「読書は人生を豊かにする」という話をよく聞きます。
知らない世界を疑似体験でき、新しい知識も習得でき、想像力も鍛えられる。
読書にはメリットがたくさんありますが、16歳以上の男女3,000人を対象に行われた調査によると、約50%の人が月に1冊も本を読まないそうです。
読書には時間とお金、あるいは知的体力が必要ですから、後回しにする人も多いのでしょう。
ぼく自身も年間100冊以上の本を読みますが、友人に比べればまだまだひよっこです。
年間300冊以上の本を読破する友人に、本を読むことのメリットと効果を聞いてみました。
読書によって得られる効果とメリット
年間300冊以上の本を読む知人は、まさに読書家といって良いでしょう。
いつでもどこでも本を携え、1日1冊のペースで本を読んでいるそうです。
そんな読書家の知人に、本を読むことの効果とメリットを聞いてみました。
知識量が増える
読書をすることで、知識が増えるのは間違いありません。
参考書、実用書、専門書などから知識を得られるのはもちろんですが、小説やビジネス書にだって大切な真理がたくさん記載されています。
たとえばインターネットの世界について知りたければ、Amazonで関連書籍を調べ上げて、片っ端から読めば知識を深掘りできるでしょう。
逆にジャンルを限定したくなければ、書店で目についた本をランダムに購入すれば幅広い情報を得られます。
知識量は数値化できるものではないため、実感しづらいかもしれませんが、仕事や会話スキルに必ず生きてきます。
知らない世界を疑似体験できる
本は、知らない世界に連れて行ってくれるツールでもあります。
たとえば自分が金融業者じゃなくても、アメリカのウォールストリートについて詳しくなることはできますし、発展途上国のリアルな現状について知ることも可能です。
実際に現地に行くのはお金と時間がかかりますが、読書なら日常にいながら「非日常」を体験できるのです。
本の執筆には明確な根拠や取材を必要とするため、ネット上にあるブログよりも精度は高いでしょう。
Googleで検索するよりも正確な情報を得られるのは間違いありません。
国語力・語彙力・文法が身につく
読書をすることで、国語力、語彙力、文法などの能力が身につきます。
意識せずとも、実は読書によって脳の中に蓄積されているのです。
社会人にとって国語力などは不要に思えますが、実はそんなことはありません。
読書から得た蓄積は、以下のようなケースで必ず役に立つからです。
- 人と会話するとき
- プレゼンテーションをするとき
- メールを書くとき
- 資料を作るとき
- お礼状・年賀状・挨拶状を書くとき
ちなみに読書家の知人は、LINEひとつでも受け手のことを考えた内容にしてくれます。
人の気持ちに対する共感と理解が生まれる
本を読むことで、人の気持ちに共感できるようになります。
誰かの辛い感情や嬉しい気持ち、「いまどうして欲しいのか?」ということも理解できるようになるでしょう。
とくに小説は主人公に感情移入して読み進めていくものですから、共感力が高まりますよね。
登場人物に対する感情移入をくり返すうちに、他者の気持ちを理解できるようになります。
「見る目」が養われる
本を大量に読むと、パッケージや目次を見ただけで「面白い本」を判別できるようになります。
また、作者の基本的な主義主張も理解できるでしょう。
つまり「見る目」が養われるのです。
年間300冊の本を読破する知人は、作者や出版社ごとに作品の傾向を把握しています。
無数にある作品の中から良書を選ぶには、頭のなかにあるデータベースが必要不可欠だと話していました。
文章を書くスキル(文章力)が身につく
本をいっぱい読むことで、文章を書くスキルが身につきます。
私たちは日々、メールやSNSなどに大量の文章を書いていますが、それだけでは文章力は向上しませんよね。
「文章力は才能」と言われますが、日頃の鍛錬も大切ですよ。
そして独自の表現を使い、わかりやすい文章を書くためには、日本語の知識が必要です。
日本語の知識を得るためには、良書を読むのが一番。
有名作家の平野啓一郎さんは、「良い小説を書くためには、美しい日本語で書かれた本を読むのが一番」ということを話していました。
これは小説家でなくとも大切にしたい考え方だと思います。
移動時間・空き時間の使い方がうまくなる
本をたくさん読むことで、移動時間の使い方がうまくなります。
