株式会社や合同会社を設立せず、個人で事業を営む人のことを「個人事業主」と呼びます。
ときには「自営業者」と呼ばれることもありますが、最近では「フリーランス」という呼称もあるようです。
その他に「フリー」や「フリーランサー」とも呼ばれますので、混乱してしまいますよね。
ある企業が行った調査によると、すでに日本のフリーランス人口は1,000万人を超えているのだとか。
この比率は今後ますます増えることが予想されますので、決して他人事ではありません。
今回は、フリーランスとは何か?について解説します。
個人事業主との違いは、どうやら職種にあるようです。
フリーランスと個人事業主の違いは「職種」にあり
フリーランスと個人事業主の違いは、職種にあります。
フリーランスであっても、個人事業主であっても、税務上の所得区分は、いずれも「個人事業主」です。
つまり税務署から見れば、両者は同じ「個人事業主」だということですね。
ちょっとややこしいかもしれませんが、フリーランスはあくまでも一般名称であり、公的機関が認めた名称ではありません。
では、フリーランスと個人事業主の職種は、どう違うのでしょうか?
フリーランスとは?
フリーランス(Freelance)とは、特定の企業や団体、組織には属さず、社会に技能を提供する人のことです。
会社組織と雇用契約を結んでいる会社員や、派遣会社と契約している派遣社員とは異なる働き方ですね。
ちなみにフリーランスは、「フリー」とか、「フリーランサー」とも呼ばれています。
また、フリーランスは、一般的に成果物を生み出せる職種を指します。
つまり自宅やカフェで仕事ができるようなクリエイティブ系の職種ですね。
ただし前述したように、税務上の所得区分は「個人事業主」です。
スキルをお金に換えるワークスタイル
フリーランスとは、特殊なスキルを社会に提供する人です。
会社員であれば、決まった時間に決まった仕事をしていれば固定給をもらえますが、フリーランスはそうではありません。
案件ごとに企業と契約し、原稿やイラストなどの成果物を納品することで、報酬を得られます。
スキルをお金に換えるワークスタイルと言えるでしょう。
ぼくも「ライター業でいくら稼げるのか?」にチャレンジしてみました。
日本のフリーランス人口は1,000万人超
クラウドソーシングサービスのランサーズが2016年に行った調査によると、日本におけるフリーランス人口は、すでに1,000万人を超えているそうです。
ちなみに次の調査は、20歳〜69歳の男女、3,000人を対象に行われました。
広義のフリーランスは1,064万人(労働力人口の16%)。
副業系すきまワーカー、複業系パラレルワーカー、自由業系フリーワーカー、自営業系オーナーの4タイプのうち、特に複業系パラレルワーカーが3倍近くに急増中。
引用元:ランサーズ
どうやら副業としてフリーランスにチャレンジする人も多いようですね。
以前のような年功序列型の昇給を約束できなくなった企業が、副業をOKにしているのでしょう。
就業規則に問題がなければ、在宅ワークの副業にチャレンジするのもありだと思います。
フリーランスに多い職種
フリーランスに多い職種は、次のようなものです。
- プログラマー
- グラフィック・デザイナー
- Webデザイナー
- 作家
- ライター・編集者
- コーディネーター
- プランナー
- コンサルタント
- カメラマン
- イラストレーター
- 芸能人・モデル
- お笑い芸人
やはりクリエイティブ系の仕事が多いですよね。
意外かもしれませんが、芸能人やモデル、お笑い芸人たちも実はフリーランスです。
収入が増えた段階で、節税のために法人化する人も多いですが、最初はフリーランスからスタートするのが一般的です。
個人事業主とは?
