うつ病になったとき、対人恐怖症を併発してしまうことがあります。
鬱によって心が不安定になると、自意識過剰にもなり、人と接するのが怖くなるのです。
人との会話もままらない状態になりますので、仕事にも大きく影響するでしょう。
今回は、ぼくが実際に体験した対人恐怖症について解説していきます。
うつ病の影響か、人と接するのが怖くなった
ぼくは2013年にうつ病になりましたが、自覚するきっかけになったのが対人恐怖症です。
それまでにも、とくに理由なく気分の浮き沈みが激しくなる、または仕事中に動悸が激しくなるなどの症状がでていましたが、「いつかは治るだろう」ぐらいに思っていました。
しかし、あるときから慣れ親しんだ会社の同僚と会話するのが怖くなり、いつも人に見られているかのような恐怖に襲われ、最終的には会社に行くことすら怖くなったのです。
その後、メンタルクリニックでうつ病が発覚し、同時に対人恐怖症であることもわかりました。
この時期の体調は最悪でしたね。
オフィスにいるだけで激しい動悸に襲われ、人と会話するだけでも汗が止まらなくなるのですから。
鬱の初期症状は放置しないようにしてくださいね。
次になぜ対人恐怖症になってしまうのか、その原因を解説します。
対人恐怖症の原因には内的要因と外的要因がある
ぼくはうつ病と対人恐怖症を併発しましたが、誰もがそうなるわけではなく、対人恐怖症だけを発症する場合もあります。
対人恐怖症の原因は、大きく以下の2つにわかれます。
- 外的要因:ショッキングな出来事・トラウマによるもの
- 内的要因:自意識過剰・誤った認識によるもの
外的要因とは、たとえば好きな人にひどい振られ方をしたとか、人前で失敗して大恥をかいたとか、そうしたショッキングな出来事のこと。
内的要因は、自分はみんなに嫌われているんじゃないかとか、失敗を過剰に恐れるとか、そうした誤った認識のことです。
対人恐怖症は脳や神経系の異常だと思われていますが、実はうつ病と同じく、心理的ストレスやトラウマが影響するものなんですよね。
対人恐怖症の症状とは?
対人恐怖症になると、いろんな症状が現れます。
代表的なものは以下の通り。
- 赤面症(赤面恐怖):人と会うとすぐに顔が赤くなる
- 視線恐怖:人の視線が気になりすぎる
- 劣等感:自分ができないことを過剰に気にする
- 予期恐怖:先行きを想像しすぎて不安になる
- 対人不安:同僚や異性と話すのが怖くなる
- 対人緊張:自信にあふれた人たちを見ると緊張する
- 書痙:書物をするときに手が震える
- 震え恐怖:緊張して手足が震える
- 笑顔恐怖症:自分の笑顔に自信がなく、笑うのが怖い
- 表情恐怖:自分の表情に自信がなく、バカにされているように感じる
- 醜形恐怖症:容姿に自信がなく、相手の目を見ることすらできない
- 多汗症(発汗恐怖):緊張すると異常に汗をかく
- 正視恐怖症:人と目を合わせて会話するのが怖い
- 吃音恐怖:言葉が詰まってしまう
- 雑談恐怖症:みんなの会話の輪に入れない
- おなら恐怖:おならが漏れて周囲に不快感を与えないか心配になる
- 唾液恐怖症:つばを飲み込む音が人を不快にさせないか心配になる
対人恐怖症の経験がなくても、人付き合いが苦手だったり、緊張しやすい人は当てはまるものがあるかもしれません。
笑って話せるぐらいの症状なら問題ありませんが、仕事に影響するほど深刻になったときは、すぐに心療内科かメンタルクリニックに行ってくださいね。
次にぼくが実際に体験した中で、もっとも辛かった症状を紹介します。
とくに辛かった対人恐怖症の症状
うつ病の症状もかなり辛いものでしたが、対人恐怖症も同じレベルでした。
朝起きた瞬間に会社に行くのが怖くなり、出社時間が近づくに連れて鼓動が激しくなったのを今でも覚えています。
