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「うつ病」に苦しむ友人へ:おれたちは「逃げ方」を知らないんだよ。

 

「うつ病」に苦しむ友だちへ:体さえ元気なら、また歩き出せる。

 

鬱病に苦しむ友人と会ったときの話。

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目がうつろ、眼球の動きが少ない、様子がおかしい。

週7日間のうち、6日間は仕事の会食。

夜に外出する日は、日中に猛烈な集中力で仕事をして、スキマ時間ができれば翌日分まで仕事をする。情けない話だが、とにかく時間と余裕がない。そんな日々のなかでは「他愛もない会話ができる友だち」と過ごす時間がどうしても後回しになり、とにかく切羽詰まった状況の人や、具体的な話がある人を優先してしまう。

 

この日は「他愛もない会話ができる友だち」と、3人で食事に行った。久しぶりに純粋に楽しめる時間、ワクワクしながら現地に向かって待ち合わせし、友人男性を見つけて「おまたせ!」と声をかけた。壁に寄りかかりながら待っていた猫背の彼は、声に気づいたものの、スマホを眺めていた顔をコチラに向けて、「おお…」とだけ言って、店へと歩き出すことになった。

 

何かがおかしい。

彼の目はすわってて、眼球の動きが少なく、そしてどこかで見覚えのある目つきだった。

 

大阪梅田で、ちょっと強引なぐらいに声をかけてくる若いキャッチの男性に案内されたお店は、駅から少しだけ歩いたけれど、汗をかくほどの距離でもなかった。案内された個室の席に座るなり、彼はこう言った。

 

「実はさ、鬱症状に苦しんでて、病院で薬をもらいながら、なんとか仕事をしてるんだよ」

 

 

「大丈夫! 大丈夫!」は、異常に抗うセリフ

そういうことか。

ちょっと驚いたあとに、彼のすわった目つきが腑に落ちた。そして「どこかで見覚えのある目つき」は、ぼくが鬱病になったときに、鏡で見た自分の目つきそのものだったのだ。

 

彼はこちらを心配させまいと、「大丈夫! 大丈夫!」と何度も言った。

 

鬱病は自覚がない。

信じられないことに「自分はメンタルが強い」「がまん強い」「根明(ねあか)な性格だ」と思っているような人ほど、患ってしまいやすい病気だ。なぜならメンタルの弱さを自覚している人であれば、苦しいことに直面したときに、それを正面からは受け止めず、上手に逃がす方法を知っていたり、意図的にストレス解消する方法を確立しているものだ。

 

精神を病むなんて、カッコ悪い。

メンタルが弱い人みたいで、みっともない。

 

昔は自分もそう思ってた。

でも「大丈夫! 大丈夫!」というセリフは、異常をきたした自分に抗うセリフだ。

 

 

「逃げ方」が分からないから、余計に辛くなる。

でも「メンタルが強い」と自認する人ほど、どんなことでも正面から受け止め続けて、逃げない。「逃げるのは甘えだ」「避けるのは逃げだ」ぐらいに思ってる。ほとんど”自称”でしかないメンタルの強さだけを頼りに、プレッシャーやストレスを受け続けると、意外なほどあっさりと人の精神は壊れてしまう。

 

細胞にすり込まれるほど「立ち向かえ!」と教えられるのに、不思議なことに「逃げろ!」とは教わらない。家庭の指導でも、学校教育でも「逃げろ!」と言われた人は少ないんじゃないだろうか。

 

ぼくたちは逃げ方を知らない。

心からキツくなったときでも、逃げ方が分からずに立ち向かってしまう。身体に異常が表れても、避難の仕方が分からないから頑張ってしまう。そして逃げずに立ち向かったことを周囲から褒められ、また逃げない癖がついてしまう。

 

「うつ病」に苦しむ友だちへ:体さえ元気なら、また歩き出せる。

 

積極的に人に手を借りて、余裕をつくる

とにかく逃げ場をつくってあげること。

消耗した気持ちや、正常な判断力を失った脳を、そっと休める余白をつくってあげること。

 

仕事が辛いなら、プライベートで楽しめることはないのか?

