好きなことを仕事にできれば、それが理想ですよね。
まるで遊ぶように働き、プライベートと仕事の境界線がない。
そんな人生に憧れると思います。
ぼくもフリーランサーとして、できるだけ好きな仕事を中心に据えたいと考えています。
「好きなことで、生きていく」という人気ユーチューバーたちのテレビCMも話題になりましたが、今後ますます生き方を追求する人は増えていくでしょう。
では、好きなことで生きている人と、そうではない人は、何が違うのでしょうか?
また、周囲の批判が気にならないくらい熱中できることを見つけるためには、どうしたら良いのでしょうか?
今回は好きなことで生きていく方法をまとめていきます。
達成感や生きがいを得るために働く人は約11%しかいない
まずは、好きなことで生きている人の割合を確認してみましょう。
内閣府が平成23〜24年にかけて、15歳から29歳までの男女3,000名を対象に行った調査を紹介します。
「何のために仕事をするのか?」への回答が、次のようになったそうです。
- 収入を得るため:63.4%
- 自分の生活のため:51.0%
- 自分の夢や希望を叶えるため:15.0%
- 家族の生活のため:12.6%
- 仕事を通して達成感や生きがいを得るため:11.3%
*回答は2つまで選択可能
なんと、お金のために働いている人が63.4%もいるんですね。
その一方で、自分の夢や希望を叶えるために働く人は15.0%。
仕事を通して達成感や生きがいを得るために働く人は11.3%しかいないようです。
この調査データを見るかぎり、好きなことで生きている人は少数派だと言えるでしょう。
好きなことを仕事にしている人たち
では、好きなことを仕事にしているのは、どんな人たちのことを指すのでしょうか?
おそらく次のような職業が挙げられると思います。
- 起業家
- アーティスト
- ミュージシャン
- プロスポーツ選手
- 作家
- クリエイター
- プログラマー
- YouTuber
- フリーランサー
- 希望の職種に就いた会社員
上記はあくまでも例ですから、これらの職種に就いたからといって幸福が保証されているわけではありません。
これらの職業に就いている人たちの中にも、お金のため、生活のため、家族のために働く人は必ずいますからね。
独断と偏見ですが、好きな仕事で成功している人たちも挙げてみました。
- 本田圭佑さん(プロサッカー選手)
- 高城剛さん(作家・映像クリエイター)
- 猪子寿之さん(チームラボ社長)
- 石川涼さん(VANQUISH社長)
- はあちゅうさん(ブロガー・作家)
- 村上春樹さん(作家)
- 中田英寿さん(日本酒コーディネーターなど)
- 勝間和代さん(経済評論家)
- 堀江貴文さん(実業家)
- ヒカキンさん(ユーチューバー)
好きなことを仕事にする人の特徴
では、好きなことを仕事にしている人と、そうではない人は、何が違うのでしょうか?
彼らが持ついくつかの特徴をまとめてみました。
「好き」のレベルが半端じゃない
好きなことを仕事にするような人たちは、「好き」のレベルが人とは違います。
具体的には、次のようなレベルです。
- 好きなことに関しては誰にも負けたくない
- 好きなこと以外はやりたくない
- 朝起きたら、すぐにでもやり始めたいくらい好き
- 目標をどんどん設定し、どんどんクリアしてしまう
- 三度の飯より好き
- 寝食を忘れるくらい熱中できる
いろんなことをすっ飛ばしてでも、とにかくそれだけをやりたい。
もはや執着と言っていいレベルです。
ブログ運営で成功しているぼくの知人に「1日の仕事時間はどれくらいですか?」と質問したところ、「起きている時間すべてですが、遊んでいるようなものですからね」という答えが返ってきました。
ブログ運営が楽しすぎて、辛いとか、しんどいとか、疲れるといったことは皆無だそうです。
彼らは、多くの人が囚われる一般常識とは、かけ離れたところにいるようです。
「努力」という概念がない
好きなことを仕事にしている人には、努力という概念がありません。
努力という言葉には、汗をかく、我慢、ストイック、辛いなどのイメージがつきまといますが、彼らはただ楽しいからやっているのです。
ぼくにも経験があります。
