「社会人としての常識がなっていない!」
先輩や上司から、そんな怒られ方をすることがありますよね。
とりあえず至らない自分を反省するものの、「常識ってなに?」という疑問が残ります。
たしかに一般常識を覚えておくに越したことはありませんが、厳密には知っておきたいマナーと、従う必要のない押し付けにわかれます。
今回は、社会人としての一般常識について解説しますね。
ちなみにこの記事は、これから社会人になる方、「常識がない」と言われて悩んでいる方におすすめです。
「常識がない」と叱られ続けた過去
まずはじめに個人的なお話ですが、ぼくは「常識がない」と叱られたことが何度もあります。
叱ってくれた方は、上司、先輩、取引先の担当者など。
わざわざお小言を言ってくださるのはありがたいと思いつつ、いつも「常識ってなんだろう?」という疑問がつきまといました。
そして、社会人生活が長くなるにつれて、常識をうまく「分類」できるようになったのです。
社会人としての一般常識にも3種類ある
どうやら社会人としての一般常識は、大きく3種類にわかれるようです。
具体的には、次のとおりです。
- 社会人としてのマナー:知っておくべきもの
- 経験から導き出された答え:うまく取り入れたいもの
- 単なる押し付け:従わなくていいもの
それぞれの違いについて説明しますね。
社会人としてのマナー
「社会人としてのマナー」は、いわゆる名刺交換などのビジネスマナーや、食事の作法のことを言います。
たとえば営業マンとして働くなら、名刺交換は頻繁にするでしょうし、会食もあるでしょう。
そんなときに相手の名刺を乱雑に扱ったり、下品な食べ方をしていたら、お客さんが離れてしまいますよね。
内勤の仕事であっても、社内の人と良好な人間関係を築くためには、最低限のマナーが必要です。
経験から導き出された答え
「先輩の経験から導き出された答え」は、上司や先輩から教えられる仕事の格言です。
わかりやすいところで言うと、「商談相手よりも先に現地入りするのが鉄則」のようなものですね。
「俺も先輩からそう教えられた」や、「俺はこれで結果を出してきた」という体験にもとづくものが多いです。
名言や格言のなかには、失礼ながら古臭いやり方や時代錯誤の考え方もありますが、現代に生かせるエッセンスもあるでしょう。
先輩の教えの本質を抜き取り、自分流にアレンジすることが大切です。
単なる押し付け
「単なる押し付け」は、諸先輩方の思い込みですね。
たとえば「若いときは安い給料で下積みするべき」という根拠のない言説です。
意味不明な常識を若手に強要する人は、おそらく自分が若手のときも同じ苦労をしたのでしょう。
そして、その辛い経験がちょっとしたトラウマになり、下の世代にも同じ苦しみを体験させようとするのです。
ちょっと厄介なのは、その手の先輩は「復讐」と「若手の育成」を混同しているため、悪気がないことですね。
あまりにもひどい上司に当たった場合は、「もう仕事したくない」という状態になってしまいます。
知っておきたい「社会人としてのマナー」
さて、次に知っておきたい社会人としてのマナーをジャンル別に紹介しますね。
たいへん残念ながら、ぼくはビジネスマナーの類が本当に苦手です…。
食事のマナー
まずは食事のマナーから。
食事にまつわるマナーの具体例は、次のとおりです。
- 「上座」と「下座」を理解する
- ビールを注ぐときは、瓶のラベルを相手に向けて注ぐ
- 乾杯のときのグラスは相手よりも下から差し出す
- お箸は横にして割る
- わさびを醤油に溶かしてはいけない
- お会計時に「お愛想してください」というのはお店に失礼
今回あらためて調べてみると、できていない習慣がたくさんありました…。
もっと気をつけなければ。
ビジネスマナー
次にビジネスマナーを見ていきましょう。
ビジネスマナーは、仕事をするうえでかなり大切です。
- 電話は3コール以内にとる
- 欠勤は直属の上司に口頭で伝える
- 本当に急ぎのときは、2つ以上の手段で伝える(メールと電話など)
- 先方のスケジュールを確認するときは、自分の都合の良い日も添えておく
- エレベーターやタクシーに乗るときは順番に気をつける