症状を振り返ってみてわかりましたが、ぼくはどうやら「内部要因」が原因だったようです。
緊張しすぎて会話ができない
ある時期から、同僚や上司と話すだけで緊張するようになったんです。
初期段階はとくに気にせず、そのまま放置していましたが、症状はどんどん悪化し、ついにまともな会話すらできなくなりました。
これは前述した「対人不安」にあたり、最初はかなり戸惑いました。
会話しようとしても言葉がでず、ちょっとしたパニック状態になるからです。
まともに仕事ができる体調ではなかったため、ぼくは会社を退職する道を選びました。
人に会うだけで動悸が激しくなり、発汗する
人に会うだけで動悸が激しくなるのも厄介でした。
オフィスに入った時点で胸が苦しくなる状態ですから、そのまま1日中耐えるのはかなり大変です。
そして、誰かとコミュニケーションを取ると、すぐに全身から発汗してしまいます。
これは前述の「対人恐怖」「多汗症」にあたるでしょう。
うつ病の初期症状にも似ていますね。
いつも監視され、悪口を言われているような気持ちになる
ちょっとした人間不信にもなります。
ネガティブなことがあったわけでもないのに、いつも誰かに監視され、悪口を言われているような気分に。
周囲が自分を笑っているような感覚に陥り、話しかけるのも怖くなりました。
これは前述の「視線恐怖」にあたると思います。
自意識過剰になるのも、うつ病と似ていますね。
メール・電話の着信音が怖くなる
これは「予期恐怖」にあたりますね。
メールや電話の着信音が怖くなるのは、「何か悪い連絡があるのでは?」と考えているからです。
たとえば仕事のトラブルが起こったとか、ミスを咎められるとか、起こっていない出来事を予想して不安になるんですよね。
元気な人から見れば、これらは「考え過ぎだよ」「ポジティブになりなよ」で済む話ですが、対人恐怖症を患った人間としては深刻な問題です。
似たような症状に苦しむ人を見かけたら、ぜひ通院を勧めてあげてください。
心療内科・メンタルクリニックで適切な対処法を
ぼくの対人恐怖症は、うつ病の回復に比例して良くなっていきました。
うつ病が原因で対人恐怖症になったのか、もしくは対人恐怖症がきっかけでうつ病になったのかは、心療内科の先生でも解明できませんでしたが、症状が軽い段階で治療できたのは幸運でしたね。
うつ病になったときはもちろんですが、対人恐怖症についても心療内科かメンタルクリニックで治療してください。
抗うつ薬は直接的な治療にならない
対人恐怖症の人に「抗うつ薬」が処方されることがありますが、気分を落ち着かせる効果はあるものの、直接的な治療にはなりません。
なぜなら前述したように、対人恐怖症は「外的要因」と「内的要因」が原因になっているため、思考そのものを変える必要があるからです。
「心のあり方」を変えて克服すること
対人恐怖症の克服には「心のあり方」を変えるのが一番ですが、なかなか難しいですよね。
いきなり「ポジティブになれ」と言われても、いきなり今までの思考を捨てるのは大変だと思います。
ですから、ゆっくりと時間をかけて以下のように考え方を変えていきましょう。
- 過去のトラウマ:あの出来事のお陰で成長できた
- 失敗への恐れ:最良の結果を出すために必要なものだ
- ミスを許せない厳密な性格:ときには「いい加減」も大切だ
- 生真面目:おおらか・マイペースに
いきなりは難しくても、時間をかけたら必ず改善できます。
ぼくもうつ病と対人恐怖症をきっかけに、それまでの生き方を見直しましたよ。
なんというか、以前までは厳密すぎて、自分にも人にも厳しすぎる性格でしたが、今ではおおらかになれたと思います。
病院での治療を受けつつ、少しずつ克服していきましょう。
ミラクリから一言
生き方を見直すチャンスかも!