「給料が安い」という状態は、人によって感覚が異なると思います。
正当な報酬をもらえていない現状に不満足なのか。
それとも世間一般の平均年収よりも安いのか。
前者なら「怒り」が大きいでしょうが、後者ならこれから働く業界や会社を見直す必要がありそうです。
いずれにしても、給料が安いのは死活問題。
生活のためにも、将来設計のためにも、給料は高いに越したことはありませんよね。
給料が安いなら、より仕事をがんばるか、転職や副業を検討しましょう。
今回は、給料が安いときの対処法を紹介します。
「給料が安い(低い)」の定義とは?
「給料が安い(低い)」とは、どういう状態を指すのでしょうか?
2つのパターンをまとめてみました。
- 正当な報酬をもらえていない
- 世間一般(または業界)の平均年収よりも安い
1つめは、自分が出してきた結果に対して、正当な報酬をもらえていない状態。
2つめは、今の給料が世間一般の平均年収よりも安い状態ですね。
1つめは会社の評価基準や報酬体系に問題がありそうですが、2つめは世間一般と比較した結果です。
では、世間一般の賃金水準はどんな感じなのでしょうか?
世間一般の賃金水準
次に、世間一般の賃金水準を客観的に見ていきます。
まずは自分の給料が本当に安いのか、実はそうでもないのかをハッキリさせましょう。
ここでは厚生労働省が毎年行っている「賃金構造基本統計調査」のデータを参考にしますね。
この調査は、全国の企業(49,783事業所)を対象に行われたものです。
平均給与は男女計で30.4万円/月
厚生労働省が一般労働者の賃金を集計したところ、次のような平均値になったそうです。
賃金は、男女計304.0千円(年齢42.2歳、勤続11.9年)、男性335.2千円(年齢43.0歳、勤続13.3年)、女性244.6千円(年齢40.7歳、勤続9.3年)となっている。
男女で賃金格差はありますが、平均すると「30.4万円/月」になるようですね。
年収に換算すると360万円、ボーナスも含めると400万円〜450万円くらいになるでしょうか。
平均賃金は性別・年齢によって異なる
ここまでは全体の平均賃金を見てきましたが、次は詳細を見ていきましょう。
平均賃金は、性別と年齢によっても異なるようです。
*男性
- 20歳〜24歳:20.91万円
- 25歳〜29歳:24.58万円
- 30歳〜34歳:28.69万円
- 35歳〜39歳:32.38万円
- 40歳〜44歳:36.07万円
- 45歳〜49歳:40.13万円
- 50歳〜54歳:42.57万円
- 55歳〜59歳:41.18万円
- 60歳〜64歳:29.13万円
- 65歳〜69歳:27.07万円
*女性
- 20歳〜24歳:19.95万円
- 25歳〜29歳:22.51万円
- 30歳〜34歳:24.34万円
- 35歳〜39歳:25.36万円
- 40歳〜44歳:26.14万円
- 45歳〜49歳:26.80万円
- 50歳〜54歳:26.95万円
- 55歳〜59歳:25.96万円
- 60歳〜64歳:21.82万円
- 65歳〜69歳:21.21万円
たとえばぼくはこの記事を書いている時点で36歳ですから、男性の「35歳〜39歳」に該当します。
したがって平均賃金は「32.38万円」になるようですね。
やはり年収に換算すると400万円弱、ボーナスもいれると450万円〜500万円くらいになるでしょうか。
平均賃金は学歴によっても異なる
もう少し詳細に見ていきましょう。
平均賃金は学歴によっても異なるようです。
学歴別に賃金をみると、男性では、大学・大学院卒が399.7千円、高専・短大卒が306.3千円、高校卒が288.1千円となっている。
一方、女性では、大学・大学院卒が288.7千円、高専・短大卒が255.6千円、高校卒が208.3千円となっている。
「学歴なんか関係ない」とは言いますが、やはり学歴による賃金格差はまだまだあるんですね。
とくに男性は「大学・大学院卒(39.97万円)」と「高専・短大卒(30.63万円)」ですでに大きな格差がありますが、それが「高校卒(28.81千円)」になると大卒に比べて10万円以上の開きがあります。
女性の学歴格差もなかなか顕著ですね。
さて、ご自分の給料は平均賃金よりも安かったでしょうか?
それとも意外にもらっていたでしょうか?