- 自分の名刺は、相手の名刺の下から差し出す
- 交換した名刺は、打ち合わせが終わるまで机の上に置く
ぼくは電話にはぜんぜん出ませんし、エレベーターは先に乗ってしまいます。
あぁ、こんなことではダメですね…。
会社に遅刻するときも、マナーが大切です。
その他、一般常識
その他の一般常識は次のとおりです。
- 結婚式のご祝儀、お葬式の香典はピン札を使用する
- お世話になっている人に会うときは、手土産を持参する
- 誰かの家にお邪魔するときは、5分ほど遅れて入る
- 結婚式や披露宴には、主役よりも地味な服装で参列する
- 花をプレゼントするときは、花の種類や本数に気をつける
もちろんまだまだありますよ。
ルールを細かく理解する必要はありませんが、冠婚葬祭に関するマナーくらいは知っておくのが良いと思います。
うまく利用したい「経験から導き出された答え」
次は、先輩の経験から導き出された答えを見ていきましょう。
ぼくがよく耳にしたのは、次のようなものです。
- 営業マンは足で稼げ
- 仕事は3年続けて1人前
- 上司や経営者からの誘いは断るな
- ここぞ!というときは手紙を書け
- 取引先の懐に入るためにはオフィスに通い続けろ
- 切らした名刺は速達で送れ
- 根回し上手は仕事上手
ちょっと古くさいというか、暑苦しいというか。
時代遅れの考え方だと思いがちですが、実は大切なエッセンスが含まれている場合が多いです。
たとえば「取引先の懐に入るためにはオフィスに通い続けろ」なら、担当者に顔を覚えてもらい、親近感を持ってもらうのが本質です。
ですから、この格言を現代風にアレンジすると、わざわざ先方のオフィスに行かずとも、まめにメールで連絡を取り続ければ良いのです。
時代は変わっても、人間の芯だけは変わりませんからね。
従う必要のない「単なる押し付け」
おそらく社会人になってから最もストレスを感じるのは、この単なる押し付けです。
「あなたのためを思って言っているんだ」と怒鳴られても、お説教の内容に納得できなければストレスを感じますよね。
単なる押しつけの具体例は、次のようなものです。
- 飲みニケーションを大切にしろ
- 上司よりも先に帰宅するな
- 社会とはこういうものだ
- それが業界の慣習だ
- 新人はこうあるべきだ
- 常識的に考えろ
前述のビジネスマナーなどに比べて、具体性がゼロですよね。
細かい説明をせず、「これが常識なのだから黙って従え」というスタンスです。
しかしながら、この手の押しつけは正論に聞こえますので、最初のうちは見分けるのが難しいでしょう。
「あなたのことが気に入らない」を常識に言い換えただけ
単なる押しつけを多用し、若手を押さえつけようとする人は、たいてい共通しています。
それは「あなたのことが気に入らない」を、常識に言い換えただけだ、ということです。
本当は、部下に対して「お前のそういうところが気に食わない」と言うべきなのに、あたかも常識から外れているような指摘をするのです。
抽象的な表現でお説教をされた場合は、だいたい単なる押しつけに当てはまりますので、きちんと見分けてくださいね。
仕事のストレスが溜まったときは、以下の記事を参考にしてください。
常識は会社や業界によって異なる
ぼくは会社員時代、4つの会社で働きました。
また、10年近く営業をしたことで、何百という会社に出入りしてきました。
その経験から感じるのは、常識は会社や業界によって異なるということです。
今まで大切にしてきた慣習が実はローカルルールでしかなく、転職先でまったく通用しなかったというケースは山ほどありますから。
自分で判断することが大切
この「常識」は、この業界以外でも通用するものなのか?
この「ルール」は、今の会社特有のものではないのか?
常にそういう視点で先輩からの教えを吟味してください。
すると、覚えておくべき一般常識と、うまく生かしたい格言と、単なる押しつけの違いが見えてくるはずです。
根拠のない押し付けに、苦しむ必要はありません!
会社を辞めるタイミングで悩んでいるなら、以下の記事をご覧ください。
ミラクリから一言
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