小林敏徳のコラム

会いたい人には、今すぐ会いに行け

今でも後悔していることがある。

彼はひとつ上の先輩。社会人になってからずっと良くしてもらった。ろくに挨拶もできなかったぼくに一般常識を教えてくれて、仕事や人付き合いの広げ方を教えてくれた。

彼とはいつも議論になった。「焼き肉のハラミはタレで食うべきか、塩で食うべきか」だ。他人からすれば完全にどうでもいい議論だが、ぼくらにとっては重要だった。

ハラミは結局、タレで食べようが、塩で食べようが美味い。確実に美味い。つまり「ハラミが大好き」という価値観の共有が目的だったからだ。

あの議論、いつも白熱したな。

彼と最後に交わした言葉は覚えていない。「じゃあ、また」だったか。「次回もよろしく願いします」だったか。何度考えても覚えていなくて、それが今でも悔やまれる。

彼にはよく怒られた。「お前は常識がなさすぎる」と。自分だって後輩を顎で使って、親の金に物を言わせて好き放題やっていたくせに。クラブで毎晩のように遊び、スニーカーは毎週のように買い替えていたくせに。

それでも、ぼくにとっては大切な人である。

未だに思う。あれが最後だとわかっていたら、もっと時間をかけて話したのに。なんとなく呼び止められた気はしたのに、地下鉄の時間が迫っているからと気づかないふりをした。もっとメールすればよかったし、電話もすればよかった。

ぼくのもとには、「ある人に連絡しようか迷ってる」という相談がよく寄せられる。

答えは簡単だ。

「会いたい人には、今すぐ会いに行け」である。

メッセンジャーは便利になりすぎて、ご丁寧に、既読機能まで付いている。そのせいで、ぼくたちは「既読スルー」なるものを恐れ、ときにはメッセージすること自体を躊躇する。

「忙しいかもしれない」

「このタイミングの連絡は逆効果かも」

「夜にメッセージを読む人じゃないし」

「もっと文面を考えてから」

「まだ気持ちの整理ができていないから」

「とりあえず明日にしよう」

どんな理由をつけたって、結局は既読スルーなるものを恐れているのだ。返信が来なくて傷つくくらいなら、いっそのことメッセージをやめよう。みんなハッピーじゃないか、と。

でも、違う。

「連絡したい」と思ったときが、きっとベストなタイミングなのだ。

ときには相手のリズムとずれることもあるだろうが、少なくとも、世界中の人と四六時中つながれるだけのネットワークがあるのだから、「今」と思ったら今なのだ。

会いたい人には、今すぐ会いに行こう。

連絡したい人には、今すぐ連絡しよう。

その人がずっとそこにいる保証はないのだから。

ミラクリから一言

また一緒にハラミ食いたかったなぁ。
(*コロナの間は気をつけようね。)

トシノリ
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