次に、個人事業主について解説しますね。
個人事業主とは、税務上の所得区分であり、株式会社などの法人を設立せず、個人で事業を営んでいる人のことです。
ちなみに法人を設立している場合は、売上を法人の事業所得として申告しますが、個人事業主は個人の事業所得として申告します。
個人事業主に多い職種
個人事業主に多い職種は、店舗や事務所を必要とするもの。
たとえば次のような職種です。
- ラーメン屋、カフェ、バーなどの飲食店
- 料理、ピアノなどのスクール
- 美容師
- 洋服店、八百屋、肉屋などの小売業
- 整骨院、接骨院、マッサージ店
- 弁護士・税理士・会計士(士業)
- 洋服、小物などのネット通販
自宅やカフェで仕事ができるフリーランスとは対照的に、個人事業主は店舗や事務所を必要とする仕事です。
「洋服、小物などのネット通販」に関しては、商店街の店舗を保有しているわけではありませんが、インターネット上に店舗を持っていることには変わりありません。
総称して「自営業者」ともいう
フリーランスや個人事業主を総称して、自営業者とも言います。
自営業者とは、その名の通り、個人で事業を営んでいる人のことです。
何らかのサービスに申し込むとき、職業欄に「会社員、自営業、その他」のいずれかを記入しますよね。
フリーランスや個人事業主になったら、「自営業」に丸をしましょう。
呼び名は多種多様
フリーランス、個人事業主、自営業者。
ここまで紹介しただけでも3つのネーミングがありましたが、実はもっと多種多様な呼び名があります。
たとえば次のようなものです。
- 在宅ワーカー
- ノマドワーカー
- パラレルワーカー
- SOHO
上記のような呼び名が使われる場合、細かい定義は異なりますが、フリーランスや個人事業主のことを指しているのは間違いありません。
フリーランス・個人事業主になるために必要な手続きとは?
職種がフリーランス系であっても、個人事業主系であっても、「個人事業主」として開業するのは同じです。
個人事業主になるためには、まず屋号(事業者名)を決めてから、税務署に「開業届」を提出してください。
ちなみに個人事業主の確定申告は、青色申告と白色申告にわかれますが、青色申告のほうが税務上有利です。
青色申告には、赤字を繰り越せたり、65万円の特別控除を受けられるメリットがありますので、開業届と一緒に「所得税の青色申告承認申請書」を提出しておきましょう。
アメリカでは「2020年に労働人口の半分がフリーランスになる」と予測
日本のフリーランス人口は、労働力人口の16%にあたる1,064万人でした。
ですが、自由なワークスタイルの追求が進んでいるアメリカでは、次のように予測されているそうです。
米国のフリーランスは2014年が5,300万人、2015年は5,370万人だったので、3年連続増加したことになる。
そして、東京オリンピックが開催される2020年には、米国のフリーランスは労働人口の50%を占めるようになるという予測もある。
引用元:NewSphere
なんと労働人口の50%がフリーランスになると予測しているそうです。
しかもそれは20〜30年後の話ではなく、2020年ですからね。
会社組織に雇われない、新しい働き方に要注目
地道な会社員でもなく、大きく狙う起業家でもなく、やりたいことや好きなことを追求するフリーランスに。
ワークスタイルの多様化は、今後もますます加速しそうです。
今まではとりあえず就職活動をして、大学卒業後に就職するのが一般的でした。
その後、何年か経験を積んだ時点で転職するか、そのまま同じ会社で働き続けるか、独立するかにわかれましたが、これからは大学卒業後すぐに独立する人も増えるでしょう。
また、インターネットで仕事を受発注できる今、「脱サラ=リスク」というイメージも払拭されると思います。
うつ病などの精神疾患を抱える人にもおすすめ
フリーランスや個人事業主は、うつ病などの精神疾患を抱える人にもおすすめです。
やはり通勤や会社組織の人間関係にまつわるストレスは、相当なものですからね。
実はぼくがフリーランスになったのも、2013年のうつ病がきっかけでした。
それまでの13年間は会社員でしたが、うつ病をきっかけに独立。
紆余曲折ありましたが、仕事量を調整でき、通勤のストレスもないフリーランスを今では気に入っています。
一度きりの人生ですから、思い切ってチャレンジするのも良いかもしれません。
収入への不安はありますが、可能性が広がりますからね!
フリーランスに関する記事はまだまだあります
将来が保証されていないフリーランスに、悩みはつきものですよね。
今まさに独立を検討している人もいるでしょう。
次の記事もぜひ参考にしてくださいね。
- フリーランスのメリット・デメリット
- 仕事がないときの対処法
- フリーランスの仕事探し
- フリーランスの仕事の断り方
- 売上ゼロになったフリーランスのリアル
- 独立1年目で失敗したこと
- うつ病をきっかけに独立した筆者の体験談:第一話、第二話、第三話
ミラクリから一言
自宅で仕事をするのは、楽しいものですよ。