心を強くするには、どうすれば良いのでしょうか?
「ストレス社会」と言われる昨今、メンタルの強さはどんな立場の人にも要求されます。
できればストレスに強くなり、失敗を引きずらず、常に前向きでいたいですよね。
しかしながら、そう願っていてもついネガティブになったり、落ち込んでしまうもの。
そしてクヨクヨしている自分を嫌悪し、さらなる深みにハマってしまいます。
心を強くするためには、メンタルを鍛え、スルー力を上げること。
この2つができれば、性格自体が大きく変わっていきます。
今回は、心を強くする方法について解説しますね。
心が強い人の特徴
心が強い人には、どのような特徴があるのでしょうか?
まわりにいる「たくましい男性」「決して屈しない女性」を思い浮かべてください。
きっと次のような特徴があるはずです。
- 自分の力で変えられることだけに集中している
- 他人の意見に左右されない
- 考え方がブレない
- 失敗をいつまでも引きずらない
- 気持ちの切り替えが早い
- 過去にしがみつかない
- いつもポジティブ
- 孤独になることを恐れない
- ストレスを上手に発散している
- 自己肯定がちゃんとできている
- 自信がある(そう見える振る舞いをする)
上記をまとめると、「自分の芯がある人」と言えるでしょう。
人によっては「我が道を行くタイプ」に見えるかもしれません。
失敗やトラブルは誰にでもありますが、メンタルの強い人はそれに負けない「ストレス耐性」を持っているのです。
心を強くする方法は2つしかない
心を強くするための方法は、次の2つしかありません。
- メンタルを鍛える(防御力を上げる)
- 受け流すことを覚える(スルー力を上げる)
1つめのメンタルを鍛えるとは、つまり「防御力を上げる」こと。
どんな困難にぶつかっても屈しないように、強いメンタルを作ることですね。
2つめの受け流すことを覚えるとは、つまり「スルー力を上げる」こと。
大変な目にあっても、それを真正面から受け止めず、うまく受け流すことですね。
この2つの能力が向上すれば、今までのように責任を1人で背負い込み、ストレスを抱えるようなことがなくなります。
メンタルを鍛える方法
それでは次に、メンタルを鍛える方法を紹介しますね。
メンタルは筋肉と同じですから、鍛えれば鍛えるほど強くなります。
思考と感情を分けて考えるクセをつける
メンタルの弱い人は、思考と感情をごちゃまぜにしていることが多いです。
ちょっとわかりにくいと思いますので、まずは「思考」の具体例を挙げてみますね。
- あの女性と付き合いたい
- この案件をやってみたい
- プロジェクトを成功させたい
- 同僚の役に立ちたい
- あの顧客と取引したい
- 営業成績で1番になりたい
思考は、「願望」に近いかもしれません。
つまりやりたいことや達成したいことですね。
では、「感情」とは何なのでしょうか?
具体例をまとめてみました。
- できないんじゃないか
- 失敗するかもしれない
- また怒られたらどうしよう
- 評価が下がるのは嫌だ
- 責任を背負いたくない
感情とは、やりたいことに付随する心配や不安のこと。
これがポジティブな感情なら問題はありませんが、心が弱い人はえてしてネガティブに考えがちですよね。
ですからやりたいことができたときは、それと感情を切り離し、思考に忠実になること。
さもなければ失敗を恐れながら仕事を進めてしまい、「可もなく不可もなく」という出来になるか、結果的に大失敗してさらに深みにハマることになるでしょう。
失敗(ミス)に慣れる
メンタルを鍛えるためには、失敗に慣れることも重要です。
どれだけスキルが向上しても、経験値が増えても、役職が上がったとしても、失敗から逃れることはできません。
むしろ人生のステージが上がれば上がるほど、失敗は増えていくでしょう。
ですから、失敗を回避することを考えるのではなく、むしろもっともっと失敗して慣れること。
場数を踏むことでメンタルが鍛えられるのは、面接や電話対応などで経験しているはずです。
生活習慣を変える
メンタルを鍛えるためには、生活習慣を変えることも重要です。
生活習慣とは、具体的に次のようなことです。
風邪を引いていたり、偏頭痛だったり、寝不足のときほどメンタルの調子が悪いのは、経験からもおわかりでしょう。
体調とメンタルはかなり密接。
常にベストな心身でいるためには、食事のバランスに気をつけ、たっぷり寝て、適度に運動すること。
お酒やたばこも「ほどほど」にすることです。
ちなみにアメリカの哲学者は、行動によって人格が変わり、さらには運命も変わると言っています。
心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。
引用元:ウィリアム・ジェームズ
姿勢を変える
メンタルを鍛えるためには、姿勢を変えることも大切。
姿勢と心の強さは無関係のように思えますが、実は両者の関係性は科学的に実証されています。
ここでアメリカの社会心理学者、エイミー・カディ氏の研究を引用しますね。
被験者を2つのグループに分け、片方には仁王立ちのような「力強いポーズ」を2分間させます。
もう一方のグループには、縮こまって体を小さくする「力の弱いポーズ」を2分間させました。
その後に全員でギャンブルをさせたところ、両者の行動に次のような違いが見られたそうです。
