失敗をしたら、めちゃくちゃ落ち込みますよね。
その失敗が大きければ大きいほど、しばらく引きずってしまうでしょう。
「失敗は成功のもとだから」と励まされても、後悔の念がぬぐえない。
そうこうしているうちに、失敗の傷がトラウマになり、コンプレックスにもなってしまうのです。
過去の失敗を乗り越える方法なんて、本当に存在するのでしょうか?
挫折によって自信を喪失したときは、どのように対処すれば良いのでしょうか?
今回は失敗を乗り越える方法と、挫折から前進するための考え方を紹介します。
失敗とはなにか?
失敗の定義は人によって異なりますが、およそ次の2つにまとめられるでしょう。
- 自分の思い通りの結果が得られなかったこと
- 他人の期待に応えられなかったこと
自分自身もしくは相手の思惑から外れてしまうことですね。
期待した成果が得られなかったとき、人は絶望し、落ち込んでしまうのです。
具体例としては、次のようなものが挙げられるでしょう。
- 試合に負けた
- 新しい営業先を獲得できなかった
- 売上予算の未達
- 起業した会社を倒産させた
- 恋人を怒らせてしまった
- 友人の信頼を裏切ってしまった
失敗・挫折したときに生まれる感情
失敗や挫折をしたときに生まれる感情は、次のようなものです。
- 絶望
- 不安
- 心配
- 後悔
- 恥ずかしさ
- 怒り
- 憂鬱
- 自信喪失
- 自己嫌悪
- 自己否定
上記の感情が複雑にからみあい、長く引きずっているうちにトラウマやコンプレックスが生まれてしまうのです。
また、心に深い傷を負ったことで、うつ病になる人もいます。
ぼく自身も失敗をくり返したことでストレスを溜め、2013年にうつ病を患ってしまいました。
できればうつ病なんて経験したくないですよね。
すぐに挫折感を払拭するのは難しくても、少しずつ前向きに考えることならできるはず。
失敗に対するネガティブな感情を、少しずつポジティブに変換していきましょう。
失敗を前向きに捉えるための具体的な方法
「失敗なんか気にするな」と言われても、気になるものは気になりますよね。
いくらポジティブになろうとしても、今まで培ってきた性格はそう簡単に変えられません。
ですから、いくつかの具体的な方法を実践し、失敗を前向きに捉えていきましょう。
失敗は「受け入れるもの」だと理解する
「失敗を乗り越える」という言葉には、「失敗を忘れる」「記憶から消去する」というイメージがありますよね。
ですが、失敗は受け入れるものです。
もっと言えば、「上手に付き合っていくもの」ですね。
失敗は失敗として受け止め、恥をかいたことも、落ち込んだことも認めつつ、前を向くのが「乗り越える」ということではないでしょうか。
100%成功する仕事はありませんし、ミスをしない人間もいません。
ですから、人生に失敗はつきものだと考え、受け入れる心構えを作りましょう。
失敗した自分を褒める
失敗した自分をどんどん褒めてください。
子供の頃から失敗を責められてきた人は、「失敗=悪いこと」だとインプットされていますが、それは一面的な見方でしかありません。
以下のような名言からも、失敗には必ず前向きな要素があることがわかるでしょう。
- 失敗はチャレンジした証拠
- 失敗したからこそ改善策に気づけた
- 「こうすれば失敗する」を発見しただけだ
- No pain,No gain(苦労なくして得られるものはない)
- ミスやトラブルは人生の栄養でしかない
- 失敗のリスクがあるからこそワクワクする
突き詰めて考えれば、失敗やミスにも前向きな要素が必ずあるのです。
失敗の原因を明確にする
失敗したときは、その原因を明確にしましょう。
失敗にまつわる不安は、原因がわからないからこそ長引くのです。
人間関係の失敗には必ず伏線があるものですし、仕事のミスには複数の原因があるでしょう。
原因と対策がハッキリすれば、次への希望が持てます。
失敗をノートに書き出し、前向きな要素を見つける
失敗を分析するなら、頭の中でもやもや悩むのではなく、ノートに書き出してみましょう。
そして、失敗の前向きな要素を見つけ出し、ポジティブな経験に書き換えてしまうのです。
具体的には、次のようなことです。
- あのときミスをしたから、大クレームを防げた
- 取引先からのクレームのお陰で、対応スキルが向上した
- 見積に失敗したことで、コストダウン案を考えついた
- プロジェクトを外されたから、もう1つの事業に専念できた
- 評価が下がったお陰で、期待から解放された
ぼくにも経験があるからわかりますが、失敗の直後は絶望的な気分になりますよね。
でも、冷静になれば前向きな要素が必ずあります。
気持ちが落ち着いたタイミングで、ぜひ「書きだすこと」にチャレンジしてみてください。
ネガティブな感情を払拭したいときは、モーニングノートという方法も効果的ですよ。
以下の記事で解説しています。
失敗談を笑いながら人に話してみる
失敗談を人に面白おかしく話せるようになったら、もう乗り越えた証拠ですよね。
本当に辛いときは、人に言うのが恥ずかしくなるものですから。
逆に言うと、できるだけ早く人に話してしまったほうが失敗を消化できるということです。
最初は自虐でも、強がりでも、痛々しくても構いませんから、信頼できる人に話してみましょう。
ぼくの友人に、どんな大きな失敗でも笑って話す男性がいます。
彼が経営する会社が3,000万円もの損失をだしたときも、「いい教訓だよ」と明るく話していました。
