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「私はこれに賭けている」という姿勢から、熱さが生まれる

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ちょっと前に、20代の若者たちと食事をした。

年長者らしいアドバイスができるわけでも、ためになるエピソードを披露できるわけでもないのに、なぜかそんな機会に恵まれた。

かろうじてできたのは、金を払うことくらいだった。

いろんな話をした。

社会人になって間もない彼らは、やはりというべきか、理想と現実のギャップに苦しんでいるらしい。

なぜか火曜日に不機嫌になる部長。

誰もが知る有名企業のなかにある、おかしなルール。

上昇志向の強い同期たちとのビミョーな関係。

ありがちではあるけれど、今そこで起きている話には熱さがある。

そんな話を聞きながら、今日も8:30頃にぼんやり目覚め、10:30から少しだけ仕事をして、それからココに来た自分を恥じた。

気になる男がいた。

彼と会うのは初めてだったが、どこか鋭い雰囲気がある。

うまく言葉にできないけれど、なぜか気になってしょうがない。

口数が多いわけでも、声が大きいわけでもないのに、発言がいちいちズシンとくる。

「異彩を放つ」という言葉は、こういう人のためにあるのだと思った。

どうやら彼は、とあるスポーツのプロ選手らしい。

マイナースポーツであるがゆえに、メディアに登場する機会がほとんどないそうだ。

実際、ぼくは彼の名前はおろか、そのスポーツにプロ選手がいることさえも知らなかった。

でも彼は、その世界では有名な人。

日本をかるく飛び越えて、世界大会でも好成績を残すような人だった。

ちなみに彼のことが気になったのは、彼の職業を知る前だ。

なぜなのだろう。

彼のことが気になったのは、なぜなのだろうか。

そうか。

この中で、彼だけが仕事に賭けているのか。

時間も、体力も、熱量も、すべて賭けているからこそ、彼から強いオーラを感じたのか。

「とりあえず金さえ払っておけば、年長者の役目を果たせる」という、さもしい考えしかできない自分を、また恥じた。

はあちゅうさん(@ha_chu)の本を読んだ。

一度読んだだけではモヤモヤして、すぐにもう一度読んだ。

言葉を使いこなして人生を変える」という本が、そのやさしいタイトルとは裏腹に、自己嫌悪や葛藤であふれているように思えたからだ。

「ネット時代の作家になる」という使命感と、それを嘲笑されることへの失望。

「私には書くべきことがある」という信念と、それを表現しきれない筆力への絶望。

「好きなことに熱中しているとき」の希望と、ときおり自らにかけてしまう悪しき呪い。

さらっと読めるのに、その後ずっと考えさせられるような内容だった。

SNSで見かける彼女の言葉は、あえてなのだろうけど、いつも刺激的だったから、この本のトーンは意外だった。

静かで、たまにドロドロしていて、でもやさしい。

きっと彼女から目を離せないのも、「私はこれに賭けている」という姿勢があるからなのだろう。

あえての前傾姿勢で、全てを引きずってでも前進するその姿に、熱さを感じるのだ。

肩書なんか、どうでもいい。

彼女が建築士であっても、カウンセラーであっても、この本に何かを感じたはずだから。

凡人だって、さもしいおじさんだって、何かを変えられるのかもしれない。

「私はこれに賭けている」という姿勢さえあれば。

 - 小林敏徳のコラム

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