「もう会社を辞めて、早く転職したい!」
そう考えているときは、焦って行動してしまいますよね。
その気持ちは痛いほどわかりますが、ちょっと待ってください。
転職という重要な決断を下す前に、いくつかの点を見直しておきましょう。
「人生は何度でもやり直しがきく」と言いますが、転職の失敗はキャリアのマイナスポイントになりかねません。
まずは冷静になり、退職理由や現在の状況、転職後のビジョンなどを整理してください。
今回は、早く転職したいと思ったときに見直すべきポイントを解説しますね。
約45%の人に失敗経験あり!転職に焦りは禁物
転職に焦りは禁物です。
マイナビが転職経験者500名に行ったアンケートによると、「転職に失敗した」と感じたことのある人は44.5%にのぼるのだとか。
その思うに至った理由は、「収入が減った」「人間関係がむずかしい」「聞いていた話と違う」などがあげられるそうです。
転職成功率は五分五分といったところですが、少しでもその確率を上げるために慎重に行動したいですよね。
不平不満があるからといって勢いで会社を辞めてしまうようなことがないように、まずは現状を分析してみましょう。
「早く転職したい」と思ったときに冷静に見直したい18項目
それでは、早く転職したいと思ったときに見直したいことを紹介しますね。
焦るあまり、見切り発車をして失敗しないように注意しましょう。
不平不満だけで転職しようとしていないか
まずは根本的なところから。
早く転職したいと思ったときは、本当にそう思っているのかをもう一度確認してください。
不平不満があるから会社を辞めたくなっているのではないか。
「仕事に行きたくない」という気持ちは、一時的な衝動ではないか。
それを冷静に見極めましょう。
仕事に行きたくないという状態を改善する方法もあるのですから。
人間関係やしがらみのストレスで自暴自棄になっていないか
会社の人間関係やしがらみのストレスで、自暴自棄になっていないでしょうか?
人間関係のストレスがあるときは、どうしても現実逃避をしたくなるものですからね。
全てを投げ出して、違う環境に行きたい。
会社の人たちの顔は、二度と見たくない。
そんな気持ちで転職しようとしているなら、もう一度冷静に考えてください。
職場の人間関係が嫌になったときの対処法は、次の記事で。
上司・部下・同僚・取引先との信頼関係はどうなのか
早く転職したいと思ったときは、上司、部下、同僚、取引先との信頼関係を見直してみましょう。
仕事のトラブルが続くと、みんなに失望されているような気がしますが、実はそうとも限りません。
関係者との関係性を洗い直し、何とか挽回できそうなら、今の環境で働き続けるのも選択肢の1つです。
転職したら人間関係がリセットされ、全てがイチからになりますからね。
人間関係のストレスの解消法は、次の記事で紹介していますよ。
社内で適切に評価されているのか
早く転職したいと思ったときは、社内で適切に評価されているかも確認しましょう。
納得できる評価基準は人によって様々ですが、およそ次の項目をチェックすれば会社からの評価がわかるはずです。
- 給料(年収)
- 役職(昇進)
- 担当業務
- 人事考課の結果
- 上司や経営幹部からの信頼
全てが高い水準である必要はありません。
自分自身が最も大切にしている基準において、どう評価されているのか。
たとえば年収は低くても、大切な仕事をたくさん任されているとか、客観的に見極めることが大切です。
転職に適した年齢か
早く転職したいと思ったときは、自身の年齢をもう一度確認しましょう。
あくまでも目安ですが、転職市場で求められるものを年齢別にまとめてみました。
- 新卒入社3年以内(第二新卒):転職しやすい年齢
- 20代後半〜30代前半:転職に適した年齢
- 30代後半〜40代前半:明確な実績を求められる年齢
- 40代後半〜:管理職のスキルを求められる年齢
年齢が上がれば上がるほど、求められるものが増えそうですね。
「転職は30歳までに」「30代がラストチャンス」など、転職市場にはいろんな説がありますが、年齢が上がるほど転職に不利になるのは事実。
行動するなら、早いほうがいいのは間違いありません。
転職回数が多すぎないか
早く転職したいと思ったときは、転職回数が多すぎないかもチェックしましょう。
転職する人は珍しくなくなりましたが、やはり転職回数の多い人はマイナス評価されますからね。
とくに20代ですでに3〜4回転職していると、企業から「根気のない人」と見なされてしまいます。
短期間で転職を繰り返しているような人は、ひとまず腰を据えて働いたほうが次の転職のためにも良いでしょう。
年収は同業他社に比べてどうなのか
早く転職したいと思ったときは、いまの年収を客観的に評価してみましょう。
最も手っ取り早いのは、同業他社の同年代と比べてみることです。
年収を教えてくれる人がいなくても、今はネットで調べればある程度はわかりますからね。
もしかすると「うわっ…私の年収、低すぎ…?」と思っていたのに、実は平均以上にもらっている可能性も。
逆に給料は高いほうだと思っていたのに、実は業界の平均以下だったという場合もあるでしょう。
とくに収入に関しては、主観的な評価に頼らないでください。
労働条件(残業、有給など)は同業他社に比べてどうなのか
早く転職したいと思ったときは、現職の労働条件の良し悪しについても調べてみましょう。
労働条件とは、具体的に次のようなものです。
- 勤務時間(拘束時間)
- 残業時間
- 有給休暇の日数
- 有給休暇の消化率
- 各種手当
- 福利厚生(保険、休暇、慰安旅行など)
- 出張の頻度
年収のときと同じく、同業他社と比較してみてください。
異業種の会社と比較しても参考になりませんが、同業他社なら比べやすいはずです。
もし労働条件が良くない、もしくは「ブラック企業」と呼ばれるような環境なら、新しい職場を探すのも良いでしょう。
過労働の恐ろしさについては、次の記事で。
役職は同世代に比べてどうなのか
役職は同世代の人と比べてどうでしょうか?