読書家の知人は、かばんの中に本が入っているのはもちろんですが、iPhoneとタブレットにKindleアプリを入れて、電子書籍でも本を読めるようにしています。
いろんなところに書棚を持つことで、いつでもどこでも本を読めるようにしているのだとか。
これで自宅に本を忘れたときでも、空き時間が生まれる心配はありません。
読書上手は、やりくり上手でもあるようです。
小説・漫画によって想像力(創造力)が育まれる
小説や漫画をたくさん読むと、想像力(創造力)が育まれます。
小説は決まった結末があるように思えますが、実は読者によってその解釈はさまざま。
インターネット上で過去の名作に関する批評が今でも盛り上がっているのはそのためです。
漫画にも似たような要素があります。
この先の展開を想像し、結末を予想することも漫画の楽しみの1つですよね。
ぼくが子供の頃は「マンガばかり読むとバカになる」と言われたものですが、大人になってからマンガマニアには個性的な人が多いことに気付きました。
集中力が身につく
一点集中で本を読み続けることで、集中力が身につきます。
スマートフォンを日常的に利用している人は、SNSをして、YouTubeの動画を見て、LINEを返信して、メールを書いて、Googleで検索する。
そんなマルチタスクに慣れていることでしょう。
ですが、マルチタスクにはいろんな物事を一度に処理できるメリットがあるのと同時に、あれこれ気が散るあまり、集中力を低下させるデメリットもあるのです。
集中力アップのためにも、読書は有効です。
読書離れは本当だった!月1冊も本を読まない人が約50%
最後に余談ですが、「読書離れ」は本当なのか?を調べてみました。
16歳以上の男女3,000人を対象に行われた、文化庁の調査を引用します。
1ヶ月に大体何冊くらい本を読んでいるかを尋ねた。
「読まない」の割合が47.5%と最も高い。
次いで「1〜2冊」の割合が34.5%。
「3〜4冊」の割合が10.9%。
「5〜6冊」の割合が3.4%。
「7冊以上」が3.6%となっている。
平成14年度調査と比較すると、「読まない」の割合は10ポイント増加している。
月に1冊も本を読まない人が約50%もいるんですね…。
しかも平成14年度と比較すると、その割合が10%も増加しているそうです。
月に7冊以上の本を読む人が3.6%しかいないのは、ちょっと寂しい結果ですね。
小学生・中学生・高校生も月に1冊〜11冊
若年層(小学生〜高校生まで)の読書量はどうなのでしょうか?
全国学校図書館協議会のデータを引用します。
2016年5月1か月間の平均読書冊数は、小学生は11.4冊、中学生は4.2冊、高校生は1.4冊になっています。
昨年度に比べ、小・中学生は微増していますが、高校生は減少しています。
引用元:第62回学校読書調査
若年層の読書量は、微増と微減をくり返しているようですね。
ですが、年代が上がるに連れて読書量が減っていくのはちょっと気になるところです。
課題図書だけではなく、自分が読みたい本にもどんどん手を伸ばしてほしいものです。
読書は人生を豊かにする
「読書は人生を豊かにする」
数々のベストセラーを世に送り出した「幻冬舎」の社長、見城徹さんはテレビなどのインタビューで何度もそう述べています。
出版社の社長としての意見もあるでしょうが、もともと見城徹さん自身が本の虫だったのです。
「俺ほど高校の図書館を利用した人間はいない」と自信を持って発言されていたのが印象的でした。
新しい知識に出会い、美しい表現に感動し、刺激をもらうこと。
これはお酒やギャンブルなどの刹那的な刺激とは一線を画すものだと思います。
「時間ができたときに本を読もう」「お金に余裕があるときに本を買おう」と考えがちですが、読書の優先順位を上げれば考え方そのものが変わりますよ。
考え方が変われば、人生が変わります。
SNSの時間を読書にまわす
「読書する時間がない」と言いながら、SNSにはりついていませんか?
実はぼく自身もそうでした。
Twitter、Facebook、InstagramといったSNSに依存しすぎて、2〜3年もの間、読書の時間がグッと減ってしまったのです。
SNSで流れてくる「知らなくても良い情報」と、本に記述されている「知りたい情報」を天秤にかけたとき、どちらを取るかは一目瞭然だと思います。
もしあらためて読書を始めようと思っているなら、スマホを眺める時間を減らしてみましょう。
時間はいくらでも確保できるはずです。
ミラクリから一言
本の言葉に救われたことが何度もあります。