転職に成功する人と失敗する人は何が違うのでしょうか?
スキルや経歴、コミュニケーション能力などの条件がほとんど同じなのに、なぜ成功と失敗にわかれるのか。
ぼくは人が転職したり、退職していくのも間近で見ながら、そのことをずっと疑問に思ってきました。
実はぼく自身も転職を3回し、4つの会社で勤めてからフリーランスになりましたので、キャリアの成功も失敗も経験しています。
転職に成功する人は、どのような点に気をつけて準備をしているのか。
逆に失敗する人は、どのような点がおざなりなのか。
今回は転職に成功する人と失敗する人の違いを紹介していきます。
記事の後半で転職による年収アップの実例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
転職に成功する人の特徴
まずは転職に成功する人の特徴を紹介しますね。
転職に成功する人は、必ず計画的に行動しています。
退職する前に転職活動を始めている
転職に成功する人は、いまの会社を退職する前に転職活動を始めています。
つまり「焦らず、じっくりと転職先を探している」ということですね。
逆に勢いで会社を辞めてしまった場合は、どうなるでしょうか?
いきなり無収入になり、失業保険(雇用保険)をもらえるかどうかの瀬戸際で、焦って転職先を探すのではないでしょうか?
すると、とりあえず入社できそうな会社を選んだり、労働条件を妥協することになりますよね。
もしかすると「ブラック企業」と噂される会社を選ばざるをえなくなるかも。
転職に成功する人は、あらかじめ転職先のあたりをつけ、内定を取った状態で退職の準備に入りますので、焦ることがありません。
退職理由が明確である
転職に成功する人は、退職理由が明確です。
具体的には、次のようなものです。
- キャリアアップ
- 異業種へのチャレンジ
- 会社の安定性
- スキルアップ
- 待遇の改善(年収、役職など)
- 自己の成長
たとえば「会社が嫌だから」「上司に不満があるから」というのも退職理由になりますが、前向きではありませんよね。
少なくとも、転職の面接で言えるような退職理由ではないと思います。
会社を辞めるなら、「辞めたあとはどうなりたいのか?」というビジョンを持っておくことが大切です。
「転職によって得たいもの」がわかっている
転職に成功する人は、転職によって得たいものを把握しています。
たとえば次のようなものです。
- 年収を上げたい
- 新しい職種にチャレンジしたい
- 残業時間を減らし、家族との時間を増やしたい
- とにかく労働時間(拘束時間)を短縮したい
- 出張を減らし、オフィスワークを基本にしたい
つまりは「転職する目的」ですね。
転職の目的が明確なら、自ずと企業の選び方も明確になるでしょう。
目的がブレなければ、企業からオファーが届いたようなときでもブレずに決断できます。
「諦めてもいいもの」がわかっている
転職に成功する人は、諦めてもいいものも把握しています。
たとえば次のようなものです。
- 年収を上げたい → 仕事内容が変わってもOK
- 職種は変えたくない → 異業種でもOK
- 出張を減らしたい → 残業は多少増えてもOK
- 評価制度が整っていて欲しい → 人間関係はドライでもOK
転職によって叶えたい条件があり、逆に諦めてもいい条件がある。
欲張ってすべてを得ようとするほど転職のチャンスを逃してしまうことを、彼らはよくわかっているのです。
転職エージェントとの打ち合わせも面接のつもりで臨んでいる
転職に成功する人は、転職エージェントとの打ち合わせも面接のつもりで臨んでいます。
つまり転職エージェントのことも「企業の面接官」だと思っているということですね。
転職エージェントは企業と密接に関わる立場ですから、彼らの評価によって面接の結果が左右されることも。
誠実に対応するに越したことはありません。
とくにヘッドハンターのような人は、言葉遣いから立ち振舞まで、常に細かい点をチェックしています。
複数の転職会社(転職サイト)を利用している
転職に成功する人は、複数の転職会社(転職サイト)を利用しています。
転職会社はどこも同じだと思うかもしれませんが、会社によって求人数が違ったり、得意な業界があったりします。
なかには「エグゼクティブ転職」「海外勤務」のような特化型の転職エージェントもありますので、必要に応じて使い分けていきましょう。
次のような転職会社なら、現職で働きながら転職活動をスタートできます。
スマートフォンで求人を閲覧するだけでも視野が広がりますよ。
面接の準備を入念にしている
転職に成功する人は、面接の準備を入念にしています。
就職活動のときに面接を散々経験したとは言っても、それは過去のこと。
現在のトレンドや面接官から聞かれる質問は、時代とともに変化します。
とくに次のような点に留意しながら、面接のシミュレーションを行っているようです。
- 退職理由の説明
- 転職への意気込み
- 身だしなみ(服装、髪型など)
- 声の大きさ、聞こえ方