昇進スピードが早い、あるいは年功序列型など、企業風土は様々ですが、もし同世代に比べて出世が遅れているなら、会社の評価制度に問題があるのかもしれません。
もちろんコンスタントに結果を出していればの話ですよ。
会社に利益をもたらしているのに、それが適切に評価されないなら、評価してもらえる職場を探しましょう。
会社の業績は好調なのか、不調なのか
早く転職したいと思ったときは、会社の業績も確認してください。
今の会社の業績は好調なのか、それとも不調なのか。
もし業績が良ければ将来的にまだまだ伸びる可能性もありますが、逆に業績が悪ければ最悪の場合倒産することも。
キャリアの可能性が会社の業績に左右される場合もありますので、冷静にチェックしましょう。
経営理念(方針)に賛同できるのか、できないのか
経営者の理念に賛同できるでしょうか、それともできないでしょうか?
経営理念に賛同できるなら、たとえ今が大変でも乗り越えられる可能性があります。
経営者が打ち出すビジョンに夢を見出だせたら、それがモチベーションになりますからね。
「ウチの会社の経営理念なんかクソ食らえ」などと言うようであれば、早めに転職したほうがいいかもしれません。
異業種・他社でも通用するスキルはあるのか
異業種や他社でも通用するスキルはあるでしょうか?
たとえば次のようなスキルがあれば、転職市場で高く評価されるでしょう。
- 営業力
- 交渉力
- 有力企業の人脈
- コストダウン力(購買力)
- 海外展開のノウハウ
- 資金調達能力
- プレゼンテーション能力
- TOEICがほぼ満点
- スペイン語・中国語などの外国語力
- MBA
スキルとは、転職先に利益をもたらす武器のこと。
面接官に「この人を雇ったら業績があがるかもしれない」と思わせることが大切です。
逆に中途半端なスキルしかなければ、転職は思いとどまったほうがいいかもしれません。
転職市場、または自分の市場価値を理解しているか
転職市場や自分の市場価値を理解しているでしょうか?
いまの求人数は増えているのか、減っているのか。
企業はどんな人材を求めているのか。
自分の適正年収はいくらで、どんな企業にニーズがあるのか。
それを理解しないことには始まりません。
「俺を採用してくれる会社はいくらでもあるはずだ」と思っていたのに、蓋を開けてみれば年収ダウンのオファーばかり。
そのようなケースはたくさんありますので、まずは次のような転職エージェントを利用して転職市場をリサーチしましょう。
求人を閲覧するだけでも、1つ前に進めます。
転職によって叶えたいことを理解しているか
転職によって叶えたいことは何でしょうか?
とりあえず今の会社から逃げ出したいだけ?
それとも新しい職場でチャレンジしたいことがある?
会社に不満があるときは「とりあえず退職しよう」と思いがちですが、次のような目的意識を持っていなければ転職は成功しません。
- 年収アップ
- 通勤時間を減らしたい
- 残業のない会社で働きたい
- 出張を減らし、オフィスワークをしたい
- 人間関係がさっぱりしている会社に行きたい
- 異業種にチャレンジしたい
- 違う職種に挑戦したい
- 成果主義の企業で働きたい
- 安定した大企業で働きたい
目的意識があれば転職先の選び方も明確になりますので、成功率が高まります。
退職理由がネガティブではないか
退職理由がネガティブではないでしょうか?
誰しも多少なりとも不満を持って会社を辞めるものですが、それが全面に出てしまうと転職活動は困難になります。
なぜなら面接の際に、「会社が嫌で辞めたんだろうな」ということが言外に伝わってしまうからです。
いくらきれいな建前を並べても、それは誤魔化せません。
「会社に不満があるから」「上司が嫌いだから」という理由で退職を考えているなら、ポジティブな意味を見出だせるまで待ったほうがいいでしょう。
転職理由(志望動機)は明確なのか
転職理由(志望動機)は明確でしょうか?
面接官が重視するのは、コレです。
なぜ転職したいのでしょうか?
なぜ弊社を志望したのでしょうか?
そのような質問に対してうまく答えられなかったり、どこかで聞いたようなテンプレート的な答えしか用意できなければ、面接は通過できません。
転職理由は具体的に考えておきましょう。
転職の面接でアピールできる実績はあるのか
転職の面接でアピールできる実績はありますか?