一時期ゲームにどっぷりハマったとき、キャラクターのレベルアップをしようと決意して、四六時中プレーしていたときがありました。
敵を倒しつつ、レベルを上げていくのが楽しすぎて、まさに寝食を忘れて遊んでいたのです。
このような状態になったとき、人間は誰かに指示されなくても体が勝手に動き出します。
結果や評価が気にならない
好きなことを仕事にしている人たちは、結果や評価をあまり気にしません。
もちろん人間ですから、結果が出たほうが楽しいですし、評価されたほうが嬉しいでしょう。
しかし、彼らはあくまでも楽しいからやっているのであり、見返りを求めているわけではありません。
イラストレーターとしてアメリカで成功している知人は、渡米してから3年ほど不遇の時期を経験しました。
久しぶりに会ったとき、さぞ落ち込んでいるのかと思いきや、表情がツヤツヤで「毎日好きなことができて幸せだ」と語っていました。
いわゆる成功者になるような人は、脳からアドレナリンが出っぱなしなのでしょう。
本当に好きなことがわからず、悩み苦しんだ過去
好きなことを仕事にしている人は、羨ましいですよね。
遊ぶように仕事をして、それで収入を得られたら、これほど幸せなことはありません。
その一方で、「好きなことがわからない」と悩む人も多いのではないでしょうか。
実はぼくも相当悩んだ時期がありました。
今の仕事は本当にやりたいことじゃない。平凡なサラリーマンなんてイヤだ。
そんな傲慢な考え方をすればするほど、ストレスが溜まり、最後にうつ病を患ってしまったのです。
それから3〜4年かけて、かねてから取り組んでいた「文章を書くこと」や「企画すること」を仕事にしました。
将来的には別の仕事をするかもしれませんが、とりあえず今の人生が気に入っています。
本当に好きなことを見つけるためのポイント
では、本当に好きなことを見つけるためには、どうすれば良いのでしょうか?
ぼくのことはさておき、好きな仕事で成功している人たちの考え方をまとめてみました。
欲求を除外する(お金、名声など)
本当に好きなことを見つけるためには、ひとまず欲求を除外することが大切です。
欲求とは、次のようなものです。
- お金
- 名声
- 評価
- 成功欲
- モテたい
- 承認欲求
- フォロワー数
- シェア数
欲求があるのは良いことですが、それが起点になると、好きなことよりも「お金になること」、またはやりたいことよりも「できそうなこと」を選択してしまうからです。
すぐに結果につながることを重視すると、間違ったものを選んでしまうでしょう。
才能やセンスは無視して考える
本当に好きなことを見つけるためには、才能やセンスもひとまず無視してください。
好きなことが仕事になれば理想ですが、好きなことを見つける時点では職業になるかどうかは関係ないからです。
たとえ下手であっても、初心者であっても、無知であっても、やりたいかどうか。
そのピュアな気持ちだけが大切です。
「楽なこと」と混同しない
本当に好きなことを見つけるときに勘違いしやすいのは、好きと「楽(らく)」を混同してしまうことです。
たしかに好きな仕事をやるのは楽しいですが、楽と同義ではありません。
好きなことを仕事にしたって、ときには辛いこともありますし、不安や心配に襲われることも必ずあるのです。
ですから、あくまでも楽しさを重視し、楽かどうかは除外して考えることが大切です。
人に言わず、こっそり取り組んでいること
人に言わず、こっそり取り組んでいることが本当に好きなことの場合もあります。
ぼくの知人のアクセサリーデザイナーは、看護師をしながら、自宅で何年もアクセサリーを作り続けていました。
本人は趣味だと言っていましたが、仲間内で徐々にアクセサリーの人気が高まり、ついに売ることにしたのです。
今では自分自身でネットショップを経営し、固定客を抱えるまでになっています。
人には恥ずかしくて言えないことが、実は人生を変えるのかもしれません。
評価されようが、されまいが継続できること
本当に好きなことは、評価されようが、されまいが継続できるものです。
もちろん結果が伴うのが一番ですが、見返りがなくても続けられるかどうか。
ここが強烈に好きなのか、実はそれほど好きではないのかの分岐点です。
ただ楽しいからやっている。
または、それをやること自体が楽しい。
それくらい熱中できるものはありませんか?
