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白髪が生えてから、どう生きるか

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知らない間に、白髪が生えていた。

まず耳の上のあたりに1本。

こめかみのあたりにもう1本。

これはシャンプーで脱色したのではなく、おそらくちゃんとした白髪だ。

はじめて白髪を見つけたときはショックを受けるものだと思っていたが、意外にも「あ、白髪みっけ」くらいのノリだった。

30代も半ばを過ぎ、自分でも知らない間に「老い」というものを意識していたのかもしれない。

急にウェイトトレーニングをやりたくなったのも、ランニングをしてみたくなったのも、老いに対する恐れなのかも。

まぁそれはいい。

いずれにしても、白髪が生えていたのは事実だ。

何で見たのか失念したが、白髪にまつわるこんな言葉がある。

「理想に到達できないことを実感したとき、人は白髪が生える」

ぼくは白髪の世界ではルーキーだけれど、この言葉には合点がいく。

おそらく何かをきっかけにして現実という高い壁が見えるように、あるいは感じられるようになったときに白髪は生えるということなのだろう。

「現実」という言葉に嫌悪感のある人もいるだろうが、これは必ずしも否定的な言葉ではない。

もう少しやんわりとした言い方にするならば、「地に足を着ける」ということではないだろうか。

「理想に到達できないことを実感したとき、人は白髪が生える」

この言葉が本当なら、どうやらぼくも理想と現実の違いがわかってきたようだ。

それが良いことなのか哀れなことなのかはわからない。

とにかく「現実」という巨大な壁はさておき、無邪気にイメージだけをふくらませるような時期はもう過ぎた、ということだろう。

現実の外で無責任に妄想をするのではなく、現実の中から理想を鳴らすような時期に入ったのかもしれない。

これはちょっとした違いのようにも思えるが、おそらく大きな違いだと思う。

妄想力というのは、ある時期に与えられる特権だ。

社会のことを知らなければ、何だってできると思うのは当然。

会社に役職という階層があることを知らなければ、「入社したらすぐに社長になるんだ」と宣言することもできる。

国家試験があることを知らなければ、医師になることも、弁護士になることも実現可能な目標だ。

ただ、そんな楽しい妄想からいきなりズドンと現実に転落するのか、それとも少しずつ地に足を着けていくのか。

それは人によって分かれるところだろう。

白髪が生えるというのが、理想と現実の違いに気づきはじめたことのサインだと仮定するならば、これからはより具体的に行動するべきではないか。

目標を達成するために、小さなタスクを確実にこなしていくこと。

困っている人を思いやるだけではなく、メッセージを送ってみること。

白髪が生えたのをきっかけに、地に足の着いた人間になるのだ。

 - 小林敏徳のコラム

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