残念ながら「◯◯のプロジェクトに関わりました」「◯◯の仕事をがんばりました」のようなものは、実績になりません。
「社長賞をもらいました」と誇らしげにアピールしても、「だから?」と言われてしまうでしょう。
転職市場でアピールできるのは、次のような実績です。
- 営業成績でトップになった
- 大人気商品を企画した
- 業界で話題になったイベントを立案した
- 有名企業の買収を成立させた
できれば業界内に噂が轟いているような実績が理想です。
入社後に即戦力になれるような人は、職務経歴書を見た時点で有力候補になりますが、大した実績がなければ書類審査で落ちてしまうかもしれません。
安定した環境を飛び出し、リスクを背負う覚悟はあるのか
最後に、転職に賭ける意気込みのところを。
転職というのは、安定した環境を捨て、新しい環境に飛び込むことです。
これは決して大げさではありません。
人間関係はイチからになりますし、年下の人が上司になる可能性もありますし、想像していた環境とは全く違うこともあり得ます。
そして、今まで培ってきたスキルが通用せず、まったく結果を出せないケースもあります。
そのようなリスクがあったとしても、転職をしたいのか。
失敗よりも成功を強くイメージできるのか。
それを今一度考えてみてください。
転職に成功する人の特徴と失敗する人の特徴は、次の記事で詳しく解説しています。
会社を辞めたいのに、辞められない理由
それでは次に、会社を辞めたいのに辞められない理由を紹介しますね。
「会社を辞める辞める詐欺」という言葉もありますが、退職をちらつかせる人ほど会社に残る傾向にありますよね。
逆に転職する人は、黙ってさっさと行動していきます。
では、なぜ会社を辞めたいのに辞められないのでしょうか?
その理由は主に次のとおりです。
- 家族に相談しづらい
- 上司に辞意を伝えられない
- 収入面が不安
- 責任ある立場を放り出せない
- 忙しすぎて転職活動をする時間がない
- 社内の人にバレたくない
- 大企業を離れられない
- 安定した公務員だから
- 会社のことは嫌いだが、辞めるほどではない
- やりたい仕事が分からない
人間関係や収入の不安があったり、責任のある仕事を任されていたり。
会社を辞められない理由は様々ですが、スパッと決断できる人のほうが稀だと思います。
転職経験者たちに聞いた、退職理由の本音と建前
それでは次に、転職経験者たちの声を聞いてみましょう。
ここでは転職サービスの「リクナビNEXT」が行った調査を紹介しますね。
この調査は転職経験者100名を対象に、「退職理由の本音と建前」について尋ねたものです。
本音の退職理由は経営者の考え方、労働時間など
まずは本音の退職理由から。
転職経験者100名に本当の退職理由を聞いたところ、次のような結果になったそうです。
退職理由の本音ランキング
- 1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)
- 2位:労働時間・環境が不満だった(14%)
- 3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)
- 4位:給与が低かった(12%)
- 5位:仕事内容が面白くなかった(9%)
- 6位:社長がワンマンだった(7%)
- 7位:社風が合わなかった(6%)
- 7位:会社の経営方針・経営状況が変化した(6%)
- 7位:キャリアアップしたかった(6%)
- 10位:昇進・評価が不満だった(4%)
引用元:リクナビNEXT
本音の退職理由の上位は、意外にも率直なものなんですね。
やはり「前の会社が嫌だった」というのが本音でしょうか。
建前の理由はキャリアアップ、仕事内容など
次に、建前の退職理由を紹介しますね。
転職経験者100名に面接で答えた退職理由を聞いたところ、次のような結果になったそうです。
退職理由のタテマエランキング
- 1位:キャリアアップしたかった(38%)
- 2位:仕事内容が面白くなかった(17%)
- 3位:労働時間・環境が不満だった(11%)
- 3位:会社の経営方針・経営状況が変化した(11%)
- 5位:給与が低かった(7%)
- 6位:雇用形態に満足できなかった(4%)
- 6位:勤務地が遠かった(4%)
- 6位:仕事に対する責任がなく物足りなかった(4%)
- 9位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(2%)
- 9位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(2%)
引用元:リクナビNEXT
本音の退職理由の1位は「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」だったのに、建前の1位は「キャリアアップしたかった」になっていますね。
物は言いようだな…。
逆にいうと正直に言いすぎず、退職理由をポジティブに変換できた人が面接に通過するのでしょうね。
「逃げ出し転職」で失敗しないように慎重に行動を!
不平不満があるからといって、とりあえず会社を飛び出してしまう。
そのような「逃げ出し転職」のほとんどは、失敗します。
転職に成功する人は、転職市場を慎重にリサーチし、条件に合った会社をじっくり探し、入念に面接の準備をしているからです。
転職は人生における重要な決断ですから、必ず成功させたいですよね。
ぜひ次の記事も参考にしてください!
ミラクリから一言
転職活動は慎重に、そして大胆に!