- 初見で抱く印象(自分自身の見せ方)
奥さん(恋人)や友達に面接官になってもらい、入念に練習しておきましょう。
給料・手当・残業代を入社前に確認している
転職に成功する人は、入社前に労働条件をちゃんと確認しています。
労働条件とは、具体的に給料、各種手当、残業代のことですね。
これは一見あたり前のように思えますが、実はできていない人が多いようです。
おそらく「雇っていただいている」という意識が強すぎて、「給料のことを聞くと印象が悪くなる」と思っているのでしょう。
でも、給料の確認は大切ですよ。
たとえば給料が面接時に聞いていた条件とは異なったり、実は「みなし残業代」が給料に含まれていたり。
入社後にトラブルになり、さっそく信頼関係を壊してしまわないように、労働条件は事前に確認しておきましょう。
仕事を辞めるべきかどうかは、じっくり考えてください。
もし仕事を辞める決断をしたなら、円満退職を心がけましょう。
転職に失敗する人の特徴
それでは次に、転職に失敗する人の特徴を紹介しますね。
あたり前といえばあたり前ですが、転職に失敗する人は成功する人と真逆の考え方をしているようです。
具体的な特徴をまとめてみました。
- 転職先を見つける前に会社を辞めてしまう
- 不平不満だけで会社を辞める
- 面接でアピールできる実績がない
- 転職の目的が曖昧
- 高望みをしすぎる
- 譲れる条件と、譲れない条件が不明確
- 身だしなみが悪い
- ビジネスマナーや礼儀がなっていない
- まったくの未経験分野に転職する
- 面接を無断でキャンセルする
上記のいずれか、もしくは複数が当てはまるなら、もっと慎重に転職活動をしたほうがいいかもしれません。
ぼくの経験上、上記にあてはまる人は、転職してすぐに転職前と同じような不満を言い始めます。
その他、転職に失敗する人の特徴は、次の記事で詳しく解説していますよ。
転職成功者たちの声
次に、世の中の転職の実態を見ていきましょう。
転職の成功例として、年収アップの実例などをまとめてみました。
年収アップ額は平均56.7万円、最高440万円
まず最初に、転職会社の「DODA」が発表している年収アップのデータを紹介しますね。
このデータは、2013年1月〜2014年6月の間にDODAを利用して転職し、年収がアップした上位6,000名の統計です。
転職で年収がアップした人たちの概要は、次のとおり。
年収アップ成功者のモデルデータ
- 平均年齢:31.1歳
- 平均転職回数:0.8回
- 平均年収(転職前):417.1万円
- 平均アップ額:56.7万円
- 最大アップ額:440万円
引用元:DODA
(*この統計は、転職前の年収が300万円以上の人だけで集計されています。)
もちろん年収がアップした人だけで集計していますので、DODAを利用したら必ず年収がアップするというわけではありません。
でも、年収が平均で56.7万円もアップしているのは凄いですよね。
計画的に転職をすれば、現状よりも労働条件が良くなる可能性があります。
転職(再就職)して良かったと思う理由は仕事内容など
次に、同じく転職会社の「メディアサーチ」が発表しているデータを紹介しますね。
2015年6月~2016年5月にかけて行った調査によると、転職して良かったと思う理由は次のようになったそうです。
転職(再就職)して良かったと思う理由は?(複数回答可)
- やりたい仕事に就けた:43%
- 将来性ある企業に転職できた:35%
- 夢(希望)が叶った:22%
引用元:メディアサーチ
意外にも、転職に成功した人たちは「やりたい仕事」をメインに考えているようですね。
ということは、年収などの労働条件は二の次なのでしょうか。
いずれにしても、転職に成功する人は「得たいもの」が明確なようです。
ぼくは転職に失敗してうつ病になりました
転職が成功するケースもあれば、当然ながら失敗するケースもあります。
もし全ての転職が成功しているなら、よほど強運か、入念で慎重な性格なのでしょう。
実はぼくも転職に失敗したことがあります。
会社はすばらしい環境でしたが、仕事で結果を出せず、そのストレスでうつ病になってしまったのです。
これは転職に失敗したというよりも、「転職を失敗にしてしまった」という感じですが、この時期は本当につらかった。
うつ病は決して他人事ではありませんので、転職はできるだけ計画的に行ってくださいね。
うつ病をきっかけに会社を退職したときの体験談は、次の記事をご覧ください。
転職を成功させるためには失敗談も聞いておくこと
転職を成功するためには、成功した人たちの話だけではなく、失敗談も聞いておきましょう。
これは決して「失敗談を聞いて安心する」ということではなく、それを反面教師にしようということです。
転職に失敗した人は必ず強い教訓を得ていますので、参考になる話が聞けるはず。
転職しようかどうかを悩んでいる、あるいは転職に関する不安を抱えている人は、転職経験者に話を聞きに行きましょう。
ミラクリから一言
経験者の話ほど、参考になるものはありません。