給料が安いときの対処法
では、給料が安いときの対処法を紹介しますね。
もっと評価してもらえるように仕事を頑張る
給料が安いときにまず考えたいのは、より仕事を頑張ることです。
たとえ不当な評価を受けていようとも、報酬体系に問題があろうとも、「今の給料が自分の評価なんだ」と受け止めて仕事を頑張るということですね。
「給料が安い=評価されていない」という事実を認めるのはつらいことですが、ぼくの経験上、このように考えられる人は必ず伸びます。
ただ、ブラック企業と呼ばれる会社では、そのような真摯な姿勢につけ込まれる場合もあるようなので、注意してくださいね。
正当な実績があるなら、会社と交渉する
正当な実績があるにも関わらず給料が安いなら、会社と交渉するのも選択肢の1つです。
ただし、「がんばりました」とか「残業をたくさんしました」ではなく、次のような明確な結果(数字)を提示することが大切です。
- 売上
- 粗利益
- 年間コストダウン額
- 新規顧客獲得件数(または率)
- プロジェクトの成果
- 前年対比の成長率
つまり「どれだけ会社に貢献したか」を数字で提示するということですね。
勢いだけで上司や経営幹部を説得することはできませんが、誰の目にも明らかな数字があれば考慮してもらえる可能性があります。
労働組合の労使交渉に参加する
大企業に勤めているなら、労働組合の労使交渉に参加するのも良いでしょう。
給料が安いのは、そもそもの給与水準が低いせいかも。
そうなるとイチ社員がどれだけ会社と交渉しても、賃金アップの範囲はたかが知れています。
ですから、労使交渉によって賃金のベースアップを図ってください。
キャリアアップ転職をする
納得できる給料がもらえていないなら、キャリアアップ転職をするのもおすすめです。
つまりもっと給料の高い会社や業界に移籍するということですね。
転職をすれば、仕事の幅が広がり、経験が増え、うまくいけば年収もアップするでしょう。
ただし、転職をしたことで逆に年収がダウンするケースも往々にしてあるので、転職エージェントとよく相談してください。
転職を決断する前に見直したい項目は次の記事で。
副業で稼ぐ
給料が安いなら、プライベートな時間に副業をするのもおすすめ。
インターネットやスマホをフル活用すれば、自宅でも副業ができますよ。
具体例は次のとおり。
- オークションサイト・メルカリで不要品を売る
- クラウドソーシングサイトで仕事を探す
- 商品モニターで無料サンプルをもらう
- 治験モニターに参加する
- ネットで写真を販売する
- せどりの転売で稼ぐ
- 株式投資・FX
- アフィリエイト
副業がうまくいけば、会社の給料プラスアルファの収入をゲットできます。
ただし、就業規定で副業が禁止されている場合もありますので、よく確認しておきましょう。
副業については次の記事でも解説しています。
クラウドソーシングサイトを使ってWEBライターにチャレンジしたときの体験記は次の記事で。
給与が安いからといってやってはいけないこと
次に、給与が安いからといってやってはいけないことを紹介します。
「給料が安すぎる!!」という不満を漏らすのは自由ですが、それが態度に出るのは良くないですよね。
たとえば次のような行為です。
- 仕事の手を抜く
- 自分の給料を競合他社に言いふらす
- 転職をチラつかせて何度も賃金交渉をする
- あからさまに不満な態度を取る
不平不満がそのまま態度に出ると周囲からの信頼を失ってしまいますので、余計に給与がアップしないでしょう。
不遜な態度を肯定してくれる人もいるのかもしれませんが、見る人が見れば「嫌なら辞めればいいのでは?」の一言で一蹴されてしまいます。
会社に不満があるなら、次の記事を参考にしてください。
そもそもの平均年収が低い会社もある
実は、そもそもの平均年収が低い会社も存在します。
ですからたくさん給料が欲しいなら、そのような企業への入社は避けることが大切。
ちなみに「会社四季報」のデータによると、上場企業であっても平均年収が400万円を下回る会社が222社あり、300万円を下回る会社が9社もあるそうです。
平均年収の低い会社をまとめてみました。
平均年収の高くない会社
- ワースト1位:デジタルデザイン(212万円)
- ワースト2位:プレステージ・インターナショナル(246万円)
- ワースト3位:トスネット(252万円)
- ワースト4位:倉元製作所(274万円)
- ワースト5位:北日本紡績(276万円)
- ワースト6位:アクサスホールディングス(283万円)
- ワースト7位:ショクブン(284万円)
- ワースト8位:キャリアバンク(288万円)
- ワースト9位:バナーズ(297万円)
- ワースト10位:クレアホールディングス(300万円)
引用元:東洋経済オンライン
上記はあくまでも平均年収のデータであり、会社の良し悪しではありません。
ですから、給与以外の「やりがい」や「仕事内容」にモチベーションを見出だせるなら、十分に検討対象に入るでしょう。
「うわっ…私の年収、低すぎ…?」と思ったらすぐに行動を!
「うわっ…私の年収、低すぎ…?」という転職会社の広告が話題になりました。
このキャッチコピーほど、転職を考え始めた人の心境にあてはまるものはありませんよね。
お金が全てではありませんが、収入は良いに越したことはありませんし、仕事の成果が報酬に直結したほうがいいのは間違いありません。
最後に、給料が安い原因をまとめてみます。
- 自分の実力(スキル)に問題がある
- 会社の業績が悪い
- 会社の報酬体系(評価基準)に問題がある
給料が安い原因は大きくこの3点ですから、まずは今の現状を分析してみましょう。
現状把握ができたら、すぐに行動を!
ミラクリから一言
お金は全てではないが、お金も大切。