ですよ。
ここまで長くなりましたが、最後にちょっとした余談を紹介しますね。
仕事がデキる成功者はちゃんと寝ている
日本人は睡眠を軽視しがちですし、昔のぼくも思いっきりそうでした。
うつ病になった当時は1日4時間しか寝ていないにも関わらず、「これぐらいストイックにやるのが格好いい」くらいに思っていましたから。
でも、仕事がデキる世界の成功者たちは、むしろ積極的に寝ているみたいですよ。
ジェフ・ベゾス(Amazon CEO):8時間
ビル・ゲイツ(マイクロソフト創始者):7時間
ティム・クック(Apple CEO):7時間
バラク・オバマ(アメリカ大統領):6時間
引用元:TIME
上記のようなデータを見て、「上の立場だからできること」と言う人もいますが、ぼくは因果関係が逆だと思うんです。
「ちゃんと寝ていたからこそ上の立場になり、長く活躍し続けている」のではないかと。
立場に関係なく、社会人は毎日いろんな決断をしていますので、脳が正常に働くようにメンテナンスするのも仕事のうち。
「1日8時間は寝る」と決めてから、スケジュールを組み立てるのもアリだと思います。
「ベストな睡眠時間」を試行錯誤すること
睡眠のちょっと難しいところは、「ベストな睡眠時間」が存在しないことです。
ある研究結果で「1日8時間は寝るべき」と主張されていたとしても、自分自身は8時間寝るとしんどくなるかも。
あまりにも短すぎるのは問題ですが、自分の体調がベストになる睡眠時間は、試行錯誤しながら見出すしかありません。
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の栗山健一室長は、以下のように発言しています。
「8時間睡眠がベスト」などという“睡眠幻想”を捨てることも重要。
「睡眠への期待が大きいほど、熟睡できないことへの不安感が大きくなり、眠ること自体がストレスになってしまう。
引用元:NIKKEI STYLE
ぼくもいろんな生活リズムを試した結果、23:30〜0:00に寝て、6:00〜6:30に起きるのがベストだと判断しました。
お陰さまでうつ病が再発することもなく、元気に仕事をしています。
ぜひこの記事を参考に、質の高い睡眠を実現してくださいね。
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睡眠についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてくださいね。
ミラクリから一言
「今日は8時間寝ました自慢」をしていきましょう。