(ギャンブルにおいて)力強いポーズをした人は86%が賭に出ます。
力の弱いポーズでは60%の人しかやらず、大きな違いが出ます。
テストステロンについては、実験前の値を基準として、力強いポーズの人たちは20%増加し、力の弱いポーズの人は10%減少しました。
つまり力強いポーズをした人たちは積極的でしたが、力の弱いポーズをした人たちは消極的だったということですね。
しかもバイタリティや競争意識とも深く関係する「テストステロン(男性ホルモンの一種)」の値にも変化が見られたそうです。
姿勢がメンタルを作るのは、どうやら本当のようですね。
辛いときの支えになる名言を見つける
メンタルを鍛えるためには、辛いときの支えになる名言を見つけておくことも大切です。
やはり落ち込んだときほど、大きなことを成し遂げた偉人の名言は心に響きますからね。
ぼくは音楽プロデューサーの秋元康さんが言ったとされる、次の言葉を大切にしています。
本当に人望のある人というのは、 けっこう人に嫌われています。
好かれることも嫌われることもあるけれど、嫌いな人よりも、好きな人のほうがたくさんいる。
または、好きな人からは、絶対的に好かれている。
そういう人のことを、人望のある人というのです。
引用元:ミラクリ
他にも、芸術家の岡本太郎氏が言ったとされる「私は、人生の岐路に立った時、いつも困難なほうの道を選んできた」とか。
Appleのスティーブ・ジョブス氏が言った「もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは 本当に自分のやりたいことだろうか?」などが有名ですよね。
人生に迷ったときほど、助けになる言葉です。
スルー力を上げる方法
次に、スルー力を上げる方法を紹介しますね。
全てを真正面から受け止めず、上手に受け流すことを覚えていきましょう。
あえて感度を下げる
心が弱い人はえてして「繊細」ですから、スルー力を上げるためには、あえて感度を下げることが大切です。
感度を下げるとは、たとえば次のようなことです。
- 見ない
- 聞かない
- 受け止めない
- 逃げる(距離を取る)
- 未来を予想しない
- 楽観的に考える
悪い意味で心を揺さぶられそうなことから、逃げること。
逃げるのが難しければ、うまく距離を取ることです。
たとえば「Aさん」に悪口を言われていることに気づいたら落ち込みますが、その事実を知らなければ元気でいられますよね。
モチベーションを下げられる要素があるようなところには、近づかないことです。
インターネット・SNSから離れる
スルー力を上げるためには、インターネット・SNSから離れることも大切です。
今は「情報化社会」と言われる時代ですから、どこにいても知り合いの近況を知ることができ、連絡も取れてしまいます。
そんな時代だからこそ、情報は自分で取捨選択すること。
同僚のプライベートを知らなくたって、取引先の担当者の投稿に「いいね!」しなくたって、生きていけるのですから。
上手に「IT断食」をすれば、悪口を目にして落ち込んだり、自分よりも成功している人に嫉妬することも無くなりますよ。
SNSと距離を置きたいときは、次の記事を参考にしてくださいね。
過剰な責任感を手放し、前向きに考える
スルー力を上げるためには、過剰な責任感を手放し、前向きに考えることも大切です。
責任感が強すぎると、何でも自分の責任だと考えてしまい、本当は無関係なのに落ち込んでしまいますからね。
常に自身を省みる姿勢はすばらしいですが、ときには次のような考え方をしてみてください。
- 私の責任ではない
- 俺には関係ない
- あの判断は正しかった
- 与えられた仕事をやったまで
- いつも通りにやっただけ
- 私には次の仕事が待っている
「人のせい」にするのは気が引けても、上記のように自己肯定することはできるはず。
生真面目すぎる性格は、自分自身を傷つけます。
落ち込んでいる人に朗報!性格は変えられる
「この性格は嫌いだけど、変えられないから仕方ない」と思っていませんか?
次の研究によると、75.5%の人が無意識に性格を変えているそうですよ。
ディグラム・ラボでは、2012年から毎年5万~6万人規模で行っている調査があります。
この調査では、「同じ被験者の波形の推移」についても調べています。
(*波形とは、「CP(厳しさ)」「NP(優しさ)」「A(論理性)」「FC(自由奔放さ)」「AC(協調性)」の5つのバランスのこと。)
その結果わかったのが、前年と違う波形になった人が全体の75.5%もいる、という事実でした。
つまり、75.5%もの人が、1年の間に性格を変えていることになります。
引用元:現代ビジネス
ちなみに性格を変えるためには、「仕事、環境、行動、習慣」の4つがキーポイントになりそうです。
「性格は変えられない」なんて、ただの思いこみかも?
少しずつ強くなろう
心を強くするというのは、一筋縄ではいかないことです。
2〜3日で鍛えられるものではありませんし、お金で買えるものでもありません。
嬉しいこと、楽しいこと、辛いこと、涙すること、落ち込むことなど。
いろんなことを経験しながら、メンタルは少しずつ強くなっていきます。
焦らずマイペースに。
少しずつ心を鍛えていきましょう。
ミラクリから一言
ぼくもうつ病をきっかけに、メンタルの状態に気を配るようになりました。