ぼくは2013年の12月にうつ病を発症して、休養のために年末で会社を退職しました。それまでは深く考えこんだり、悩むことなど無縁だったのに、マイペースな性格がウソのように鬱症状に苦しんだのです。
いま考えてみれば、鬱を自覚する前から身体的、精神的なサインがありましたが、メンタルヘルスへの理解が不十分だったために放置してしまい、結果的に治療が必要なほど悪化させてしまったことを後悔しています。しかしいま精神的な不調を抱えている人や、これからうつ病と戦っていく人たちに、少しでも体験談を伝えたいと考えています。
うつ病を患った時期に、ぼくが実際に感じていたストレスを8個紹介します。
鬱の専門家が教えるストレス4項目
まず、うつ病のメンタルケアを専門とする医師サイトを調べてみると、うつ病の原因となるストレスは大きく4つに分類されるそうです。
精神的ストレス
人間関係、環境、トラブルなどが原因で「辛い…苦しい…嫌だ…」と感じてしまうのが精神的ストレスです。単純に仕事が嫌だ、会社に行きたくない、上司が怖いなど、メンタルに負荷をかけてしまうもの全てが該当し、このストレスを放置しておくと、うつ病が余計に悪化してしまうそうです。
構造的ストレス
頭蓋骨、背骨、骨盤、あご、筋肉など、体のゆがみが原因となるのが構造的ストレスです。体がゆがむと疲れやすくなったり、筋肉や関節を痛めることになりやすく、脳にもストレスが伝わってしまうのです。無意識のうちに脳にプレッシャーがかかり、ストレスが蓄積されていくのです。
化学的ストレス
栄養不足、つまり主に食事のバランスと密接なのが化学的ストレスです。体に必要な栄養素が不足したり、頭と精神に必要な成分が枯渇すると、心身のバランスを崩してしまいます。偏った食事であることは、うつ病を発症させる可能性を高めてしまうのです。
温度と湿度のストレス
暑すぎる、寒すぎる、湿気が多いなど、気候に起因するのが温度と湿度のストレスです。やはり真夏は暑くてイライラしたり、真冬は寒くて憂鬱な気分になるなど、自分でも気づかないうちに環境によるストレスにさらされています。適度な気候ですごすための努力も必要になってきますね。
環境と生活習慣を改善しなければ、うつ病の克服はできない
ぼくは今となってはうつ病が回復して、フリーランスとして独立し、毎日楽しく働いています。これが鬱病(うつ)だ!14個の症状をチェックして早期治療を。という記事でぼくが体験した鬱症状を紹介しましたが、今となっては動悸の激しさ、極度の緊張、手足の震え、偏頭痛、寝不足などのつらい症状は一切ありません。
うつ病を患った当時は、今ほどメンタルヘルスの知識はありませんでしたが、抗うつ剤(薬)だけに頼らずに、仕事を辞めて、3年ほど住んでいた土地から引っ越し、生活習慣と人間関係を変えたことが、回復に大きな影響を与えました。
休養で精神を休めて、気持ちの充電をすることも大切ですが、それよりもうつ病の原因となった環境と生活習慣を変えることが克服につながるのだと今では信じています。
それでは、ぼくが鬱になるときに感じていたストレスを8個紹介します。
環境要因
仕事が多忙だった
その時期は仕事が多忙でした。当時勤めていたのは中小企業ですから、一人で仕事を何役もこなす状態が続いており、イレギュラーなトラブルを引き起こすと、ただでさえ忙しい自分の首を締めてしまいます。オフィスで働く時間はそれほど長くはありませんでしたが、帰宅してからも仕事をするなど、気持ちが休まらない日々が続いたのです。
心と体を休める時間をとっていなかったのです。
仕事で大きなトラブルを抱えた
多忙だった原因には、この時期に多発したトラブルがありました。いくつかの新規事業を手がけていたこともあり、予期せぬクレームやトラブルによって時間を奪われ、不安や心配でビクビクする日が続きました。切り替えが上手な性格であれば良かったのですが、ぼくは一度固執すると切り替えができないタイプでした。