「好きなことで、生きていく」にまつわる4つの疑問
好きなことを仕事にできたら、それが一番ですよね。
でも、好きな仕事をしようと決意したとき、社会人の先輩たちからいろんな批判をぶつけられると思います。
そこで「好きなことで、生きていく」にまつわる4つの疑問についてまとめてみました。
「好きなことだけをやる」のは不可能?
「好きなことだけをやるなんて不可能だ」という話をよく聞きますよね。
自分のやりたいことだけをやり、それ以外は断るなんて、たしかに傲慢だと思います。
ですが現実的には、やりたい仕事にも「やるべき仕事」が付随してきますよ。
たとえば次のようなものです。
- 雑務
- 会計処理
- 経費精算
- トラブル・クレームの処理
- 人間関係の修復
- 取引先との駆け引き
- 短納期の依頼
本当に好きなことだけをやりたいなら、上記のような仕事を断るか、外注するかになるでしょう。
ただ、好きなことのために付随する雑務なら、抵抗なくがんばれる人が多いと思います。
「好きなことをやっていると嫌われる」って真実なの?
「好きなことをやっていると嫌われる」は、50%真実です。
好きな仕事をして、充実した表情をしているだけでも、辛い仕事を我慢している人たちからの羨望の的だからです。
そこで「羨ましいな!」と言える人は素晴らしいですが、なかには「失敗したら良いのに」とか、「バカなことやっていないで、早く大人になれ」と言う人もいるでしょう。
ただ、嫉妬されることが増えるぶん、応援してくれる人も増えますので、とくに問題はありません。
以前までの人生とは、付き合う人が変わるだけです。
「好きなことを仕事にすると嫌いになる」ってマジ?
「好きなことを仕事にすると嫌いになる」という言説は、50%くらい本当だと思います。
なぜなら、それまで趣味で楽しんでいたことが仕事になると、急にビジネス目線が強くなるからです。
ゲーム会社を経営している知人は、それまでゲームが大好きだったのに、起業してからはゲームをクリエイター視点で見るようになったため、純粋に楽しめなくなったと嘆いていました。
先ほども紹介したアクセサリーデザイナーの知人は、それまで趣味でアクセサリーを作っていたのに、いざ販売するとなると、原価と売価、利益率まで考えなければならず、しばらく苦しんだのだとか。
もちろん趣味が仕事になっても目線が変わらない人もいますが、半分くらいの人は楽しみ方が以前とは変わってしまうと思います。
「好きな仕事をしていればストレスフリー」って本当?
最後に紹介するのは、「好きな仕事をしていればストレスフリー」という言説です。
あくまでもぼくの実感ですが、これは70%くらい本当ですが、ストレスフリーではありません。
好きな仕事にもストレスは存在しますが、「ストレスの質」が変わります。
たとえば会社員なら、組織のしがらみや派閥にストレスを感じるでしょうが、好きな仕事を手がけるフリーランサーは期限や責任のストレスがあるでしょう。
起業家なら、売上や利益に対するプレッシャーがあります。
ぼくも会社員の頃とはストレスの質がずいぶん変わり、心の負担が減りました。
もちろんフリーランサーですから、将来への不安はゼロではありませんが、生きている実感があります。
やりたいことがわからなくても、自己否定する必要はない
もし現時点でやりたいことがわからなくても、自己否定する必要はありません。
このブログには、10代の学生から50代の社会人まで、いろんな方から「やりたいことがわからない…」というメッセージが届きます。
皆さん一様に自分自身を否定し、苦しい思いを吐露されますが、「やるべきこと」を粛々とこなす人生にだって価値があるのです。
ぼくは様々な自己啓発書を誤って解釈し、「やりたいことをやれない人は負け組だ」と考えていました。
その結果、華やかな理想と平凡な現実のギャップに苦しみ、ついにうつ病になったのです。
そんな経験から学んだのは、自己肯定することの大切さでした。
今は生活費のために、いろんなことを我慢して働いていたとしても、そんな自分を肯定してあげてください。
そして、ゆっくりと時間をかけて好きなことを探していきましょう。
ミラクリから一言
みんなが社会を支えている!