会社の人間関係が辛いなら、転職はできないのか?

育児と家事がしんどいなら、週に一回でも外に出られないのか?

 

仕事、育児、家事は「自分でがんばるもの」というのが暗黙の了解になっているが、むしろ積極的に人の手を借りて欲しい。実家の両親、近所の知人、気のおけない友だち、何でも話せる同僚、とにかくカジュアルに話をして、手を借りることを考えて欲しい。

 

ぼくもこれまで多くの人に迷惑をかけてきたが、回復した今から恩返しすればいいと思っている。自分本位かもしれないけれど、あのときに会社を辞めなければ… 気がつけば目の前の包丁を眺めていて驚いた、あのタイミングで休養しなければ… もっと最悪の事態になっていただろう。

 

 

手足を動かし、没頭することで、少しずつ克服する

鬱症状ではなくても同じだが、何か悩みごとがあるときには、そのことばかり考えてしまうものだ。でも、辛い症状が表れたときだけは、意識の逃げ場所をつくってあげることが何よりも大事で、集中するものをつくるのが効果的。

 

ゲーム、編み物、ブログ、プログラミング、デザイン、読書、散歩、ランニング、瞑想など、集中してるときは「無」になれるものをつくること。できれば「好きなこと(趣味)」がいい。

 

ぼくはブログに救われた。

鬱病になった時期にブログが無ければ、頭のなかを言語化して整理することができなければ、インターネットを介して人と交われる時間がなければ、どうなっていたのか分からない。今となっては中毒症状のように文章を書き、ありがたいことにそれを仕事にできているのだが、あのときの強烈な体験があったからこそ、書き続けていられるのだと思う。

 

逃げないことは美徳じゃない。

とにかく今は好きなことに没頭してくれ。ここまで磨り減るほど頑張ってきたのだから、少しだけ逃げ場所をつくってあげたらいい。また元気になったらいつもの安居酒屋じゃなくて、焼き肉でも食べに行こう。

 

ミラクリから一言

もうがんばるなよっ!!

 - こころ・メンタル

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Comment

  1. いぬ より:

    鬱で休職経験済み、復職済みですが、最近、また月に数回、闇に落ちてしまいます。
    このサイトを見つけて、なんだかホッとしました。
    ありがとうございます。

    • 小林トシノリ より:

      いぬさん

      コメントありがとうございました!

      大変な状況ですが、お体にはご自愛ください。
      読んでくださり、ありがとうございました。

  2. ねこ より:

    パワハラで鬱になり、無職で地獄をみて、なんとか再就職できたものの、自分の真面目さ故にか、また、鬱を発症してしまっています。
    なんとか、復職しようとしていますが、恐怖で・・・。でも、家族を養わなければならないし・・・。

    • 小林トシノリ より:

      ねこさん

      コメントありがとうございます。

      うつ病が再発する恐怖はよく分かります。
      ぼくは今でこそフリーランスで元気に仕事をしていますが、ふと気持ちが落ちたときには、いつも恐怖を振り払いながら運動をしたりなど、予防をしています。

      どうかご自愛ください。
      元気であればいくらでも働けますから。

  3. みくり より:

    今、大学の研究職で全力で逃げています。
    この記事にほっとしました。
    昨年末は、千代田線にダイブしようか、近所の杉の木にくくろうか、とまで悩んでました。
    逃げていいんですよね?上司の金切り声が聞こえると、トイレに行くふりをして部屋をそっと出る。
    セクハラ学生が来ると、そっと他の部屋へ移る。
    秘書さん同士の悪口を聞きたくなければイヤホンで聞こえないふりをする。
    大人気ないようですが、精一杯なんです。

    • 小林敏徳 より:

      みくりさん

      コメントありがとうございます!

      かなり過酷な状況なのだとお察しします。

      とくに人間関係のストレスは弱った心にグッと突き刺さりますよね。

      ネガティブなイメージがわいたときは、我慢せずに休んでください。早めに就寝してください。

      思い詰めても良いことはありませんから。

      どうかお体を第一に考えてください!

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