不安が心に過剰なストレスを与えたのだと思います。
人間関係のストレス
仕事をしていると、人間関係がうまくいかない時期がありますが、この時期はまさにそうでした。仕事のトラブルによって消極的になることで、自分でも気づかないうちに保身に走ってしまうことがあり、人間関係を悪化させてしまいました。
人間関係がこじれると仕事も余計にうまくいかないという負のスパイラルにハマったのです。
温度・湿度によるストレス(真冬)
ぼくがメンタルクリニックの医師から「典型的なうつ病です」と宣告されたのは12月でした。11月ぐらいから徐々に変調を感じていたので、体で感じる真冬の寒さが、知らないうちに心を蝕んでいたのだと思います。どちらかと言えば夏よりも冬が好きな方ですが、この時期はあらゆるストレスが重なってマイナスになってしまったようです。
暑さ、寒さ、湿度への対策をしておくが必要であることも学びました。
身体的要因
運動不足
仕事が忙しくて疲れてしまうことを理由に、運動不足な日々が続きました。加えて当時の会社は自宅からも近く、通勤時ですら体を動かす時間が短かったため、慢性的な運動不足になってしまいました。今になって思えば、疲れたときこそ筋肉をほぐすための運動をするべきだったと後悔しています。
筋肉と心のバランスはかなり密接です。
食事が偏っていた
身体的・精神的にバランスを崩したときは、外食が増えていました。ぼくはもともと外食を頻繁にするタイプではありませんが、この時期はワークスタイル的にランチを外で食べることが増えていたのです。結果的に栄養のバランスが崩れて、それが心にも大きな悪影響を与えました。
徹底した食事管理・栄養管理は心の安定のために大切です。
睡眠不足が続いた
仕事が忙しかったことで心がざわつき、さらに大きなトラブルをいくつも抱えていたことで、睡眠不足にも陥りました。なかなか寝付けない…眠りが浅い…そんなショートスリーパーな日々を続けることによって、いつもネガティブ(後ろ向き)な思考に支配されてしまうことになったのです。
ポジティブ(前向き)であるためには十分な睡眠が必要です。
疲れた心と体のケアを怠った
そしてしっかりと休む時間をとっていませんでした。不安や恐怖を感じるようになると、会社が休みの週末ですら仕事について悩み続けたり、いま考えてもしょうがないことに頭を悩ませるようになりました。今考えてみれば家族にとってもいい迷惑ですし、「上手に切り替えたらいいのに…」と思うのですが、当時はどうしてもそれができなかったのです。
心と体にも充電する時間が必要です。
うつ病の原因を見つけて、早めの予防と対策を!
今では日本人の100人に3〜7人がうつ病経験者であると言われていますので、決して他人ごとではありません。そしてこの記事にたどり着くということは、あなたも精神や身体のどこかに不調を抱えて、「これってもしかしてうつ病?」という状況かもしれません。
何らかのストレスを抱えている場合は、家族、友達、上司、同僚の理解と協力をしてもらいながら、ぜひ早めの対処をしてください。いま自分が不調であることを人に伝えるのが恥ずかしくても、そのまま放置して悪化するほうがよっぽど大変ですから、これはぼくの体験談です。
そしていま「仕事で嫌だ…」「会社が辛い…」「上司、部下とうまくいかない…」などと悩んでいるのであれば、転職して環境を変えることも対策の1つです。
前述したように、精神的なストレスはうつ病を発症させる可能性があるからです。
転職サービスを利用して適職を見つけることができれば、気持ちが楽になるかもしれません。
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ストレスを診断するチェックリストは以下の記事で。
ミラクリから一言
ストレスは自覚しにくい正体不明の敵なのでご注意を!