資金が潤沢だから心配ないのだろうと思っていましたが、後から聞くと、実は相当たいへんだったようです。
その大変さを感じさせず、人に笑って話せる心意気がすばらしいですね。
うまく人のせいにする
失敗はうまく人のせいにしましょう。
今は「自己責任」の考え方が主流の社会ですから、人のせいにすることには抵抗があるかもしれません。
高い意識をお持ちの方ほど、「誰かのせいにする人は成長できない」と考えるでしょう。
でも、思い詰めて考えすぎた結果、うつ病になったり、自らの命を絶つようなことになるくらいなら、人のせいにしたほうがよっぽどマシです。
しかも、よくよく考えてみたら「100%自分の責任」なんてことはありえません。
失敗したのは自分だったとしても、指示が曖昧だったり、ゴールがあやふやだった場合があると思います。
ですから、「ここは自分の責任だけど、あそこは人の責任」と切り分けて考えてください。
楽観的くらいがちょうど良いのです。
他人の失敗から学ぶ(読書をする)
失敗を乗り越えるためには、他人の失敗から学ぶのも効果的です。
たとえば知り合いの失敗談に勇気づけられることもあるでしょうが、読書はもっと効果的ですよ。
歴史的な偉人や有名な経営者は、失敗したときに何を考え、どう対処したのか。
スケールの大きい失敗について学べたら、いま悩んでいることが小さく思えるはずです。
読書の効果については以下の記事をご覧ください。
名言・格言で自分を奮いたたせる
ぼくは失敗したとき、ユニクロの経営者である「柳井正氏」の言葉をいつも思い出します。
100%成功するなんてありえない。
だからこそ早く失敗して、早く修正することが大切。
ビジネスの世界では「一勝九敗」がいいところです。
上記は、柳井正氏がカンブリア宮殿で発言したことの要約です。
やはり成果を出す人ほど、失敗に落ち込むことなく、次へと向かっているんですね。
また、メジャーリーグで活躍する「イチロー選手」は、2013年に日米通算4,000本安打を達成したとき、次のような言葉を残しています。
こういうときに思うのは、別にいい結果を生んできたことを誇れる自分ではない。
誇れることがあるとすると、4,000のヒットを打つには、僕の数字で言うと、8,000回以上は悔しい思いをしてきているんですよね。
それと常に自分なりに向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかと思いますね。
8,000回以上も反省し、地道に努力してきたからこそ今があるのだと。
1回や2回の失敗で落ち込んでいる場合じゃありませんね…。
運動を習慣にする
考え方自体を前向きにするためには、運動も効果的です。
運動することでポジティブになれるのは、気分がスッキリすることだけが原因ではありません。
運動はたしかにストレス解消にもなりますが、脳内麻薬と言われる「βエンドルフィン」や、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」を分泌させることにもつながるのです。
この2つの神経伝達物質は、前向きなあり方にも強く影響します。
逆に言うと、ネガティブになりがちなときは運動不足なのかもしれません。
ひと駅前で下車して歩く、またはウォーキングをするなど、軽いもので構いませんから運動を習慣化しましょう。
その他、ランニング、ウェイトトレーニング、ヨガ、ストレッチといった運動も有効です。
失敗を恐れるのは「批判される人の見すぎ」が原因
失敗を経験したあとは、チャレンジすることが怖くなりますよね。
また失敗するんじゃないか… また恥をかくんじゃないか…と。
そんなことを考えているうちに、挑戦すること自体に恐怖を感じてしまうでしょう。
ぼくが思うに、失敗を恐れるのは「批判される人の見すぎ」も原因の1つです。
現代はいつでも、どこでも、誰とでもつながれる「ネット社会」ですよね。
以前までは芸能人や著名人は憧れの対象でしたが、今は些細なことで社会全体から叩かれるようになりました。
企業の経営者であっても、何らかの不祥事が発覚したら、見ず知らずの人たちから批判され、炎上状態に。
SNSを通して叩かれる人を見ているうちに、「いつか自分もこうなるのかも…」といった不安がインプットされてしまうのです。
ネット社会だからこそ、「人は人、自分は自分」のスタンスを大切にして、やるべきことに集中していきましょう。
SNSで消耗したときは、次の記事を参考にしてくださいね。
失敗を気合いで乗り越えるのは困難
ぼくの経験からも思いますが、過去の失敗は、気合いで乗り越えようとすればするほど深みにハマりますよね。
あれだけ悩んだのに、また自己嫌悪がはじまり、自己否定も再発し、余計に心の傷が深くなってしまうのです。
失敗はうまく付き合っていくものだということを念頭に置き、一喜一憂しないようにしましょう。
大丈夫です。
1つの失敗くらいで、あなたの価値が毀損されたりはしませんから。
元気でいれば、信頼を取り戻すチャンスは必ずありますよ。
誰からも褒めてもらえず、ダメ出しが続いたときは、折れないように自分を褒めてあげる。時間通りに起きた、納期に間に合った、ちゃんと食事ができた、苦手なあの人に挨拶できた、特別なことじゃなくても、日常に合格点はたくさんある。たった一回のミスで全てを帳消しにしなくていいのだ。
— 小林敏徳 (@enrique5581) July 8, 2016
ミラクリから一言
失敗したときこそ自己肯定! 無理やりにでも!